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韓国の選挙

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韓国の選挙
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韓国の選挙(かんこくのせんきょ)では、大韓民国立法府である大韓民国国会と、行政府の長である大統領、地方自治団体の首長と地方議会、それぞれの選挙について解説する。

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韓国の選挙制度

韓国の選挙について

制憲国会の議員を選出するために1948年5月10日に行なわれた総選挙で、自由・普通・平等・秘密の原則に基づく民主的選挙制度が導入されたが、約60年間、様々な政治的変動によって、大統領と国会議員の選挙制度は目まぐるしい変遷を遂げてきた。

1987年民主化宣言によって成立した第六共和国では、1994年制定の公職選挙法朝鮮語版に基づいて全ての選挙が実施されている。その為、法制定以降の韓国では大統領直接選挙制小選挙区制を主体とした国会議員の選挙制度が定着している。

なお、韓国の投票日は水曜日と決まっている、これは大統領選挙、総選挙、統一地方選挙など、大きな選挙は全て水曜日で、投票日は祝日となる。ただし、補欠選挙の場合は祝日とならない。例えば2021年4月7日(水曜)に行われたソウル市長、釜山市長のW選挙(2021年ソウル市長補欠選挙2021年釜山市長補欠選挙)がそれに該当する。

選挙制度

要約
視点

歴代の大統領選挙と国会議員選挙における選挙制度の詳細について紹介する。

大統領選挙

韓国の政治体制大統領中心制[1]をとっており、強大な権力を有しているため、大統領選挙は非常に重要な選挙となっている。過去に九回憲法改正が実施されてきたが、改憲の主目的は時の大統領の政権維持を目的とした大統領選挙の制度改正であった。大統領選挙は過去17回実施され、合計で10人が選出されてきたが、初代は国会議員による間接選挙、1952年に国民による直接選挙、1972年統一主体国民会議による間接選挙制へと変更された。これは時の権力者の政権維持をするために選挙制度を自分有利に変更したためである。そして、1987年6月の「民主化宣言」を受けて行なわれた憲法改正によって、国民による直接選挙制度が復活し、定着するようになった。

さらに見る 代, 選挙実施年月日 ...
出典:孔義植鄭俊坤共著『韓国現代政治を読む』芦書房、95頁の表「大統領選挙制度の変遷過程」を元に作成。

国会議員選挙の制度

国会議員選挙においても大統領与党勢力が、院内の安定多数勢力を確保するために様々な選挙制度改正が行なわれてきた。具体的には、維新体制(第四共和国)時代は国会の三分の一を大統領が推薦(事実上の任命)する制度が導入されたり、全国区の三分の二あるいは半分を第一党に自動的に配分するなどの制度が導入された。また、民主化宣言後に導入された比例代表制でも、全国区の有効得票総数が3%未満、あるいは地方選挙区の獲得議席数が五議席未満の政党には全国区議席の配分資格を与えないなど、群小政党を排除する制度が作られている。

1988年以降の第六共和国の国会議員選挙では一貫して小選挙区比例代表並立制が採用されているが、小選挙区(地域区)の比率が選挙を重ねる毎に大きくなっており、比例代表部分は二割弱に留まっている。比例代表部分は、第14代総選挙では地域区で獲得した議席数に応じて各政党に比例配分され、第15代第16代では地域区の候補者の得票率に応じて各政党に比例議席配分されていた。だが、違憲判決を機に2004年第17代総選挙から二票制が導入され、政党に投ぜられた得票に応じて配分される方法となった。更に、公職選挙法朝鮮語版改正によって議席の配分方法が変更され、2020年第21代総選挙から政党得票率と比して地域区での獲得議席が少なかった政党は配分議席数が優遇される。なお獲得票が3%未満の政党、若しくは地域区の獲得議席が5議席未満の政党は比例代表における議席配分の対象外となる。

さらに見る 代, 院構成 ...
出典:孔義植鄭俊坤共著『韓国現代政治を読む』芦書房117頁の表「国会議員選挙制度の変遷過程」。尚、備考に関しては西平重喜『各国の選挙-変遷と現状』(木鐸社)を参照した。

地方選挙

韓国における地方選挙は、朝鮮戦争最中(1950~1953)の1952年に初めて実施された。その後、1956年、1960年に選挙が行われたが、60年に選挙が行われてから半年にも満たない1961年5月に発生した軍事クーデターによって、地方議会は解散された。クーデター後に制定された第三共和国憲法の附則第7条第3項で「地方自治の実施時期は法律で別途規定する」とされたが、地方自治実施のための法律は制定されず、地方選挙は行われなかった。このような状態は第四共和国を経て第五共和国まで継続された。しかし、1987年の民主化宣言によって地方自治も復活されることになり、1991年に地方自治団体の議決機関である地方議会を構成する議員の選挙が31年ぶりに実施、1995年に執行機関である自治団体長(市長・道知事、市長・区庁長・郡守)の選挙が実施された。以後、四年毎[3]に広域自治団体(ソウル特別市・広域市・道)と基礎自治団体(一般市・自治区・郡)の団体長と議会議員を選出するための選挙が行われている。

さらに見る 年度, 地方議会議員選挙 ...
出典:“自治体国際化協会編『各国の地方自治シリーズ 韓国の地方自治』 (PDF) 52~53頁、<図表5-1>地方選挙の実施状況”に加筆。
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立候補

政党の党員である場合は政党の推薦、非党員の場合は選挙権者による推薦を必要とする。

政党候補者

政党候補者の推薦手続に関しては民主的であることが求められ、党内予備選挙を実施した際において当該政党の候補者に選出されなかった場合は選挙区からの出馬をすることができない。比例代表選挙では候補者名簿の50%以上を女性候補とすることを義務づけられ、地域区でも全選挙区の30%以上に女性候補を擁立することを求めるクオータ制が導入されている。

選挙権者の推薦

各選挙における選挙権者の推薦人数の要件は以下の通りである。

  • 大統領選挙
5カ所以上の市・道に分散した2500人以上5000人以下
  • 市・道知事選挙
当該市・道における三分の一以上の自治区・市・郡に分散した1000人以上2000人以下
  • 国会議員選挙、自治区・市・郡長選挙
300人以上500人以下
  • 市・道議会議員選挙
100人以上200人以下
  • 自治区・市・郡議会議員選挙
50人以上100人以下

予備候補

予備候補は、現職候補と新人候補間における公正な競争を確保するため、選挙運動期間前に一定の選挙運動を認める制度である。大統領選挙では240日前、地域区国会議員選挙の場合は選挙日120日前から予備候補登録が開始され、予備候補登録をすることで選挙事務所を設けることができる他、電子メールや街頭での広報用名刺配布などの一定の選挙運動が行うことができる。

出典:후보자(候補者)선거운동(選挙運動)。中央選挙管理委員会サイト

選挙法制

関連書籍

選挙結果をまとめた選挙総覧선거총람)が、韓国・中央選挙管理委員会(중앙선거관리위원회)から発行されている。総覧には、候補者の経歴や地域別の得票数、各政党の選挙公約など、その選挙の詳細な情報が掲載されている[4]日本国立国会図書館は、大統領選挙については第14代から、国会議員選挙は第13代から、地方議員選挙は91年のものと第1回全国同時地方選挙から、それぞれ所蔵している。

  • 『第14代大統領選擧總覽 : 1992.12.18施行』(中央選擧管理委員會、1993年
  • 제16대 대통령선거총람 : 2002.12.19 시행』(第16代大統領選挙総覧 : 2002.12.19施行)(중앙선거관리위원회 2003)
など。
  • 『第13代 國會議員選擧總覽 : 1988.4.26』(中央選擧管理委員會、1988年
  • 제17대 국회의원선거총람 : 2004.4.15 시행』(第17代国会議員選挙総覧 : 2004.4.15施行)(중앙선거관리의원회2004年
など。
  • 『市・道議會議員選擧總覽 : 1991.6.20施行』(中央選擧管理委員會、1991年
  • 『第4回 全國同時地方選擧總覽 : 2006.5.31 施行』(中央選擧管理委員會、2006年
など。

また、中央選挙管理委員会の「選挙情報センター」には「E-Book」(電子書籍)コーナーがあり、直近の選挙に関する総覧などがパソコンで閲覧できる。

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脚注

関連サイト

関連項目

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