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宝石商リチャード氏の謎鑑定
辻村七子によるライトノベルシリーズ ウィキペディアから
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『宝石商リチャード氏の謎鑑定』(ほうせきしょうリチャードしのなぞかんてい)は、辻村七子による日本のライト文芸作品。装画は雪広うたこ。集英社オレンジ文庫(集英社)より2015年12月から刊行されている。2021年6月時点でシリーズ累計部数は80万部を突破している[2]。
本作はイギリスから来た美貌の宝石商リチャード・ラナシンハ・ドヴルピアンと正義感のある日本人男子大学生・中田 正義のコンビが宝石に潜んでいる持ち主の隠れた心理面を紐解く、宝石商と宝石を題材としたジュエルミステリーである。第1巻から第6巻までの第1部はオムニバス形式の短編集、第7巻以降の第2部からは長編形式がとられている[3]。
第一部の各巻には4話の短編小説が収録されており、リチャードが経営する宝石店「ジュエリー・エトランジェ」を訪れる客にかかわる宝石の謎をリチャードが解決する内容となっている。また、本作は人種差別といったデリケートな題材も扱う[3]。 ライターの嵯峨景子はリアルサウンドに寄せた記事の中で、第二部は宝石にまつわるエピソードは減った一方、リチャードをはじめとする登場人物たちの背景にまつわる物語が展開されたと指摘している[4]。
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あらすじ
![]() | この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
第一部
第二部
- 宝石商リチャード氏の謎鑑定
紅宝石 ()の女王と裏切りの海 - 大学卒業後、正義は公務員試験の勉強を続ける傍ら、リチャードの勤務先である宝石店の本社・スリランカでインターンをしていた。その矢先、ある人物から「リチャードを助けて」というメールがくる[4]。正義は、リチャードの名前で予約された豪華客船に乗り込む。
- 宝石商リチャード氏の謎鑑定 夏の庭と
黄金 ()の愛 - リチャードの母・カトリーヌの招待で、リチャードと正義は南フランスのプロヴァンスへ行く[4]。2人はそこで出会ったオクタヴィアとともにあるゲームに挑む。
- 宝石商リチャード氏の謎鑑定 邂逅の
珊瑚 () - 戒厳令の発令を受け、正義は滞在先のスリランカから日本へ一時帰国するも、ヴィンセントという人物に会うために香港へ行く。
- 宝石商リチャード氏の謎鑑定 久遠の琥珀
- リチャードと正義は、オクタヴィアからスリランカのリゾート地・ヌワラエリヤへ呼び出される。
第三部
- 宝石商リチャード氏の謎鑑定 少年と螺鈿箪笥
- 27歳になった正義は、引きこもりの母親を持つ少年・みのるを引き取る。
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登場人物
主要人物
- 中田 正義(なかた せいぎ)
- 声 - 内田雄馬[6]、松田利冴(少年時代)
- 公務員を目指す男子大学生。本作の主人公。
- テレビ局の夜勤バイトの帰りに通りかかった公園で、泥酔の悪漢に絡まれていたリチャードを助ける。祖母の遺品であるピンクサファイアの指輪に関する調査をリチャードに依頼したことをきっかけに、「ジュエリー・エトランジェ」でアルバイトとして働き始める。
- 正義感が強く真っすぐな性格だが、時折突っ走ってしまうところがあり、リチャードに窘められている。また、良くも悪くも素直な性格である為、迂闊な失言で客の不興を買ってしまうこともある。
- 祖母はスリで母親とは仲が悪く、実父の家庭内暴力により両親は離婚、中田は母の再婚後の姓という複雑な家庭環境に育つ。
- この複雑な過去がリチャードとの共通点となりそれぞれの家族の絆の修復のきっかけとなってゆく。
- リチャード・ラナシンハ・ドヴルピアン(Richard Ranasinghe de Vulpian)
- 声 - 櫻井孝宏[6]、山村響(少年時代)
- イギリス人の宝石商であり、銀座に居を構える宝石店「ジュエリー・エトランジェ」のオーナー。週末はエトランジェの営業、それ以外の日は世界中の顧客の元を飛び回り仕事をこなす敏腕ビジネスマン。
- 30代に見えるが年齢不詳。英語や日本語を始めとして世界各地の十か国語以上の言語を使いこなす。好物は甘味で、正義の作るプリンを絶賛する。本名はリチャード・クレアモント(Richard Claremont)。ロンドンの伯爵家の後継者だが、遺産相続のトラブルにより実家とは絶縁状態にあり、祖母の母国であるスリランカに出奔中に宝石商となる。性格は潔癖かつ生真面目で、正義同様の正義感の持ち主である。根底では他者と円滑なコミュニケーションを取りたいと願っているが、美しすぎる容姿と高すぎるスキルのせいで嫉妬や誤解を受けることが多く、気の置ける友人がなかなかできなかった。貴族である先祖の人種差別のせいで実家がバラバラになり大勢の人が不幸になったことが骨身に染みており、「あらゆる人種、国籍、趣味、性的嗜好を差別しない」という宝石店エトランジェの約款を作る。彼とクレアモント家の関係者の人間関係がストーリーの軸となる。
正義の友人達
リチャードの関係者
- ジェフリー・クレアモント(Jeffrey Claremont)
- 声 - 松風雅也[7]
- クレアモント家の次男でリチャードの従兄弟に当たる。
- アメリカで一族が経営する投資会社の経営に携わっている、金融タレント。
- 家族思いだが、リチャードとは複雑な関係を抱える。
- ヘンリー・クレアモント(Henry Claremont)
- 声 - 梶裕貴[7]
- クレアモント家の長男でリチャードの従兄弟に当たる。
- とある出来事に心を痛めて憔悴してしまった。
- シャウル・ラナシンハ・アリー(Saul Ranasinghe Ali)
- 声 - 志賀麻登佳[7]
- ラナシンハジュエリーのオーナー。
- リチャードの上司、雇用主に当たる。かなり癖のある男。
- スリランカで出会ったリチャードに才能を見出だす。
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評価
ライターの嵯峨景子は、リアルサウンドに寄せた記事の中で、「デリケートなテーマに切り込んだうえで、ステレオタイプな表現に陥ることなく、繊細かつ生々しい感情をえぐり出す作者の筆致こそ、『宝石商』シリーズの真骨頂であると個人的には主張したい。」と評価している[3]。また、嵯峨は第二部において物語が世界規模で広がる中で、社会的な問題に向き合う様子が強く打ち出されたと述べている[4]。
既刊一覧
要約
視点
小説
- 辻村七子(著)、雪広うたこ(装画)、集英社〈集英社オレンジ文庫〉、既刊12巻(2022年6月17日現在)
- 『宝石商リチャード氏の謎鑑定』2015年12月22日第1刷発行(12月17日発売[8])、ISBN 978-4-08-680054-9
- 『宝石商リチャード氏の謎鑑定 エメラルドは踊る』2016年5月25日第1刷発行(5月20日発売[9])、ISBN 978-4-08-680081-5
- 『宝石商リチャード氏の謎鑑定 天使のアクアマリン』2016年11月23日第1刷発行(11月18日発売[10])、ISBN 978-4-08-680106-5
- 『宝石商リチャード氏の謎鑑定 導きのラピスラズリ』2017年2月22日第1刷発行(2月17日発売[11])、ISBN 978-4-08-680119-5
- 『宝石商リチャード氏の謎鑑定 祝福のペリドット』2017年8月27日第1刷発行(8月22日発売[12])、ISBN 978-4-08-680143-0
- 『宝石商リチャード氏の謎鑑定 転生のタンザナイト』2018年1月24日第1刷発行(1月19日発売[13])、ISBN 978-4-08-680169-0
- 『宝石商リチャード氏の謎鑑定
紅宝石 ()の女王と裏切りの海』2018年6月26日第1刷発行(6月21日発売[14])、ISBN 978-4-08-680198-0 - 『宝石商リチャード氏の謎鑑定 夏の庭と
黄金 ()の愛』2018年12月23日第1刷発行(12月18日発売[15])、ISBN 978-4-08-680226-0 - 『宝石商リチャード氏の謎鑑定 邂逅の
珊瑚 ()』2019年8月26日第1刷発行(8月21日発売[16])、ISBN 978-4-08-680266-6 - 『宝石商リチャード氏の謎鑑定 久遠の琥珀』2020年6月24日第1刷発行(6月19日発売[17])、ISBN 978-4-08-680323-6
- アクリルスタンドつき限定版(同日発売[18])、ISBN 978-4-08-907067-3
- 『宝石商リチャード氏の謎鑑定 輝きのかけら』2021年6月23日第1刷発行(6月18日発売[19])、ISBN 978-4-08-680388-5
- 『宝石商リチャード氏の謎鑑定 少年と螺鈿箪笥』2022年6月22日第1刷発行(6月17日発売[20])、ISBN 978-4-08-680451-6
- 『宝石商リチャード氏の謎鑑定 ガラスの仮面舞踏会』2023年10月24日第1刷発行(10月19日発売[21])、ISBN 978-4-08-680522-3
以下は未刊行。集英社オレンジ文庫のホームページ上にて公開されている。
漫画
『コミックZERO-SUM』にて2020年1月号より連載開始[26]。
- 辻村七子(著)、雪広うたこ(キャラクター原案)、あかつき三日(作画) 『宝石商リチャード氏の謎鑑定』 一迅社〈ZERO-SUMコミックス〉、既刊6巻(2024年3月29日現在)
- 2020年3月25日発売[27]、ISBN 978-4-7580-3498-2
- 2020年9月25日発売[28]、ISBN 978-4-7580-3539-2
- 描き下ろしマンガ小冊子つき特装版(同日発売[29])、ISBN 978-4-7580-3540-8
- 2021年2月25日発売[30]、ISBN 978-4-7580-3587-3
- オールカラーミニイラスト集付き特装版(同日発売[31])、ISBN 978-4-7580-3588-0
- 2021年12月25日発売[32]、ISBN 978-4-7580-3685-6
- 小冊子付き特装版(同日発売[33])、ISBN 978-4-7580-3686-3
- 2022年9月24日発売[34]、ISBN 978-4-7580-3789-1
- 2024年3月29日発売[35]、ISBN 978-4-7580-8491-8
関連書籍
公式ファンブック 『エトランジェの宝石箱』(ISBN 978-4-08-780889-6)が2019年11月26日に同レーベルから出ている。
辻村七子の個人ブログ掲載のショートストーリー、書店購入者特典ショートストーリー、カバーイラスト等が収録されている。
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テレビアニメ
要約
視点
2020年1月から3月までTOKYO MXほかにて放送された。
スタッフ
- 原作 - 辻村七子[6]
- キャラクター原案 - 雪広うたこ[6]
- 監督・演出設計 - 岩崎太郎[6]
- 構成・脚本 - 國澤真理子[6]
- キャラクターデザイン - 近藤奈都子[6]
- リチャード監修 - 川添政和[6]
- プロップデザイン - 大坊佳代、西野美沙樹
- 宝石・ジャガーデザイン - 石本剛啓
- 宝石監修 - 工藤直一[6]
- 色彩設定 - 歌川律子[6]
- 美術 - 一色美緒[6]
- 美術設定 - 杉山晋史
- 撮影 - 塩川智幸[6]
- CGプロデューサー - 神林憲和[6]
- 編集 - 今井大介[6]
- 音響監督 - 本山哲[6]
- 音楽 - 戸田信子[6]
- 音楽制作 - エイベックス・ピクチャーズ[7]
- プロデューサー - 西浩子[7]、渡瀬昌太[7]、山崎史紀[7]、齋藤利勝[7]、相島豪太[7]、工藤雅世[7]、本橋修一[7]、大和田智之[7]、金庭こず恵[7]、佐藤圭介[7]、馬場楊子[7]
- アニメーションプロデューサー - 佐藤由美[7]
- アニメーション制作 - 朱夏[6]
- 製作 - 「宝石商リチャード氏の謎鑑定」製作委員会(エイベックス・ピクチャーズ、エー・ティー・エックス、博報堂DYミュージック&ピクチャーズ、エンタマ、GYAO、スタジオマウス、創通、日本アニメーション、BS11、ムービック、WOWOW、キュー・テック)
主題歌
各話リスト
放送局
BD / DVD
ドラマCD
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出典
外部リンク
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