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寝たきり
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寝たきり(ねたきり、英:bedridden[1])は、意識の有無を問わず、常時ベッドから起き上がることが出来ない人から、「介護があれば日常生活支障なし」の状態をも含む曖昧な概念。日本国において、常に寝たきりで全面介護の人を表現する日常生活動作能力(ADL)に力点を置いた言葉である[1]。
定義
介護保険制度における要介護認定の「日常生活自立度(寝たきり度)」では、生活自立ランクJ、A、B、Cが存在する[2]。一番健康な区分であるJはほぼ独力で交通機関等を利用した外出出来る人が分類される。Aは「準寝たきり」と言われ、屋内では平気だが屋外に介助が必要である人が区分される。ランクB以下は「寝たきり」と言われ、 Bは屋内生活でも介助が必要で車いすを使う人が区分される。 Cはベット上で日中も生活し、排泄、食事、着替も要介助状態の人が区分される[2]。
国立社会保障人口問題研究所によると、「厳密な意味」で寝たきりとは、自力でも体を起こせない全面介助状態を指す。「様態」としての意味では、一部か全面介助されれば体を起こすことが可能な人を指す[1]。英語では、屋外のみ介助が要る一部介助の人を「house- bound」、ベットから体は起こせる人を「chair-bound」、体も起こせない全面介助の人は「bed-ridden」「bed-bound」などと呼んでいると解説している[1]。
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原因
- 脳梗塞・脳出血・蜘蛛膜下出血・脳動脈瘤破裂などの脳卒中による脳神経の障害。
- 脳腫瘍による脳神経の障害。
- 心筋梗塞などの心臓疾患時の心肺停止による低酸素脳症による脳神経の障害。
- 肝硬変などの肝臓の疾患に伴う肝性脳症。
- 脳挫傷・全身打撲時の心肺停止による低酸素脳症による脳神経の障害。
- 一酸化炭素中毒・二酸化炭素中毒時の心肺停止による低酸素脳症による脳神経の障害。
- 有毒のガス・薬物摂取時の心肺停止による低酸素脳症による脳神経の障害。
- 筋萎縮性側索硬化症・筋ジストロフィーなどの進行性神経麻痺・筋肉麻痺。
- パーキンソン病・ハンチントン病・多発性硬化症などの進行性神経麻痺。
- アルツハイマー型認知症・レビー小体型認知症・脳血管性認知症などの認知症。
- 外傷による脳・脳神経・中枢神経・頸椎・脊椎の障害
- 脳性麻痺
日本国では遷延性意識障害(植物状態)とは3か月以上も介助無しの自力で、移動不能、摂食不能、排泄行為不能、会話不能、意思疎通不能、追視あるいは認識不能の6項目を満たす状態と定義されている[3]。これは、世界保健機関[4][5][6]、PubMed[7][8]、アメリカ合衆国政府[9][10]、アメリカ合衆国の保健福祉省[11]、イギリスのDepartment of HealthのNHS[12]、日本の厚生労働省[13]などの資料により世界の多くの国や地域に広く存在することが確認されている。
寝たきりは世界保健機関[14][15]、臨床論文[16]、アメリカ合衆国政府[17]、アメリカ合衆国の保健福祉省[18]、イギリスのDepartment of HealthのNHS[19]、日本の厚生労働省[20]などの資料により世界の多くの国や地域に広く存在することが確認されている。
世界保健機関[4][5][6][14]、PubMed[7][8][16]、アメリカ合衆国政府[9][10][17]、アメリカ合衆国の保健福祉省[10][18]、イギリスのDepartment of HealthのNHS[12][19]、米国静脈経腸栄養学会や欧州臨床栄養代謝学会などが、寝たきり状態にならないようにする予防、寝たきりからの機能回復方法、 食事介助や人工栄養が必要な寝たきり患者を無理やり延命させずに自然に看取ることを推奨している。
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永続または一時的に寝たきりだった有名人
- 1973年(80歳)に筋萎縮性側索硬化症の進行で寝たきりになり、3年後の1976年9月に82歳で筋萎縮性側索硬化症で死亡した。
- 周恩来(1898年3月~1976年1月)中華人民共和国首相
- 1975年9月(76歳)に膀胱癌の進行で寝たきりになり、4か月後の1976年1月に77歳で膀胱癌で死亡した。
- 1992年(81歳)にアルツハイマー型認知症になり、9年後の2001年(90歳)に骨折で寝たきりになり、12年後の2004年に93歳で肺炎で死亡した[21]。
- 2013年6月(95歳)に呼吸器感染症になり、呼吸器の機能を喪失。人工肺で終末期延命され、6か月後の2013年12月に95歳で死亡した。
- マーガレット・サッチャー(1925年10月~2013年4月)イギリス首相
- 2000年(75歳)にアルツハイマー型認知症になり、9年後の2009年(84歳)に骨折で寝たきりになり、13年後の2013年4月に87歳で脳卒中で死亡した。
- スティーブン・ホーキング(1942年1月~2018年3月)イギリスの物理学者
- 1984年(42歳)にパーキンソン病を発症。1996年アトランタオリンピックの開会式で聖火台へ点火した時には、両腕手が不随意運動している状態であった。正確な時期は公開されていないが、晩年は寝たきりになり[25]、発病から34年後の2016年に76歳で敗血症で死亡した。
- 河野澄子(1948年~2008年8月)松本サリン事件の被害者
- 1994年6月(46歳)にサリンの被害により一時的に心肺停止し、病院での蘇生措置で心拍と自発呼吸は再開したが、意識は回復せず、経管栄養療法で生命を維持していたが、意識を回復することなく、事件から14年後の2008年8月に60歳で低酸素脳症による多臓器不全で死亡した。
- ヨハン・フリーゾ・ファン・オラニエ=ナッサウ(1968年~2013年8月)オランダ王子
- ジェイソン・ベッカー(1969年7月~)アメリカ合衆国の作曲家・ギタリスト
- 1990年(21歳)に筋萎縮性側索硬化症になり、1996年(27歳)に気管切開して人工呼吸器を設置、胃瘻設置、寝たきりになったが、眼球の動きを利用した意思伝達により創作活動を続ける。寝たきりになってから2017年8月時点で、48歳で21年間生命維持中である。
障害が残ったものの一時的寝たきり
- ミハエル・シューマッハ(1969年1月~)ドイツの自動車レースドライバー
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遷延性意識障害者の生命維持に関する紛争
→「遷延性意識障害」も参照
植物状態の患者に対して、胃瘻経管、食道経管、経鼻経管、経口経管などの経管栄養療法で、水分や栄養の投与や、自発呼吸能力を喪失している場合は、気管切開とカニューレと体外人工呼吸器の装着による意識回復のための治療、または、生命維持のための治療を継続するか、治療を中止して消極的に安楽死をさせるか、患者本人の事前意思表示がある場合は、その意思表示に基づいて治療方法が選択されるが、患者本人の事前意思表示がない場合は、患者にとって最も親等が近い家族である父・母・夫・妻・子の間で考え方の差異により、意見が対立して合意が形成できない状況になり、訴訟になり裁判で決着することもある。
脚注
関連項目
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