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湯西川温泉かまくら祭

日本の栃木県日光市の祭り ウィキペディアから

湯西川温泉かまくら祭
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湯西川温泉かまくら祭(ゆにしがわおんせんかまくらまつり)は毎年1月下旬から約1か月間、栃木県日光市湯西川温泉で行われる

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沢口河川敷会場(2023年)

概要

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平家の里会場(2023年)

1月下旬から3月上旬まで湯西川温泉街にかまくらが登場する[1]。会場にはミニかまくらが多数並び、夜になると光が灯される[2][3]

2009年までは「光輝く氷のぼんぼりとかまくら祭」と称していた[4]が、2010年より「湯西川温泉かまくら祭」と呼んでいる[5]。開催回数は光輝く氷のぼんぼりとかまくら祭から引き継ぎ、2010年を第17回とした[5]。「光輝く氷のぼんぼり」は、人が入れる大きなかまくらに備えられ、夜間にライトアップされていた[6]

2015年時点では、平家の里をメイン会場として、沢口会場(アウトドア会場)、沢口河川敷ミニかまくら会場、七色の光輝く山ホタル会場、雪のぼんぼりと雪だるま街道、平家慈光寺会場の6か所で開催されていた。2023年は平家の里会場と沢口河川敷ミニかまくら会場の2か所となり、沢口河川敷ミニかまくら会場のかまくら点灯は期間中の日曜日のみとなった[2][7]。祭りの参加費は無料であるが、主会場の平家の里に入るには入場料がかかる[8]。(かまくら点灯中の夜間の入場料は通常料金よりも低く設定される[2]。)

例年、開会式ではどぶろくが祭の参加者に振る舞われ[9]、各宿泊施設でも提供している[10]。どぶろくは2011年から県内の益子町にある外池酒造店に仕込んでもらっている[11][12]。そのほか、期間中はさまざまなイベントが行われ、かまくらの中での飲食(バーベキュー[13][14]鍋料理[15]出前[14]など)、雪遊びやそり遊びなど[16]を楽しむ事ができる。

会場から至近距離にある湯西川水の郷では、かまくら祭りとほぼ同時期に雪遊び・そり遊びなどを提供するスノーパークが開催される[2]。スノーパークの入場料には温泉入浴料金を含んでいるので、水の郷の温泉に入ることができる[2]

祭りに合わせて独自のかまくらを作り、その中で夕食を提供する宿泊施設もある[17]。市内には、文星芸術大学の学生がデザインした、かまくら祭を描いたマンホールのふたが設置されている[18]

開催期間中の金・土・日曜日に限り、日光交通路線バス・湯西川線(鬼怒川温泉駅 - 湯西川温泉間)の臨時便が1往復設定される[2][3][7]。湯西川温泉を出発する臨時便に乗車すると、バスから鉄道に乗り継いで東京まで日帰りが可能である[3][7]

運営

主催者は湯西川温泉かまくら祭実行委員会で、湯西川温泉旅館組合・日光市・平家の里・湯西川水の郷・湯西川商店会・湯西川民宿組合・湯平活性化委員会が共催する[19]。後援は観光庁ほか3団体、協賛はアサヒビール株式会社JTB、協力は東武鉄道湯西川小中学校ほか8団体である[19]

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歴史

要約
視点

閑散期である2月に観光客を呼ぼうと[15]1994年から[8]、客足が落ちる原因であった雪を活かし、湯西川温泉の旅館組合や商店街が始めた祭りである[20]。第2回となる1995年には、6トントラック1000台分の雪を使って、直径26 m、高さ12 mのジャンボかまくらを作り、集客の目玉とした[21]1997年の特大かまくらは直径15 m、高さ7 mで、祭りを宣伝するため、東京上野駅前に30トンの雪を持ち込んでかまくらを作った[22]

2001年は大きなかまくら(直径3.5 m、高さ3 m)を10個、温泉街の通り沿いにミニかまくらを100個並べた[6]2006年は約10個のかまくらが作られ、平家集落と沢口河川敷で約1000個のミニかまくらに17時から21時までろうそくに点灯された[13]。この頃には祭りに3万人が訪れ、祭りの開始前は1.3万人程度だった栗山村(当時)の2月の宿泊者数を4.5万人に押し上げるようになった[20]。2007年は12個のかまくらが作られ、沢口河川敷で約1300個のミニかまくらに17時から21時までろうそくに点灯された[14]。2009年当時の主会場は湯西川小中学校前に設けられ、大きなかまくら10個とミニかまくら約30個が作られた[4]。大きなかまくらは1個作るのに10トンダンプカー4台分の雪を使ったという[4]。同年、日本夜景遺産に選ばれた[8]

2010年代には毎年約10万人が訪れるイベントとして定着し[15]2011年から[11]観光客の要望を受けて[10]、どぶろくの提供を開始した[10][11]。湯西川温泉の宿との取引があった縁で、益子町の外池酒造店がどぶろくを醸造している[11]2014年3月12日、とちぎ産業活力大賞の表彰式が栃木県公館で開かれ、湯西川温泉かまくら祭実行委員会が商業・サービス部門で優秀賞を受賞した[23]。雪を活用した新たな観光資源の創出が評価されたものである[23]。2017年には、鬼怒川温泉の観光事業者が集客増を図るため、鬼怒川温泉と湯西川温泉の間で無料送迎タクシーを運行した[24]2020年は暖冬で湯西川温泉の雪だけでは足りず、奥鬼怒温泉郷からも雪を搬入した[25]。しかし新型コロナウイルス感染症の影響で、最後の3日間の開催を中止した[12]

コロナ禍2021年2022年と2年連続中止となったが、2021年は上屋敷 平の高房が旅館に隣接する畑に200個のミニかまくらを作り、点灯・公開し[26]、2022年は平家の里が通路を広くすることでを避け、ミニかまくら300個に点灯・公開した[27]2023年は3年ぶりに正式に開催し、河川敷に約600個のミニかまくらが並んだ[28]。ただし、開会式は感染対策のために開催しなかったことから、恒例のどぶろく振る舞いはなく、各宿泊施設でどぶろくが提供された[9]

開催期間

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かまくらの中に設置された自動販売機(2013年)
  • 1998年:2月1日 - 3月1日[29]
  • 2001年:1月28日 - 2月28日[6]
  • 2002年:1月27日 - 2月28日
  • 2003年:1月26日 - 2月28日
  • 2004年:1月25日 - 2月29日[30]
  • 2005年:1月27日 - 2月28日[31]
  • 2006年:1月26日 - 2月28日[13]
  • 2007年:1月27日 - 2月28日[14]
  • 2008年:1月26日 - 3月2日[32]
  • 2009年:1月24日 - 3月8日
  • 2010年:1月9日 - 3月22日
  • 2011年:1月8日 - 3月21日 ※東日本大震災が発生したため3月11日で中止。
  • 2012年:1月21日 - 3月20日
  • 2013年:1月26日 - 3月17日
  • 2014年:1月25日 - 3月9日
  • 2015年:1月24日 - 3月8日
  • 2016年:1月23日 - 3月6日
  • 2017年:1月28日 - 3月5日[24]
  • 2020年:1月31日 - 3月1日[33] ※新型コロナウイルス感染症が流行したため2月27日で中止[12]
  • 2023年:1月27日 - 2月26日[2][3][28]
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ミニかまくら

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沢口河川敷のミニかまくら(2018年)

沢口河川敷会場には多数のミニかまくらが作られ、その中に灯されたろうそくの明かりが幻想的な風景を作り出す[8]。観光客は、河川敷に下りて川沿いに歩いたり、橋の上から眺めたりして鑑賞する[1]

ミニかまくらは、高さ40 cmほどで[8][28]、漬物桶に雪を詰めて作る[5]。大雪が降れば埋もれてしまい、気温が上がれば溶けてしまうため、ミニかまくらの個数の維持には、観光客らのボランティア協力が欠かせない[5]。ミニかまくらの点灯日は17時半から、地元住民が1つずつろうそくに点火する[8]。沢口河川敷での点灯は期間中の金・土・日曜日のみであるが、平家の里のミニかまくらは毎日点灯する[2]

ミニかまくらは、2004年に始まった当初は200個であった。2019年には約800個作られ、実行委員ら20人で用意するのに2日かかった[8]。2023年は約600個であった[7][28]

脚注

関連項目

外部リンク

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