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聖女の魔力は万能です
日本のライトノベル、メディアミックス作品 ウィキペディアから
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『聖女の魔力は万能です』(せいじょのまりょくはばんのうです)は、橘由華によるライトノベル。2016年4月29日から小説投稿サイト「小説家になろう」にて「タチバナ」名義で連載されているオンライン小説を元に、2017年2月からカドカワBOOKS(KADOKAWA)より書籍化刊行されている[4]。書籍版のイラストは珠梨やすゆきが担当。
![]() | 登場人物節、用語節はノートでの過去合意で除去することとなっています。必要だと考える方は、二次資料を提示の上、ノートで議論を提起してください。 |
メディアミックスとして、2017年7月から藤小豆によるコミカライズがウェブコミック配信サイト『ComicWalker(現・カドコミ)』内のフロースコミックにて連載中[5]。2018年にはシチュエーションオーディオドラマ化されており、アルベルト・ホーク役を羽多野渉が担当している。さらに2020年にはディオメディア制作によるテレビアニメ化が発表された[6]。2020年10月から2023年9月まで亜尾あぐによるスピンオフ漫画である『聖女の魔力は万能です 〜もう一人の聖女〜』が『ComicWalker』内のフロースコミックにて連載された[7][注釈 1]。2021年12月時点で電子版を含めたシリーズ累計部数は330万部を突破している[8]。
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あらすじ
要約
視点
HP・MP・レベル・魔法を含むスキルなどが、数値化されて確認できる異世界。スランタニア王国では数世代に一度、国が瘴気に覆われ魔物が大量発生する時代がやって来る。これまではそのたびに、魔を祓う力を持つ「聖女」が現れ、国を救ってきた。過去一度だけ聖女が現れなかった時は、儀式により聖女を召喚した。
今回またも聖女が現れず、王と重臣たちは、やむなく伝説の儀式「聖女召喚の儀」を行う。召喚されたのが小鳥遊 聖(セイ)と御園 愛良(アイラ)の二人の日本人であった。しかし王国の第一王子カイル・スランタニアはアイラしか目に入らず、彼女だけを聖女として扱った[注釈 2]。無視されたセイは怒り、王宮を出ようとするが行く当てもなく、元の世界への戻る方法も不明で、その後紆余曲折を経て薬用植物研究所に研究員として働き始める。
召喚から3か月後、王国の第三騎士団が魔物討伐で甚大な被害を受けるが、セイの作ったポーションで団長アルベルト・ホークらは回復する。以降、ホークたちとの交流を続け、図書館で知り合ったエリザベス・アシュレイの頼みを聞いたり、宮廷魔道師団で魔法付与を行ったり、ホーク団長に魔法付与されたアクセサリーを渡すため、第三騎士団を訪ねるなどして日々を過ごしていた。
召喚から7か月後、城の書庫にあった本で回復魔法を学んだセイは、再度の魔物討伐で負傷した騎士たちを見舞う。その際、回復不能の重傷を負った騎士を放っておけなかったセイは、強力な回復魔法で身体の欠損すら再生させてしまい、彼らから「聖女」として崇められることになる。
その直後、聖女召喚の儀の反動による昏睡から目覚めた宮廷魔道師団長ユーリ・ドレヴェスから鑑定を受けるが、国一番の魔道師である彼よりセイのほうがレベルが上で、鑑定不能だった。報告を受けた国王ジークフリート・スランタニアは、公の謁見の場でセイに謝罪し、恩賞として何を望むかと問う。特に欲しい物の無いセイは、禁書庫の閲覧と正規の魔法指導を願い出、ユーリから直接魔法の指導を受けることになる。
召喚から9か月後、セイは、ホーク団長率いる魔物討伐に回復要員として参加する。ところが団長が窮地に陥った時、セイの中から金色の魔力があふれ出す。それは周囲の魔物と、魔物が湧き出す黒い沼を呑み込むと、一瞬ですべてを消し去った。聖女のみが使えるという伝説の広域浄化魔法、「聖女の術」にほかならなかった。
この功績により、セイは王宮すべてから「聖女」だと認められる。しかし、アイラを聖女にしようと必死だったカイル王子はそれを信じず、「セイは聖女ではない」と人目のある場所で発言してしまい、父王から謹慎を命じられた。
召喚から1年後、セイはホーク団長および第三騎士団と共に、薬師の聖地と呼ばれるクラウスナー領へ魔物討伐の遠征に向かう。この遠征で「ホーク団長のことを思い浮かべる」のが聖女の術の発動条件[注釈 3]であると気づき、術を自在に発動できるようになる。
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制作背景
本作品は橘由華が「タチバナ」名義[9]で、2016年4月29日より小説家になろうに連載されている[10]。掲載開始10日後の5月9日には小説家になろうの日間ランキング1位[9]、1か月後の5月29日にはジャンル別ランキングにおいて日間・週間・月間で同時に1位となった[11]。累計では2017年6月時点で、14,288,206回(ページビュー)・3,684,023人(ユニークアクセス)に読まれている[12]。掲載開始8か月後の2016年12月28日には作者の橘由華より書籍として翌年2月に出版することが告知された[13]。書籍の内容は、小説家になろうの連載よりも「20%くらい増量しています」とし、「Web版を書くときに削った部分が追加されています」と大筋での差異は無いことが予告された[13]。書籍は2017年2月10日にカドカワBOOKS(KADOKAWA)より第1巻が刊行された[4]。
橘は小説家になろうのトップページの賞の案内を見たことがきっかけで書き始め、参考のために閲覧した人気ランキングで男性向けでも女性向けでもタイトルに「聖女」が入っていることを知り、そこからプロットを組み立てていった[14]。作中のキャラクターは、「同じ職場で働きたい人」というコンセプトで設定されている[14]。そのため、登場人物のほとんどが主人公に好意的で、唯一主人公を冷遇してトラブルメーカーとなる人物(カイル王子)も過失と思い込みによるもので悪意はなく、悪人が一切登場しないのが特徴的といえる。なお、カイル王子の処遇に関しては単行本2巻の作者あとがきの中で、当初のストーリー構想では断罪されて偽聖女アイラと共に国外追放される予定だったのを、「アイラがかわいそう」という読者の声が多かったため方針変更したと語っている。
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社会的評価
第1巻は出版物流通大手の日本出版販売(日販)が運営するサイト「ほんのひきだし」が集計するライト文芸ランキングにおいて2017年1月24日から2月20日集計の13位となった[15]。第2巻は同ランキングの2017年8月21日から9月20日集計で6位となった[16]。第3巻はライト文芸ランキングの2018年9月21日から10月20日集計で5位となり[17]、全ジャンル総合の週間ランキングでも7位となった[18]。
既刊一覧
小説
- 橘由華(著)・珠梨やすゆき(イラスト) 『聖女の魔力は万能です』 KADOKAWA〈カドカワBOOKS〉、既刊9巻(2023年3月10日現在)
- 2017年2月10日初版発行(同日発売[19])、ISBN 978-4-04-072185-9
- 2017年9月10日初版発行(9月8日発売[20])、ISBN 978-4-04-072366-2
- 2018年10月10日初版発行(同日発売[21])、ISBN 978-4-04-072616-8
- 2019年5月10日初版発行(同日発売[22])、ISBN 978-4-04-072617-5
- 2020年2月10日初版発行(同日発売[23])、ISBN 978-4-04-073488-0
- 2020年9月10日初版発行(同日発売[24])、ISBN 978-4-04-073489-7
- 2021年5月10日初版発行(5月8日発売[25])、ISBN 978-4-04-073924-3
- 2022年3月10日初版発行(同日発売[26][27])、ISBN 978-4-04-074370-7 / ISBN 978-4-04-074404-9(イラスト小冊子&グッズ付き特装版)
- 2023年3月10日初版発行(同日発売[28][29])、ISBN 978-4-04-074787-3 / ISBN 978-4-04-074885-6(グッズ付き特装版)
漫画
- 橘由華(原作)・珠梨やすゆき(キャラクター原案)・藤小豆(作画) 『聖女の魔力は万能です』 KADOKAWA〈フロースコミック〉、既刊10巻(2025年1月17日現在)
- 2018年2月5日初版発行(同日発売[30])、ISBN 978-4-04-069683-6
- 2018年10月5日初版発行(同日発売[31])、ISBN 978-4-04-069988-2
- 2019年7月5日初版発行(同日発売[32])、ISBN 978-4-04-065804-9
- 2020年2月5日初版発行(同日発売[33])、ISBN 978-4-04-064372-4
- 2020年10月5日初版発行(同日発売[34])、ISBN 978-4-04-064885-9
- 2021年6月5日初版発行(同日発売[35])、ISBN 978-4-04-680463-1
- 2021年12月3日初版発行(同日発売[36])、ISBN 978-4-04-680943-8
- 2022年12月16日発売[37]、ISBN 978-4-04-681514-9
- 2023年12月14日発売[38]、ISBN 978-4-04-682585-8
- 2025年1月17日発売[39]、ISBN 978-4-04-684134-6
- 橘由華(原作)・珠梨やすゆき(キャラクター原案)・亜尾あぐ(作画) 『聖女の魔力は万能です 〜もう一人の聖女〜』 KADOKAWA〈フロースコミック〉、全4巻
- 2021年4月5日初版発行(同日発売[40])、ISBN 978-4-04-680380-1
- 2021年12月3日初版発行(同日発売[41])、ISBN 978-4-04-680944-5
- 2022年9月16日初版発行(同日発売[42])、ISBN 978-4-04-681515-6
- 2023年9月14日発売[43]、ISBN 978-4-04-682587-2
- 橘由華(原作)・珠梨やすゆき(キャラクター原案)、KADOKAWA〈フロースコミック〉、既刊2巻
- 『聖女の魔力は万能です 公式アンソロジーコミック 〜聖女の書〜』、2021年5月1日発売[44]、ISBN 978-4-04-680504-1
- 『聖女の魔力は万能です 公式アンソロジーコミック 〜騎士の書〜』、2023年11月17日発売[45]、ISBN 978-4-04-682456-1
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テレビアニメ
要約
視点
2020年9月にアニメ化が発表され[46]、2021年4月から6月までAT-Xほかにて放送された[47][48]。
2022年3月に第2期制作が発表され[49]、2023年10月から12月まで放送された[50][51][52]。
スタッフ
キャスト
- 小鳥遊 聖(タカナシ セイ)- 石川由依[3][50]
- アルベルト・ホーク - 櫻井孝宏[3][50]
- ヨハン・ヴァルデック - 江口拓也[3][50]
- ユーリ・ドレヴェス - 小林裕介[3][50]
- ジュード - 八代拓[3][50]
- 御園愛良(ミソノ アイラ)- 市ノ瀬加那[53][50]
- カイル・スランタニア - 福山潤[53]
- エリザベス・アシュレイ - 上田麗奈[53]
- エアハルト・ホーク - 梅原裕一郎[53]
- ジークフリート・スランタニア - 山野井仁
- ドミニク・ゴルツ - 加藤亮夫
- ダミアン・ゴルツ - 石谷春貴
- レイン・スランタニア - 市川蒼
- マリー - 磯辺万沙子
- ヴォルフ - 熊谷健太郎
- ダニエル・クラウスナー - 高橋伸也
- コリンナ - 小山茉美
- レオンハルト - 日野聡
- オスカー・ドゥンケル - 逢坂良太
- フランツ - 飛田展男
- セイラン - 三木眞一郎
- テンユウ - 小林千晃
- テンジュン - 浦和希
- ヨーゼフ・ホーク - 置鮎龍太郎
- アシュレイ公爵 - 村治学
- ローラント・ヴァルデック - 土田大
- ヘルムート・ホーク辺境爵 - てらそままさき
- クラウディア夫人 - 増田ゆき
主題歌
- 「Blessing」[47]
- 結城アイラによるSeason1オープニングテーマ。作詞は結城アイラ、作曲・編曲は結城アイラと矢野達也の共作。
- 「Page for Tomorrow」[47]
- NOW ON AIRによるSeason1エンディングテーマ。作詞は結城アイラ、作曲・編曲は結城アイラと柳澤奈緒樹と石倉誉之。
- 「Pray」
- 結城アイラによるSeason1最終話エンディングテーマ。作詞・作曲は結城アイラ、編曲は三好啓太、英訳詞はJoelle。
- 「Semisweet Afternoon」[54]
- 結城アイラによるSeason2オープニングテーマ。作詞・作曲は結城アイラ、編曲は矢野達也。
- 「Lilac Melody」[54]
- 鈴木愛奈によるSeason2エンディングテーマ。作詞・作曲は結城アイラ、編曲は伊賀拓郎。
- 「Blessing -realize-」
- 結城アイラによるSeason2第12話挿入歌。作詞は結城アイラ、作曲・編曲は結城アイラと矢野達也。
各話リスト
放送局
BD / DVD
Webラジオ
セイ役の石川由依とエリザベス・アシュレイ役の上田麗奈によるWebラジオ『TVアニメ「聖女の魔力は万能です Season2」〜セイとリズのお茶会ラジオ〜』が音泉にて2023年10月3日から12月26日まで隔週で火曜19時に配信された[59]。
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脚注
外部リンク
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