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藤原伊実
平安時代末期の公卿。藤原伊通の次男。正三位・中納言。 ウィキペディアから
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藤原 伊実(ふじわら の これざね)は、平安時代末期の公卿。太政大臣・藤原伊通の次男。官位は正三位・中納言。
相撲に生きる反骨の雅
『古今著聞集』に藤原伊実の逸話が伝えられている[4]。彼はもともと相撲や競馬などの武芸を好み、学問にはほとんど関心を示さなかったという。父の伊通はたびたびこれを叱責したが、伊実は改めようとしなかった。当時、「腹くじり」と称される相撲取りがいた。この力士は必殺技として相手の腹に頭を突き入れ、必ず転倒させることに長けていたため、その異名を得ていた。
伊通は密かにこの力士を召し出し、「我が子・伊実が相撲に耽るのは不本意である。もし彼を転倒させれば褒美を取らせるが、失敗すれば命はないと思え」と命じた。さらに伊実には「お前が相撲に執着するなら、この『腹くじり』と勝負せよ。勝てば以後咎めぬが、負けたら永久に相撲を禁ずる」と宣告した。
勝負の最中、伊実は最初こそ相手の攻撃を許したが、「腹くじり」が得意技を繰り出した瞬間、その四肢を掴み前方へ強く引き倒した。力士は首の骨が軋むほどの衝撃を受け、地面に叩きつけられた。策略が瓦解した伊通は不快の色を隠さず、「腹くじり」は行方をくらましてしまった。以降、伊実の相撲修業を阻む者はいなくなったという。
『古今著聞集』は説話集としての性質上、文学的脚色の可能性を排除できないものの、この逸話のみに注目すれば、伊実は当時の上層公家貴族の中で極めて特異な存在であったと言える。彼が相撲比試で収めた勝利は、単なる力の優位性を示すだけでなく、「柔よく剛を制す」と評されるような、相手の力を逆用して制する戦術的知性を立証している。
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官歴
主に『公卿補任』を参照し、適宜表現を調整するとともに他の人物の官歴を補記した。
※日付=旧暦
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系譜
主に『尊卑分脈』を参照しつつ、一部の誤記に修正を加えた。
脚注
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