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階段を昇る裸婦
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『階段を昇る裸婦』(かいだんをのぼるらふ、仏: Femme nue montant l'escalier)は1937年にジョアン・ミロが厚紙に鉛筆と木炭で描いたスケッチ。この絵はバルセロナのミロ美術館が所蔵している[1]。
![]() | このページ名「階段を昇る裸婦」は暫定的なものです。(2011年11月) |
来歴

ミロはスペイン内戦のさなかにこの絵を描いた。彼は当時パリに住み、グラン・ショミエールの肖像画のクラスに通い始めていた。彼はカタルーニャで起こっている事態を表現しようと、人物画の制作に立ち返った。その心境は、階段を昇る歪んだ裸婦の姿で現わされた[2]。この時期の他の作品には、『古い靴のある静物』と『スペインを救え』がある[3]。
解説
ミロ美術館によると、「内戦の道義的な悲劇に対するミロの失望感が、人物の極端な変形、気だるげな手足、階段を昇ろうと苦難する様子に現われている[4]。」すなわち人物の変形と苦難の様子は、スペイン内戦の反映だと解釈されている[4]。画面の右上では窓か箱らしきものから、光線が室内に射しこんでいる。女は右手で梯子を掴もうとしている。この梯子は、脱出の象徴としてミロがいくつかの作品で使っているものである。女の露出した性器は大きく誇張され、『排泄物の山を前にした男と女』で描かれたものと似ている[5]。
この『階段を昇る裸婦』は、マルセル・デュシャンの『階段を降りる裸体No.2』との関連性が指摘されている。1912年にバルセロナのダルマウ画廊で開かれたキュビスト展で、ミロは初めてこのデュシャンの作品を見ている[6][7]。興味深いことに、デュシャンの絵は全くのオリジナルではない。それは、動物の動作を最初に記録した写真のひとつである、エドワード・マイブリッジの写真に触発されたものだった[8]。マイブリッジが示した階段の女の動作は、デュシャンとミロの想像力を捉えただけでなかった。同時代のサルバドール・ダリもデュシャンの作品のオマージュを制作している。ダリの作品では、ミロ同様、モデルはやはり階段を昇っている[9]。
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展示
要約
視点
2011年10月に開催された展覧会『ジョアン・ミロ:脱出の梯子』で展示された。
脚注
関連文献
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