風の遺産

『風の遺産』（かぜのいさん、Inherit the Wind）は1960年のアメリカ合衆国の映画。1925年に起きた「進化論裁判」を脚色した1955年発表の同名演劇を映画化している。監督はスタンリー・クレイマー。出演はスペンサー・トレイシーなど。

風の遺産
Inherit the Wind
スペンサー・トレイシー（左）とフレドリック・マーチ（右）、予告編より
監督	スタンリー・クレイマー
脚本	ネイサン・E・ダグラス ハロルド・ジェイコブ・スミス
製作	スタンリー・クレイマー
出演者	スペンサー・トレイシー
音楽	アーネスト・ゴールド
撮影	アーネスト・ラズロ
編集	フレデリック・クナットソン
配給	ユナイテッド・アーティスツ
公開	1960年7月21日 劇場未公開
上映時間	129分
製作国	アメリカ合衆国
言語	英語
興行収入	$2,000,000[1]

日本では「聖書への反逆」という題でテレビ放映された。

ストーリー

ネタバレ無し

１９２５年のこと。テネシー州の架空の町・ヒルズボロ。公立ヒルズボロ中学校にブラウン牧師（クロード・エイキンス）を含む４人の町の有力者が訪れた。生徒に「ダーウィンの進化論」を教えたとして、教師のバートラム・ケイツ（ディック・ヨーク）を逮捕しに来たのだ。なんでも聖書の創世期に反するとかで、州法に違反しているらしい。 早速、保守的な住民たちが騒ぎ出し、ケイツを糾弾する大規模デモが繰り広げられる。法廷闘争となり、検事には聖書に精通しているマシュー・ブレディ（フレデリック・マーチ）が着任。一方、ボルチモア・ヘラルド紙の記者ホーンベック（ジーン・ケリー）が町に現れ、対抗する弁護士にはシカゴからキャリア４０年の大物ヘンリー・ドラモンド（スペンサー・トレイシー）を呼び寄せると吹聴した。実はドラモンドとブレディは旧知の間柄で、ブレディの妻サラ（フローレンス・エルドリッジ）もドラモンドには好感を抱いているようだ。ブラウン牧師の娘で教師のレイチェル（ドナ・アンダーソン）は、バートラムの恋人であり、父親の頑固な考え方に反感を抱いている。 そしてコフィー裁判長（ハリー・モーガン）の下、いよいよ裁判が始まり、ブレディとドラモンドは激しい舌戦を繰り広げるのだが．．．。

キャスト

※括弧内は日本語吹替

• バートラム・T・ケイツ被告 教師：ディック・ヨーク
• レイチェル・ブラウン 牧師の娘(教師の恋人)：ドナ・アンダーソン
• ジェレミア・ブラウン 牧師：クロード・エイキンス
• ホーンベック 新聞記者：ジーン・ケリー（井口成人）
• ヘンリー・ドラモンド 弁護士：スペンサー・トレイシー（森山周一郎）
• マシュー・ブレディ 主任検事 名誉大佐：フレドリック・マーチ（久松保夫）
• サラ・ブレディ 検事の妻：フローレンス・エルドリッジ
• メルル・コフィー裁判官：ハリー・モーガン

※初回放送1974年10月26日 TBS 14:30-16:00 ※DVD収録(正味約74分)

スタッフ

• 監督・製作：スタンリー・クレイマー
• 脚本：ネイサン・E・ダグラス、ハロルド・ジェイコブ・スミス
• 撮影：アーネスト・ラズロ
• 編集：フレデリック・クナットソン
• 音楽：アーネスト・ゴールド

受賞歴

年	賞	カテゴリー	候補者	結果
1960	ベルリン国際映画祭[2]	金熊賞	スタンリー・クレイマー	ノミネート
		男優賞	フレドリック・マーチ	受賞
		若者に適した最優秀長編映画賞	スタンリー・クレイマー	受賞
	ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞	作品賞トップ10	本作	受賞
1961	アカデミー賞[3]	主演男優賞	スペンサー・トレイシー	ノミネート
		脚色賞	ネイサン・E・ダグラス ハロルド・J・スミス	ノミネート
		撮影賞（白黒）	アーネスト・ラズロ	ノミネート
		編集賞	フレデリック・クナットソン	ノミネート
	英国アカデミー賞[4]	作品賞	スタンリー・クレイマー	ノミネート
		主演男優賞	フレドリック・マーチ	ノミネート
		主演男優賞	スペンサー・トレイシー	ノミネート
	ゴールデングローブ賞[5]	映画部門 作品賞（ドラマ部門）	スタンリー・クレイマー	ノミネート
		映画部門 主演男優賞（ドラマ部門）	スペンサー・トレイシー	ノミネート