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香港文化博物館

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香港文化博物館
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香港文化博物館(ホンコンぶんかはくぶつかん、英語: Hong Kong Heritage Museum)は香港新界沙田文林路1号に位置し、康楽及文化事務署が管理する、歴史藝術文化を対象とした総合博物館である。8億香港ドル超を費やして建設され、2000年12月17日に正式に一般開放された[1]。館内には12ヶ所の展示室が設けられており、その床面積は7,500平米、完成当時は香港最大の博物館であった。2009/10年度の来館者数はのべ479,000人である。2023年、政府は政策方針を発表し、香港文化博物館の移転と香港科学館の文化博物館跡地への移設を計画していた。また、文化博物館の閉館(「殺館」)が検討されたが、反対の声を受けて撤回された[2]

概要 香港文化博物館Hong Kong Heritage Museum, 施設情報 ...
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香港文化博物館の側面入口

博物館は、常設展示館や特別展示館における多様な展示やプログラムを通じて、来館者が文化財を鑑賞するだけでなく、体験型の活動に参加し、楽しみながら学べる機会を提供している。 また、季刊の博物館通訊の発行、教育用リソース冊子やワークシートの制作を行うほか、関連する講座、学校向けプログラム、親子・子供向けイベント、劇場プログラム、ガイドツアーなどを開催し、さまざまなコミュニティや学校が博物館活動に参加できるよう促している。

香港鉄路博物館上窯民俗文物館中国語版は香港文化博物館の分館である。

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歴史

区域市政局は、1991年2月に管轄区域内の博物館サービスの開発を決定し、沙田の大涌橋臨時房屋区中国語版(臨時住宅区)に博物館を建設する計画を承認した。 これに伴い、同年8月15日に臨時房屋区は正式に撤去され、住民は広源邨中国語版三期へ移転した[3]。1995年2月に博物館の建設工事が正式に承認され、建築署中国語版が設計および監督を担当することとなった。3月16日には、当時の区域市政局主席である張人龍中国語版が起工式を執り行った。工事は2000年に完了し、同年8月に展示工事が開始された。その後、12月16日に初代行政長官董建華の主催で開館式が行われ、翌日より一般公開された。

現在、香港文化博物館の総館長は林国輝である。歴代総館長は以下の通り:

第1代 嚴瑞源
第2代 明基全
第3代 黃秀蘭
第4代 盧秀麗 現在は發展局・古物古蹟辦事處執行秘書
第5代 林國輝
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設備

要約
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1階にある金庸
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粵劇文物館
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徐展堂中国藝術館
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四合院の中庭
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児童探知館
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児童探知館内の「香江童玩」展
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「武‧藝‧人生──李小龍
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ミュージアムショップ
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レストラン

文化博物館は開館当時、香港最大規模の博物館であり[4]、中国伝統の四合院式のレイアウトを採用していた。館内には6つの常設展示室と6つの特別展示室が設けられているほか、400人収容可能な劇場、レンタル可能な講演室および教育活動室を備えている。また、ミュージアムショップやレストランも併設されており、来館者が記念品や刊行物を購入したり、休憩したりできるようになっている。さらに、自動車およびバイクの駐車場も完備されている。

常設展

1階

  • 児童探知館:自然や文化の歴史を紹介する。「香江童玩展」では、香港でかつて流行した玩具を振り返る
  • 金庸館:2017年2月28日に開幕し、3月1日より一般公開された。インタラクティブプログラムの展示エリアを含め、約2500平方フィートの敷地にわたり、300点以上の展示品を通じて、査良鏞博士の武侠小説の創作過程とその貢献を紹介する

2階

  • 粤劇文物館:香港の粤劇の演劇と発展を紹介する施設であり、博物館には往年の名優が使用した演劇用品や衣装などの粤劇に関する貴重な資料が収蔵されている。2016年には、李香琴氏が自身が使用していた粤劇関連の品々を寄贈し、彼女の名を冠した展示が開設された
  • 趙少昂藝術館:趙少昂およびその他現代作家の作品を展示
  • 瞧潮香港60+:前身は新界文物館である。2021年7月28日に開放され、1000件を超える展示品を通じて、二次世界大戦後から2000年代初頭に至るまでの香港のポピュラー音楽、映画、テレビ、ラジオなどの発展や、漫画、玩具を紹介する[5]

3階

  • 徐展堂中国藝術館:徐氏藝術基金が寄贈した貴重な中国文物や芸術品を展示。展示品には、歴代の陶磁器、陶塑、青銅器、西蔵の珍品など、多様な文化財が含まれている
  • 李小龍展覧:2013年7月20日(ブルース・リーの逝去からちょうど40周年)に開幕し、李小龍基金会と共同で企画された。展示の開催期間は13年間に及び、2026年まで続く。会場の総面積は850平方メートルに達する
    • 第一期の展示《武・藝・人生——李小龍》では、映画の衣装、直筆のスケッチやノートなど、ブルース・リーに関する600点以上の貴重な資料が展示されている。館内には特別な展示エリアが設けられ、李小龍が主演した5本の代表的な武術映画の名場面が再現されているほか、彼のトレーニングルームや書斎を模した空間もある。さらに、「コレクターズ・シリーズ」として、さまざまなコレクターから借り受けた貴重な品々が定期的に入れ替え展示されている[6]
    • 第二期の展示《平凡・不平凡——李小龍》は、ブルース・リーの生誕80周年にあたる2021年11月27日に開幕した。展示には約400点の資料が含まれ、大量のマルチメディア技術が活用されている。来場者は光と影の演出の中で、李小龍の名言「動,如水;靜,如鏡;反應,如回聲(“Moving, be like water; still, be like mirror; respond like an echo.”)」を体感できる。また、『燃えよドラゴン』のセットデザイン原図や、『死亡遊戯』のアクションシーンに関する手書きのノートが初めて公開された。ただし、館側は版権上の理由により、展示室内での写真撮影は禁止されていると発表している[7]

終了した常設展

  • 視聴導賞庁:1階にあり、面積は2,000平方フィートに及んだ。《文化承傳》をテーマとした短編映像では、香港の文化的特徴を紹介し、博物館が文化遺産の保存に果たす役割を詳しく解説していた。また、展示室内には厳選された文物が展示されており、貴重なコレクションの一部を鑑賞できた。導賞庁は2015年10月に閉鎖され、「金庸館」へと改装された。当初、2016年12月の開幕が予定されていたが、最終的に2017年3月1日に一般公開された[8]
  • 新界文物館:1階にあり、新界の歴史と文化財を紹介する施設であった。展示室内には300点以上の新界に関する文物が展示され、「自然環境」「史前生活」「貿易與海防」「漁家掠影」「郷村情貌」「英國管治」「旧貌展新顔」「新里程」といったテーマごとの時空トンネルを通じて、自然環境や社会の変遷をたどる。また、香港の将来の建設計画や開発についても紹介していた。本展示は2016年6月28日より一時閉館となり、一部の展示資料は香港歴史博物館へ移管された[9]。その後、跡地には香港のポップカルチャーをテーマとした「香港文化庁」の設置が計画され、2021年7月28日に「瞧潮香港60+」として開放された。
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新界文物館入口
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新界文物館「漁家掠影」

企画展

専題展覧館では様々なタイミングで多元的な企画展を行っている。過去に開催されたプログラムは以下の通り:  Template:HideH

さらに見る 展覽名稱, 展覽日期 ...
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非物質文化遺産組

2004年11月、香港特別行政区政府は「無形文化遺産の保護に関する条約」の香港への適用を確認した。同条約は2006年4月に発効し、それに伴い特区政府は同年、香港文化博物館内に「非物質文化遺産組」を設置し、条約に基づく具体的な業務を遂行することとなった。また、条約第12条の規定に基づき、香港全域を対象とした無形文化遺産の調査を積極的に計画・実施し、香港非物質文化遺産中国語版リストの策定に取り組んだ。さらに、2008年7月には「非物質文化遺産諮詢委員会」を設立し、無形文化遺産調査に関して政府に助言を行う体制を整えた。

開放時間

  • 月、水〜金曜:10:00-18:00
  • 土日祝日:10:00-19:00
  • クリスマスイブおよび農暦新年前日:10:00-17:00
  • 火曜(祝日を除く)、農暦年初一、初二:全日休館

入館料

  • 常設展

常設展は2016年8月1日より無料で開放されている。

企画展は別途入場料が必要。

  • 博物館通行証

博物館通行証を購入した来館者は、通行証の有効期間中、康楽及文化事務署が管轄する博物館の常設展および企画展を(特定の企画展を除き)無制限に見学することができる。

住所

関連項目

参考文献

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外部リンク

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