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高額な絵画の一覧

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高額な絵画の一覧
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この項目では知られるかぎりきわめて高い金額で売買された絵画を一覧にしている。高額な絵画の歴史は、1987年のゴッホの『ひまわり』に始まる。このときの価格はわずか2年前に打ち立てられた記録の3倍以上に及んだ。このオークションは、初めて「モダンの」絵画が最高額を記録したという点でも重要である。つまりそれ以前には最高額を更新するのは常にオールド・マスターだったのである。その後、最も高い値がつく絵画はたいていオークションを経るようになるのだが、こういった事態はそれ以前には考えられないことだった(とはいえこの一覧には、最上位の4作品をはじめ幾つかの個人販売も含まれている)。2019年現在の最高額はレオナルド・ダ・ヴィンチサルバトール・ムンディで約4億5千万アメリカドルである[1][2]

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レオナルド・ダ・ヴィンチによるサルバトール・ムンディが2019年現在最も高額な絵画である。

背景

世界で最も有名な絵画の数々、とりわけ1800年以前のオールド・マスターの作品ともなると所有しているのはたいてい美術館で、その目的といえばパトロンに鑑賞させることである。美術館が所蔵品を売却することは希であり、その意味でこれら絵画は文字通りまさに「値段がつけられない」。ギネス世界記録でいえば、『モナ・リザ』が史上最も高額な保険がかけられた絵画作品とされている。『モナ・リザ』は数ヶ月かけてアメリカ国内各地で展示させる場合の査定が行われていて、1972年12月14日に1億ドルという評価がなされたのだが、 ルーヴル美術館は安全を期してこの額面通りの保険料の支払いを決めたのだった。インフレ率を計算すると、この金額は現代の1007(百万)米ドルにあたる。

1987年3月に売却されたゴッホの『ひまわり』から歴史は始まる。この作品はかつての記録(2億475万ポンド)を3倍以上も更新し、高額な美術品の取引に新たな時代を築いた。それ以前には一枚の作品につけられた「天井」となる金額は、アンドレア・マンテーニャの『東方三博士の礼拝』の810万ポンドだった。これはJ・ポール・ゲティ美術館が1985年4月18日にロンドンのクリスティーズで落札した時の価格である[3]。インフレの影響を差し引いた場合、1987年より前についた最高額はレオナルド・ダ・ヴィンチの『ジネーヴラ・デ・ベンチの肖像』の5百万ドル前後(現在の46百万ドル)である。これは1967年2月にナショナル・ギャラリーリヒテンシュタイン家と取引したときの価格だ。そしてオールド・マスターの作品群がマーケットを支配していた時代に、初めてゴッホの『ひまわり』という「モダンな」絵画が高額売買の記録を打ち立て、いまでは上位43作品のうち1850年以前の絵画は6作品しかない。続く1990年代にはルノワールとモネを初めとした印象派が、2000年代にはピカソとクリムトなどモダンな絵画が最高額を更新していった。その後にウォーホルやデ・クーニング、さらにフランシス・ベーコンやマーク・ロスコなどの「コンテンポラリー」な作品がオークションで人気を博し、きわめて高額な絵画作品となった[4]

さらに絵画そのものの様式とは別に、2007年にはロシア人のロマン・アブラモヴッチがフランシス・ベーコンの『トリプティク,1976』を、カタールの王族がマーク・ロスコの『ホワイト・センター』を購入したが、これらアメリカ国外に拠点を置く人物によって絵画作品の最高額が更新されていく状況が出現した。これは、これまでのアメリカ中心ともいえたマーケットの変容を意味してもいる[5]

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ロンドンに拠点を置く富豪のロマン・アブラモヴッチ
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ゴッホとピカソ

フィンセント・ファン・ゴッホパブロ・ピカソはこの一覧を代表する傑出した画家である。しかしピカソは財産を築き、ゴッホは生涯で1枚の絵画しか売っていない(とされている)。その『赤い葡萄畑』には、印象派の画家で女子相続人のアンナ・ボックが400フラン(2011年の1600ドル前後)の値をつけた[6]。その後は一覧にある通り、6作品が現在の929百万ドル以上で取引されている。

インフレ調整価格

この一覧は2012年3月の消費者物価指数によるインフレ調整済み[注釈 1]の価格順で並べられている(単位は百万米ドル、当該部分は表中太字で示す)。売却された当時の為替レートに従って、必要に応じて事前に米ドル換算してある。この一覧の金額は日々刻々と改定されるインフレ率によって上下しうるし、為替レートの変動によって通貨ごとに順位が変わることもある。1作品は最大1回しか一覧に登場しない。つまり過去の取引価格のうち最高のもので順位を付けてある。

高額な絵画の一覧

さらに見る 調整済 (単位:百万), 価格 (単位:百万) ...
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ギャラリー

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関連項目

高額な商品の一覧
美術窃盗対策組織
  • 国際美術研究財団英語版 - 美術品の研究、窃盗品などの情報を収集する非営利団体
  • ヨーロッパ盗難美術委員会英語版 - ヨーロッパで盗難された美術品に関する情報を美術館などに提供するウェブポータルを持つ。
  • アート・ロス・レジスター英語版(Art Loss Register) - 世界最大の盗品・紛失作品のデータベース提供会社
  • アート・リカバリー・グループ英語版 - イタリアに本部がある芸術市場や文化遺産機関に盗難美術品の情報提供・捜索を手掛ける会社
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脚注

外部リンク

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