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64DD

任天堂が製造・発売したNINTENDO 64の周辺機器 ウィキペディアから

64DD
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64DD(ロクヨンディーディー)は、任天堂アルプス電気の共同開発によるゲーム機NINTENDO 64周辺機器。本体の下に取り付けて使用する磁気ディスクドライブである。

概要 メーカー, 種別 ...
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歴史

任天堂のゲームソフト開発者の中に、外から新しいゲームのキャラクターデータやコースデータ等のプログラムを追加・変更してゲームを動的に変化させたいという希望があり、「ロムカセットに見られるデータ容量の制限を克服した上で、CD-ROMでは実現できない大容量の書き換え領域を活用することにより、ユーザーに新しい遊びを提供する周辺機器」として開発が始まった。そのためにかつてのファミコンディスクシステムのようにディスクライターを店頭に設置する予定だった。

NINTENDO 64発表当初から情報を公開しており、1996年11月22日 - 24日まで開催された[1]任天堂スペースワールドでソフトが出展される[2][3]など、ユーザーの間では長らく発売が待たれていた。スクウェアは、任天堂とジャストシステムとで合弁会社を設立し、64DD向けソフト開発を行っており、通信ネットワーク事業も運用する予定だった[4]が、スクウェアが64DDから撤退するなど、ソフト開発の遅れやNINTENDO 64自体の普及が進まなかったことなどにより発売の延期が繰り返されていた。

その後、ドリームキャストPlayStation 2といった第6世代ゲーム機に今後の注目が移っていた1999年初夏に、任天堂とリクルートが合弁会社「株式会社ランドネットディディ」を通じて提供するネットワークサービス、ランドネット[注 1]専用の通信端末としての発売が決定する[5]

ランドネットディディを設立する事になる香山哲[注 2]が関わる前までは、任天堂から発売される予定だったが、ランドネットディディが64DDの販売に関する権利を買い取った上、64DD向けゲームソフトの販売権も有していた[5]ため、ハード・ソフトとも任天堂やソフトメーカーが小売店等で販売する事ができず、流通経路が制約された。また、香山はランドネットディディ、マリーガル・マネジメント時代に任天堂に不義理をしており、任天堂の怒りを買うことになる[6][注 3]

当初64DD用として開発されていたソフトのほとんどが64DDの商用化の遅れにより計画が変更され64カセットでの発売となったこと、更にはNINTENDO 64の次世代機となるドルフィン[注 4]の開発着手が1999年春に公表されていた事で、将来性を疑問視されたことも普及を鈍らせた。また、発表時には北米での展開も示唆されていたものの、最終的に日本国外では発売されなかった。

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ハードウェア

要約
視点

本体のカセット差込口を塞がない設計となっており、カセット型の周辺機器やカセットソフトをディスクで拡張するといった遊びに対応している。実際にカセットで発売されたソフトの一部(『ゼルダの伝説 時のオカリナ』、『マリオパーティ』など)には、64DDを用いてステージなどを追加する予定があった。その名残か、本体に64DDを接続してこれらのソフトを起動すると、64DDの拡張パックについてのメッセージが表示され、64DDにディスクを挿入したまま起動すると「ディスクが間違っています。」という旨のエラーメッセージが表示される(そもそも64DDに対応していないソフトを起動した場合、エラーメッセージは表示されない)。

また、本体上面には更なる付属機器を追加出来るようにコードを通すS字の溝があるが、使用する必然性のある周辺機器が発売されることは無かった。発表当時のイラストによると、モデムとして実際に発売されたカートリッジ型のものではなくコントローラーポートにつなぐケーブル接続型のものが検討されていたため、それを後ろ側へ逃がすための溝であったとみられる。

名称
当初「NINTENDO64 DISK DRIVE」の略称だったが、発売時には正式名称になった[注 5]
磁気ディスク
「64DDディスク」は過去のディスクシステム用のそれよりも大型で分厚く、裏表非対象のデザインとなった。側面にはタイトルラベル用のスペースがあり、ドライブにセットした状態でもタイトルを確認できる。
容量はパソコンフロッピーの約45枚に相当する64MBであり、そのうち、20MBは書き込みが可能[1]CD-ROMの540MBには及ばない。この点について開発責任者の竹田玄洋は「容量は多いのは少ないよりもいい」「しかし64DDというのは、書き換えられるというのが基本にあるわけです。そこでは、やっぱり読み出し専用のものと同じくらいの容量はありえない」「そういうふうにコストとかをいろいろ考えた上でそう決まった(中略)折り合いのついたところがそのへんだった[7]」と述べている。磁気ディスクを使用して性能を使いきるソフトの制作は、かなりの期間が必要となり、ソフトの制作は追いついていなかった。当初は64DDで発売する予定だった『ゼルダの伝説 時のオカリナ』はロムカセットでの発売に変更された[8]
ランドネットサービス
2000年2月に開始されたネットワークサービス。当初は1999年12月1日にサービス開始予定だった[9]2001年2月28日にサービスを終了した。

仕様

  • 型名:NUS-010(JPN)
  • 記録方式:両面磁気記録
  • フォーマット容量:約64.45Mバイト(64,458,560バイト)
  • データ転送レート:約1.0Mバイト/秒(最大)約0.79Mバイト/秒(平均)5.4倍速CD-ROMドライブに相当。
  • ディスクの寸法:101×103×10.2mm / 重量:1.6kg
  • ドライブ本体の寸法:260×190×78.7mm
  • モーター起動時間:1.9秒以下。(エラー訂正機能あり)
  • 拡張メモリ:4Mバイト[10]
  • 電源:NINTENDO 64より供給
  • 時計機能:内蔵

かつてのファミリーコンピュータ用のディスクシステム、セガメガドライブ用のメガCDスーパーファミコン用のサテラビューと同様の本体下部設置型の周辺機器であるが、専用のACアダプタ又は単2電池6本が必要だったディスクシステム、専用のACアダプタが必要だったセガのメガCD、専用のACアダプタと電源中継ボックスが必要だったサテラビューと比べて、NINTENDO 64本体から追加機器を使わずに電源を供給できる[注 6]という部分が進歩点。両面読み込みに対応し手動でディスクを裏返す必要もなくなったため、ディスクと差込口の形状も裏表非対称となり、表を上向きにする差し込み方以外は物理的にできなくなっている。

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周辺機器

さらに見る 型番, 名称 ...

専用ソフト

64DD専用ソフトには以下の10タイトルが存在する。この内、『ランドネットディスク』と『マリオアーティスト コミュニケーションキット』の通信機能はランドネットのサービスが終了した現在は使用することができない。

ランドネットセットに含まれていたソフト

これらのソフトは会費以外の代金を別途支払う必要は無く、ランドネット入会後に順次配布された。

別売りとして販売されたソフト

これらのソフトはランドネットのショッピングサービス[注 9]にて販売が行われた。

  • 巨人のドシン解放戦線チビッコチッコ大集合
    • 『巨人のドシン1』の拡張用ディスク。『F-ZERO X エクスパンションキット』と同様、ディスク単体での使用はできない。
  • 日本プロゴルフツアー64英語版
    • このソフトを使用したゲーム大会も行われていた。
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発売中止になった64DDソフト

要約
視点

発売中止になったソフトはNINTENDO 64や他機種で発売されたものもあれば、ソフトは企画されたものの発売中止になったものもある。

移行して発売されたソフト

磁気ディスクの大容量を活かし、ムービーシーンを多用した『ファイナルファンタジーVII』や、書き換え領域を活用した『ドラゴンクエストVII』等のゲームが製作される予定だった。

発売中止になったソフト

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脚注

関連項目

外部リンク

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