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Aether clock OC 020

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Aether clock OC 020(イーサクロック OC 020)は2024年東京大学(東大)、理化学研究所(理研)、島津製作所日本電子によって開発され[1]2025年に島津製作所から発売された18桁精度に相当するストロンチウム光格子時計である。光格子時計としては世界初の商用機である[2]。命名は香取秀俊[3]

概要

2001年に東京大学の香取秀俊は光格子時計の理論を発表し、2014年に精度18桁の光格子時計を開発した。2018年に科学技術振興機構(JST)未来社会創造事業「クラウド光格子時計による時空間情報基盤の構築」(JPMJMI18A1)の支援を受けて産学官(東大、理研、島津製作所、日本電子)での共同研究を開始[4]。2017年から香取との共同作業を開始した[5]

2025年に京都市精華町の島津製作所みらい共創ラボで本機の販売開始を発表した[6]

小型化

従来の光格子時計は920 Lの体積があったが、本製品は約1/4にあたる250 L(幅と高さは約110 cm、奥行きは約65 cm、重量は約200 kg[6])まで小型化されている。溶接手法や冷却方法、コネクターの配置も改良され、レーザー光の生成や制御をする「レーザー/制御システム」も小型化し、250 Lの体積を達成した。各機器は取り外し可能で、40 cm×80 cm程度のラック2つに収まる。また、空間的な均一磁場を発生させるコイルや黒体輻射シールドをコンパクトにまとめ、原子を捉える光格子を生み出す「物理パッケージ」部分を小さくした[7]。コネクター類はフロント部に集約し、メンテナンス性、運用性を向上させている[4]

評価

島津製作所の広報担当者は本機について「ノーベル賞級の製品だ」と語っているという[8]。また、同社の西本尚弘基盤技術研究所長は「ひとつの歴史的事業になる」「将来の社会基盤の核になる可能性を秘めた製品だ」「光格子時計は、地震予知に役立つなど大きな可能性を秘めている。引き続き、科学技術の発展に貢献していきたい[3]」と評した[5][9]

香取秀俊は「最先端の時計の量産体制を世界に先駆けて整えた意義は大きく、社会実装の第一歩を踏み出せたことは非常に感慨深い。世界各国で活用が大きく進むきっかけになると思っている」と評した[6]

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脚注

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