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Devialet

フランスの音響機器メーカー ウィキペディアから

Devialet
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Devialetデビアレデヴィアレ)は、フランス音響機器メーカー。主にスピーカーアンプの製造で知られている。2007年パリで創業した。

概要 現地語社名, 種類 ...

歴史

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パリにあるDevialetの店舗

2004年、技術者であったピエール=エマニュエル・カルメル(フランス語: Pierre-Emmanuel Calmel)は、アナログ・デジタル・ハイブリッド(Analog Digital Hybrid, ADH)音響技術を開発した。この技術はのちのDevialet製品の基礎となるものであった。それから3年後の2007年、カルメルはADH技術を用いたアンプの試作機を開発し、カンタン・サニー(フランス語: Quentin Sannié)とエマニュエル・ナルダン(フランス語: Emmanuel Nardin)と共にDevialetを創業した[1][2]。創業時は、サニーが最高経営責任者 (CEO)[3]、カルメルが最高技術責任者 (CTO)を務めた[4]

2010年、Devialet初の製品として、「D-Premier」と名付けられたアンプを市場に投入した[5]。2010年から2012年の間、Devialetは様々な投資筋から1,700万ユーロを超える資金を調達した[6]

2013年6月、DevialetはD-Premierアンプの改良版である「Devialet 240」に加えて、新たなローエンドモデル「Devialet 110」と「Devialet 170」を発表した[7]2014年末、Devialetは初となるスピーカー「Devialet Phantom」の発売を発表した。このスピーカーは、ヨーロッパでは2015年初頭より販売された[8]。2015年6月、1,750万ユーロ(2,000万米ドル)を以前の投資筋から再度調達した。この資金調達の目的は、このPhantomをアメリカ合衆国市場へ投入するためであった[9]

Devialetは、2016年に新たな商品を市場に投入した。「Gold Phantom」と名付けられた108デシベルを超える音量に対応するスピーカー[10]と、「Expert PRO」というアンプである[11]

2016年11月、Devialetは1億ユーロ(1億600万米ドル)の資金調達を行った。この時に資金提供したのは、ギンコ・ヴェンチャーズやフォックスコンジェイ・Zロック・ネイション、アンディ・ルービンのプレイグラウンド・グローバル、ルノー・グループシャープ、そしてコリリャ・キャピタルらであった[12][13]

2017年10月、パリ国立オペラと10年間の契約を結び、ガルニエ宮に「サウンド・ディスカバリー・ルーム」を構築することとなった[14]。Devialetは加えて、ルノーとも協業体制を構築し、搭載されるカーオーディオシステムを製作することとなった。2017年12月に試作機がルノーのコンセプトカーである「SYMBIOZ」の試作機で搭載された[15][16]

創業時から最高経営責任者を務めていたカンタン・サニーが、2018年3月に退任し、新たにフランク・ルブシャール(フランス語: Frank Lebouchard)が就任した[3]

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製品

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2015年発売のDevialet Phantom

Phantom

Devialetは、「Phantom」と名付けられたワイヤレススピーカー製品や「Expert Pro」として知られるアンプ製品を開発している[2]。「Phantom」シリーズは大きく2つに分かれており、「Phantom Premier」と「Phantom Reactor」と呼ばれている[17][18][19]

2016年6月、Devialetは改良された「Gold Phantom」を発売した[10]。この製品は、最大4,500ワットの電力を使うことで、108デシベルの音量を出すことが可能な製品であった[10]。この年の年末には、「Immersive Theater System」と呼ばれる、Gold Phantom数台使用したシアターシステムも発表された[20]。Devialetは、引き続き自身のアンプ製品[注釈 1]の改良を続けており、2016年の暮れには、ハイエンド製品として「Expert PRO」を市場投入した[11]。更に、ニューヨークに自社のアウトレットストアを開業した[21]

2017年11月、Devialetは、オリジナルのPhantomの改良型を発売した[18]

2018年10月、Devialetは「Phantom Reactor」と名付けられたスピーカーを発表した[17]。2018年時点で、Devialetは160の技術的特許を保有していた[22]2019年2月、DevialetとFree英語版は共同で、Devialetのスピーカーを使用したTVセットトップボックスを発売した[23]。同年11月には、Devialetはファーウェイと共同で、新しくデザインされたスピーカー「Sound X」を発表した[24]2020年1月、Devialetは、ベルキンがデザインした「Soundform Elite」というスピーカー兼電話充電器製品を市場に投入した[25]

Dione

Devialetの販売するホームシアターサウンドバー英語版システム[26]

Sound Joy

ファーウェイと共同開発、販売するスマートスピーカー製品で、2022年に発売された[27]

Sky Soundbox

スカイUKと共同開発し発売されたSky Q TVとのパッケージ販売用製品[15][28][29]

Devialet Mania

2022年にDevialetが発表した初のポータブルスピーカー[30][31]

Gemini

Devialetが発売する完全ワイヤレスイヤホン[32]2020年に発表され[33]2021年6月に発売された[34]2023年9月、Devialetは改良型となる「Gemini II」を発売した[35][36]

Euphony

サフラングループと共同開発した航空機シートのヘッドレストに左右のスピーカーを内蔵した音響製品を2022年6月に発表し[37]、2023年1月にフランスデザイン協会賞を受賞[38]。2024年1月、日本航空(JAL)が長距離国際線に就航したエアバスA350-1000ファーストクラスビジネスクラスに搭載された[39]

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音響技術

Devialetの製品は、自社開発された様々な音響技術を用いて開発されている。マーケティング上では、下記のような名前で呼称されている。

  • Analog Digital Hybrid (ADH)[18] - ADHは、クラスA英語版のアナログアンプとクラスDのデジタルアンプの要素を組み合わせたもので、より大きな最大ワット数と最大デシベルを得ることを可能とした。
  • Heart Bass Implosion (HBI) - HBIは、より広範な低音域の音を提供する技術であり[40]サブウーファーの特徴を再現する様な動作をする[8]
  • Speaker Active Matching (SAM) - SAMは、リアルタイムに「マイク録音された際の実際の音響的圧力を再現する」ために分析と音の最適化を行う信号処理技術である。
  • Active Co-Spherical Engine (ACE) - ACEは、いくつかのDevialet製品[注釈 2]で採用されている球形の形状のことである。これは、全方位に対して音を届けるために音響学的に設計されている[40]

注釈

  1. 現在では、「Expert」という製品名で知られている。
  2. 著名なものとしてPhantomがある。

脚注

外部リンク

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