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EPYC

AMDのサーバー向けプロセッサのブランド ウィキペディアから

EPYC
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EPYC (エピック) は、アドバンスト・マイクロ・デバイセズが2017年6月20日に発表した[1][2]x86_64互換のマイクロプロセッサである。Zenマイクロアーキテクチャに基づいて設計・開発され、サーバー組み込みシステム市場を主なターゲットとしている。EPYCプロセッサはAMDのクライアント向けのCPUと同じマイクロアーキテクチャを採用しているが、多数のコア、PCI Expressレーンの追加、大容量RAMや大容量キャッシュメモリのサポートなど、エンタープライズクラスのさまざまな機能を追加で提供している。また、マルチチップやデュアルソケットのシステム向けの設定もサポートしており、これはチップ間を相互接続するInfinity Fabricにより実現されている。

概要 生産時期, 販売者 ...

AMDの下位製品としては、クライアント向けのRyzenシリーズやAthlonシリーズが存在する。

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歴史

  • 2017年3月7日 : Zenマイクロアーキテクチャベースのサーバー向けCPUについて発表。コードネームは「Naples(ナポリ)」[3]
  • 2017年5月30日 : サーバー向けCPUのブランド名が「EPYC」であることを発表[4]
  • 2017年6月20日 : サーバー向けプロセッサ「EPYC 7000」を正式発表[1]
  • 2018年2月21日 : 組み込み向けプロセッサ「EPYC Embedded 3000」を発表[5]
  • 2018年11月6日 : AMD Next HorizonにてZen 2マイクロアーキテクチャベースのサーバー向けCPUについて発表。コードネームは「Rome(ローマ)」[6]
  • 2019年8月7日 : 第2世代EPYCプロセッサ「EPYC 7002」を正式発表[7]
  • 2021年3月15日 : 第3世代EPYCプロセッサ「EPYC 7003」を正式発表[8]
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設計

EPYCプラットフォームには、1ソケットと2ソケットのシステムが存在する。複数プロセッサの構成では、2つのEPYC CPUはAMDのInfinity Fabricで通信を行う[9]。各サーバーチップは8チャンネルのメモリと、128レーンのPCI Express 3.0または4.0をサポートする。デュアルプロセッサの設定で取り付けた場合、128レーンのうち、64レーンはInfinity FabricによるCPU間の通信に使用される[10]

第1世代のEPYCプロセッサは、8コアのZeppelinダイ(これはRyzenプロセッサと同じダイである)をマルチチップ・モジュール内に4つ同梱している。Zeppelinダイ上の各Core Complexの対称の位置にあるコアを無効化することにより、さまざまなコア数の製品が提供されている[11][12]サムスンからライセンス提供を受けた14 nm英語版FinFETプロセスを使用して、GlobalFoundriesが製造している[13]

第2世代、第3世代のEPYCプロセッサは、TSMCの7nm FinFETプロセスで製造される、8コアCPUを集積した最大8つの「CCD(CPU Complex Die)」と、GlobalFoundriesの14nmプロセスで製造される、DDR4メモリ、PCI Express 4.0、USBコントローラなどのIOを集積した「sIOD(Server I/O Die)」の組み合わせでパッケージを構成する[14][15]

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世代

要約
視点

Zen 世代

サーバー向け

2017年6月20日に発表された。ZenベースのCPUコア8個とDDR4メモリ、PCI Express 3.0、USBコントローラなどのI/Oを集積した「Zeppelin」SoCダイ4個でパッケージを構成する[16]。最大2ソケットをサポートし、ソケット間はInfinity Fabricで接続される。ソケット間はPCI Expressレーンを利用しており通信速度は10.7GT/sec、レイテンシは234nsである[17]

  • 製造プロセス - GF 14nm
  • 対応ソケット - Socket SP3
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組み込み向け
  • 製造プロセス - GF 14nm
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Zen 2 世代

サーバー向け

2019年8月7日に発表された。Zen 2ベースのCPU8コアを集積した最大8つの「CCD(CPU Complex Die)」とDDR4メモリ、PCI Express 4.0、USBコントローラなどのI/Oを集積した「sIOD(Server I/O Die)」の組み合わせでパッケージを構成する。最大2ソケットをサポートし、ソケット間は第一世代と同様にInfinity Fabricで接続されるが相互接続専用PHYを利用しており通信速度は18GT/sec、レイテンシは201nsと改善されている[17]。395億トランジスタを集積[20]

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Zen 3 世代

サーバー向け

2021年3月16日に発表された。Zen 3を採用したことで、19%のIPC(クロックあたりの命令実行数)向上を達成した。全モデル共通でPCI Express 4.0、8チャネル/最大4TBのDDR4-3200メモリ、独自のInfinity Guard Security技術などをサポートしている[8]。また、2022年3月22日から3D V-Cache版として4モデルが追加された。3D V-Cache版は積層技術を利用し、L3キャッシュが768MBとなっている[24]

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Zen 4 世代

サーバー向け

2022年11月10日に発表された。Zen 4を採用したことで、10%のIPC(クロックあたりの命令実行数)向上を達成した。全モデル共通でDDR5-4800メモリ、PCI-Express 5.0、引き続きInfinity Guard Security技術などをサポートしている[26]

2023年06月13日Cloudネイティブ環境向けとしてGenoa-Xと、Bergamoが発表された。Genoa-Xは3D V-Cache積層技術を利用し、L3キャッシュが1.1GBとなっている。Bergamoはキャッシュを削減した代わりにコア数を増量したモデルとなっており、高速なIOが見込まれ、データの局所性が低くかつ、多量のスレッドが走行することに最適化した設計となっている。

2023年09月18日に発表された、低電力向けのSienaのラインナップは、Zen 4cを採用する。Sienaは、最大64コアをサポートし、同プロセッサでだけSocket SP6が採用されている。Siena は Bergamo と同じ I/O ダイを使用する一方、シングルソケットのみのサポート、12チャネルから 6チャネルへのメモリのチャネルのサポートの削減など、いくつかの機能が削減されている。

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  • 対応ソケット - Socket SP6
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  • 対応ソケット - Socket SP5
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Zen 5 世代

サーバー向け
  • 製造プロセス[30]
    • CCD - TSMC 4nm (Zen 5), 3nm (Zen 5c)
    • IOD - TSMC 6nm
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  • 対応ソケット - Socket SP5
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脚注

参考文献

関連項目

外部リンク

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