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GPD Win Mini
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GPD Win Miniは、GPD Winシリーズの後継機となるWindowsベースの携帯型ゲーミングPC。中華人民共和国の企業、GamePad Digital(GPD)によって製造され、クラウドファンディングによって資金調達された。2023年第1四半期に発表され、クラウドファンディングキャンペーンは2023年に正式に開始され、2023年7月に発売された[1]。
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沿革
GamePad Digitalは2016年10月に『GPD Win』を発売した。『GPD Win』はWindowsベースの携帯ゲーム機の不足を解消する製品として開発された。『GPD Win』は成功を収め、目標額を大幅に上回った。この成功を基に、同社は2017年に『GPD Win 2』を発表した。2017年12月までに、TechRadar[2]、The Verge, Slash Gear,[3]やExtremeTechなどのテクノロジー系メディアが、試作機に関する記事や技術仕様を提供していた。
この成功を受け、GPDは『GPD Win 3』と『GPD Win 4』で『PSP』をモチーフにした筐体へ変更したが、『GPD Win Mini』でクラムシェル型へ回帰した。『GPD Win Mini』のIndiegogoでのクラウドファンディングは成功し、1,000人以上の支援者から予約注文を受け、目標額10万ドルを約1800%上回る約100万ドルの調達を達成した。キャンペーン終了までに、このプロジェクトは130万ドル近くの支援を受けた。
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ソフトウェア
『GPD Win Mini』は、前モデルと同様に64bitのWindows 11 Homeを搭載する。オペレーションシステムでは他にLinuxも実行可能であり、Vulkan、DirectX 12、OpenGL 4.4をサポートしている。
ハードウェア
『GPD Win Mini』のフレームはマグネシウム合金製であるが、メインシェルは軽量化のためABS樹脂製となっている。
80キーのQWERTYキーボードが本体全体に配置されている。ゲームコントローラーには、『GPD Win 2』と同じデュアルアナログスティック、十字キー、ABXYボタンが本体前面の両側に配置されている。これらのボタンは、中央にトラックパッドを配置するため、『GPD Win 2』よりも外側に移動した。ショルダー部には標準のL1/R1ボタンが搭載されるが、Win 2のL2/R2ボタンは下部に突き出たアナログトリガーに置き換えられた。L3/R3ボタンは背面ショルダー部からジョイスティックに移動された。デュアルリニアモーターが左右に1つずつ搭載されている。L4/R4ボタンはキーボード上部に追加されている。デバイスの背面上部には、USB4、USB-C (3.2)、OCuLinkまたはUSB-A (3.0)、MicroSDカードスロット、3.5mmオーディオといった各種I/Oポートに加え、冷却ファンの排気口も備えている。NVMe 2230 M.2 SSDスロットは、底面カバーの下にある。『GPD Win Mini』には、前面の両側、各アナログスティックのすぐ外側にデュアルスピーカーが搭載される。画面は6インチから7インチに大型化され、Gorilla Glass 4で強化されたH-IPS静電容量式10点タッチスクリーンとなった。
技術仕様
要約
視点
『GPD Win 2』、『GPD Win 4』、『GPD Win Max 2』よりも向上した性能を実現するために、GamePad Digital は、元のモデルの Intel Core M CPU を、ベースクロック周波数3.5 GHz、ブーストで最大4.9GHz の AMD Ryzen 7640U APUへ変更した。これにより、『GPD Win 2』に搭載されている Intel Core M3-7Y30/8100Y CPU のベンチマークよりそれぞれ4倍と2倍のシングルコアおよびマルチコア性能が得られる。第3世代 AMD RDNA 統合 GPU は、『GPD Win 2』の HD Graphics 615 192:24:3 構成から 512:32:16:8 コア構成にアップグレードされ、最大クロック周波数は Win 2 の 900MHz から 2.6GHz に向上した。『GPD Win Mini』の冷却システムは、アップグレードされた APU のニーズを満たすために全面的に見直され、RyzenのTDPは最大 22Wとほぼ倍増した。自動制御ファンとヒートシンクが搭載される。GamePad Digital は、CPUの変更に対応するためにマザーボードの設計を変更した。
RAMは『GPD Win 4』と同じ規格である8GiBから16GiBのLPDDR5に倍増した。『GPD Win 2』のSATAのM.2ストレージではなく、Windows MiniはNVMe M.2 2242 SSDを搭載する。ストレージもユーザーによる交換が可能で、容量制限はない。PCIe4 x4 M.2スロットの理論上の最大転送速度は約8GiB/sである。GamePad Digitalは、多くの要望に応えてMicroSDスロットも維持しており、こちらも容量制限はない。
大型化されたディスプレイに加え、タッチスクリーンの解像度は前モデルから1920x1080に向上している。引き続き4K映像出力に対応しており、ワイヤレスディスプレイオプションをサポートする。DP 1.4およびHDMI 2.0を使用した場合の最大サポート解像度は、60Hzリフレッシュレートで7680x4320です。このデバイスは、Miracastワイヤレスディスプレイ技術もサポートしている。
『GPD Win Mini』は、7.6V出力、44.24Whの電力、600Wh/Lのエネルギー密度を備えたポリマーリチウムバッテリーを搭載する。これは、『GPD Win 2』と比較してバッテリー容量が49%増加しており、最低設定で最大8時間のゲームプレイが可能である。
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性能
『GPD Win Mini』は、中~高設定で様々な最新ゲームを動作させることがテストされている。『Forza Horizon 5』は28Wで89FPSで動作した。『シャドウ オブ ザ トゥームレイダー』は74FPS、『Call of Duty Modern Warfare III』は平均57FPSで動作する。前モデルよりもフレームレートが向上しただけでなく、ゲームの読み込み時間も大幅に短縮された。
リリースと評価
GamePad Digitalは2023年5月に予約購入者への出荷を開始した。
YouTuberのRetro Game Corpsは2023年10月にプレリリース版をレビューした。彼はサイズと重量について肯定的な意見を述べ、『GPD Win 4』、『ASUS ROG Ally』、『Steam Deck』などの同世代のデバイスと比較した。また、このフォームファクターは他のGPDデバイスとの競合がほとんどないと述べた。彼は、コントローラーをサポートしていないゲームでもコントローラーの設定を変更しやすい点を高く評価した。周囲の熱は13Wでは気になる程度で、15Wを超えると不快である。パフォーマンスに関しては、全体的な消費電力は同様のCPU構成のシステムよりも高く、新しいゲームではカクツキやフレームレートの低下が見られると指摘した。古いゲームは概ね問題はない。彼は、Cemuで『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』、RPCS3で『リッジレーサー3D』などのゲームをテストし、エミュレーション性能の向上にも言及した。
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関連項目
参考文献
外部リンク
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