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InternetFAX

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InternetFAX(いんたーねっとふぁっくす)は、ファクシミリパケットへ変換してIPネットワークで伝送する技術、FoIPとも称する。

この項は「InternetFAX」の技術とVoIPの違いを記述する。

概要および経緯

要約
視点

リアルタイム伝送方式と電子メールのような蓄積交換方式がある。

1995年ごろに、狭帯域のパケット通信で自然な音声をリアルタイムに伝送する研究が盛んに行われ、VoIP技術に目処が立った。次いで、狭帯域の遅延のある通信網で静止画像を伝送するT.37T.38のFAX規格がITU-Tに提案された。

2000年以降にブロードバンドインターネット接続とともに、ISDNと同じG.711符号化のIP電話サービスの利用が始まる。そのようなVoIPで、モデムみなし音声として伝送するものをinbandFAXと称する。

方式間の比較

さらに見る ITU-T, 別名 ...

網構成

電話網からのFAX発信を、VoIPゲートウェイで音声パケットに変換してInternet Protocol (IP) で中継する。IP電話サービスで利用可能である。

FAX装置 - VoIPゲートウェイ - インターネットプロトコル - VoIPゲートウェイ - FAX装置

電話網からのFAX発信を、InternetFAXゲートウェイでパケットに変換し、IPで中継する機器が、内線電話とデータ通信網の統合のために利用されている。

FAX装置 - InternetFAXゲートウェイ - インターネットプロトコル - InternetFAXゲートウェイ - FAX装置

電話網からのFAX発信を、InternetFAXゲートウェイで変換して電子メールで受信する、アプリケーションサービスプロバイダ (ASP) がある。

FAX装置 - InternetFAXゲートウェイ - インターネット - メールサーバ - 電子メールとして受信

電子メールとして発信し、InternetFAXゲートウェイでファクシミリ信号に変換してFAX装置で受信するものが、同報通信・不達時再送信・時間指定送信などを付加してASPとして提供されている。

電子メールとして発信 - メールサーバ - インターネット - InternetFAXゲートウェイ - FAX装置

ダイレクトSMTP T.37 Full Mode 対応装置間で、同一ローカルネットワークの固定IPアドレスホスト名指定でダイナミックドメインネームシステム(動的グローバルIPアドレス, DNS)対応ルーター接続で直接通信が可能である。T.38 対応装置間で、グローバル固定IPアドレスもしくは固定ローカルIPアドレス、Session Initiation Protocol (SIP) による内線電話番号、Next Generation Network (NGN) 網の電話番号で直接通信が可能である。

InternetFAX装置 - インターネットプロトコル - InternetFAX装置
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リアルタイム転送方式

FAX端末間をリアルタイムに接続し、伝送を行うものである。リアルタイム伝送であるので、送信結果の確認が容易である。

G.711インバンド方式

G3ファクシミリのモデム信号をみなし音声として伝送するものである。多くのIP電話サービスで利用可能であるが、伝送は保証されない。

  • 利点
    • 網側でFAX専用ゲートウェイが不要。
    • 音声通信であるためFAX端末を選ばない。
  • 欠点
    • 9600ビット毎秒 (b/s) 以下の通信速度となる。
    • パケットの揺らぎやロス・伝送信号レベルの設定の不具合・無音圧縮による信号の頭切れ・エコーキャンセラによる波形の乱れなどにより、伝送時間の増大や通信の切断が発生する場合がある。

『IP-PBXにVoIP-TAを経由してファクシミリ端末を収容する際のVoIP-TA/ファクシミリ端末ガイドライン』が情報通信ネットワーク産業協会から提案され、2007年10月19日に制定された。

ITU-T T.38

T.38は、画像情報をIPパケット変換してリアルタイム伝送するもので、ITU-T1998年6月に勧告された。

G3ファクシミリのモデム信号をゲートウェイで変換するものが、内線電話IP網に使用されている。パーソナルコンピュータ (PC) のFAX送信ソフトウェアや業務用複合機で、SIPによる内線電話番号・IPアドレスで送信可能である。2010年2月1日に、NGN網の電話番号でFAXサービスのインプリメント仕様を、ソフトフロントが発表した[1]

  • 利点
    • 9600b/s超で伝送可能。
    • データのみ転送するため狭帯域で送受信が可能。
  • 欠点
    • 電話網と接続する場合、FAX専用ゲートウェイがインターネット網側に必要。
    • 電話網FAX端末の信号方式により通信不能となる場合がある。
    • 信号の伝送遅延等により送受信が正常終了しない場合がある。
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蓄積交換方式

要約
視点

蓄積交換方式は、FAXの画像データを電子メールの添付ファイルに変換し、メールアドレスを指定してSimple Mail Transfer Protocol (SMTP) で伝送するものである。

T.37ゲートウェイ・メールサーバとオンラインストレージを組み合わせたアプリケーションサービスプロバイダ (ASP) が提供されている。DNS・ダイレクトSMTPによりドメインネームで動的グローバルIPアドレスを直接指定し、リアルタイムのT.37 Full Mode 通信可能な機器がある。

  • 利点
    • PCや携帯電話などほかの情報機器でデータの再利用が容易である。
    • 同報通信・不達時再送信・時間指定送信などの付加機能の実現が網側で可能である。
    • 狭帯域で送受信が可能である。
  • 欠点
    • 相手先に到達するまでの遅延時間が大きくなる場合がある。

ファクシミリ関連電気通信サービス

さらに見る 商標 (企業), 付与される電話番号 ...
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InternetFAX専用機器

InternetFAX装置

InternetFAX装置は、IP回線に接続して電子メールを直接発着信するFAXである。業務用の複合機の付加機能として提供されているものが多い。

  • おもな機能
    • IPアドレス・ドメインネーム・DNS・ダイレクトSMTPで発着信
    • 転送機能
    • InternetFAXゲートウェイ機能
    • T.37 Full Mode の、送達確認・能力交換などの双方向機能、高精細度・カラー伝送などの付加機能
    • PDFファイル形式での伝送機能を持つものもある。

InternetFAXゲートウェイ

InternetFAXゲートウェイは、電話網に接続したファクシミリ端末の信号をIPに変換(オンランプ)、IPの信号をファクシミリ端末信号に変換(オフランプ)する機能を有する機器である。G3とSuper G3 のみに対応するものがほとんどである。

FAXモデムイーサネットインターフェースとして実装している。拡張機能をソフトウェアとして実装している。

  • T.37ゲートウェイ:電子メールとFAX信号とを相互変換。メールサーバ機能と一体のものもある。
  • T.38ゲートウェイ:FAX信号をパケットに変換してリアルタイム伝送
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関連項目

脚注

外部リンク

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