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NFLスカウティングコンバイン
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NFLスカウティングコンバイン(NFL Scouting Combine)とは、アメリカ合衆国インディアナ州インディアナポリスのルーカス・オイル・スタジアムで開催されるNFLのドラフト候補生に対する運動能力及びメンタルテストの名称である。毎年2月下旬に開催され、参加できるのは主催者から招待された者だけである。
目的
歴史
現在のスカウティングコンバインが開催される以前は、各チームがドラフト候補生を個々に招待して能力判定テストを行っていたが、ダラス・カウボーイズのオーナー兼GMであるテックス・シュラムがNFL競技委員会にドラフト候補生を一か所に招待して能力を判定できるシステムの構築を要請した。[2]
1982年にナショナル・インビテーションキャンプ(NIC)がフロリダ州のタンパで開催されたが、一部のチームは引き続き1984年までスカウティングキャンプを行っていた。[3] しかし1985年には開催経費を削減する目的でキャンプの開催地が統合され(この時に名称もNICからNFLスカウティングコンバインに変更)、アリゾナやニューオーリンズでの開催を経て、1987年にはインディアナポリスで開催され、現在に至っている。[4]
テストの項目
テストの項目は以下のとおりである。[1]
40ヤード走の記録[5]
以下は電気計測を導入した1999年以降の記録
- 歴代最速記録はゼイビア・ウォージー(2024)の4.21秒
- ReelAnalyticsによる歴代最高速度はKalon Barnes(2022)の25.1mph(40.39km/h)
- 2023年以降の最高速度はケイリー・リンゴ(2023)の24.55mph(39.51km/h)
- 10ヤード地点のスプリットタイムの歴代最速記録はクリス・ジョンソン(2008)の1.40秒
ベンチプレスの記録
225ポンド(102㎏)を何回挙げれるかを測定。力自慢が集うスカウティングコンバインでもベンチプレスで40回以上の記録を残せる者は稀であり、以下の18名しか存在しない。
- 51回: Justin Ernest (1999) NFLコンバインでの最高記録。[6]
- 49回: Stephen Paea (2011)[7]
- 45回: Mike Kudla (2006), Mitch Petrus (2010), Leif Larsen (2000)[8]
- 44回: Brodrick Bunkley (2006), Jeff Owens (2010), Dontari Poe (2012)
- 43回: Scott Young (2005), Michael Butler (2009)
- 42回: Isaac Sopoaga (2004), Tank Tyler (2007), Russell Boden (2014)
- 41回: イゴール・オルシャンスキー (2004), Terna Nande (2006), David Molk (2012)
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垂直飛びの記録[9]
コンバイン外においてはNFL選手のjosh imatorbhebheが47.1in(120㎝)を記録[10]、prodayでは46.5in(118㎝)を記録している[11]。
- 46.0inch(117㎝) Gerald Sensabaugh(2005)
- 45.5inch(116㎝) Cameron Wake(2005)
- 45.0inch(114㎝) Chris Mckenzie(2005), Donald Washigton(2009), Chris Conley(2015)
- 44.5inch(113㎝) Byron Jones (2015), Donovan Peoples-Jones(2020)
- 44.0inch(112㎝) A. J. Jefferson(2010), Obi Melifonwu(2017), Juan Thornhill(2019), Jartavius Martin(2023)
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立ち幅跳びの記録[12]
芝で2回のみの測定である為に砂場で計測する測定法より記録が出づらい。
- NFL歴代最高記録であるByron Jonesの12フィート3インチ(3m73㎝)は世界記録[13]。
- NFL歴代2位のTyler Owensは12フィート2インチ(3m71㎝)と1位まで僅か2㎝の記録。
3コーンドリルの記録[14]
- 歴代最速記録はJordan Thomas(2018)の6.28秒。
20ヤードシャトルラン[15]
- 歴代最速記録はDunta Robinson(2004)の3.75秒。
ワンダリックテストの記録
- Pat McInally(1975)が史上唯一ワンダリックテスト50点満点(IQ160以上)を計測している[16]。
スカウト組織
一部を除き、NFLの各チームが連合してスカウト組織を構築している。[17]
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コンバインの参加者
主催者が招待する参加者数は毎年335名前後であり、そのうちの250名はボウルゲームが開催される以前に決定されるが、他の者はボウルゲーム開催後の1月中旬頃に決定される。[19]
コンバインに対する批判
一部の者はコンバインのテスト項目がNFLでのパフォーマンスに反映されているか疑問を呈している。Brian D. Lyons, Brian J. Hoffman, John W. Michel, and Kevin J. Williamsの2011年の研究によると40ヤード走、垂直飛び、20ヤードシャトルラン、3コーンドリルの数値はNFLでのパフォーマンスに直結しないと指摘しており、コンバインの結果よりカレッジでのパフォーマンスを重要視すべきと述べている。[20]
スポーツライターのスティーブ・シルバーマンは記事の中で、40ヤード走4.83秒という鈍足であり、2003年のドラフト10番目指名であるテレル・サッグス(レイブンズのスタープレイヤーであり、プロボウルに6回選出)の例を挙げて、40ヤード走のタイムがコンバインでは過大評価されていることに疑問を呈している。また、選手の能力を評価する一番の方法はカレッジでのプレイを見ることだと主張している。[21]
タイムズ・ピカユーンの記者であるダグ・テータムも、アメリカンフットボールという競技の性質上40ヤードの距離を走る選手はごく限られたポジションにしか存在しないため、選手やスカウト陣が40ヤード走のタイムを過剰なまでに重視する姿勢に疑問を呈している。[22]
一部の者はポジションにより40ヤード走のタイムは重要視されると考えている。ブラウンズ等のスカウトを歴任したNFLネットワークのアナリストであるダニエル・ジェレマイアはコーナーバックは40ヤード走の数値が最も重要視されると述べている。[23]
テレビ放送
コンバインが初めてテレビで放送されたのは2004年である。コンバインの模様は長らく非公開であったが、2003年11月4日に開局したNFLネットワークが2004年2月に1時間の番組を6回のシリーズで放送した。[24] NFLネットワークがコンバインの模様を独占して放送しており、ライバル局であるESPNは放送していない。[25] 2010年には初めて放送時間が30時間を超え、524万人が番組を視聴した。
各地域で開催されるコンバイン
2011年からスカウティングコンバインに招待されなかった者や自由契約選手を集めて全米8箇所(ロサンゼルス、ヒューストン、ボルチモア、タンパ、イーストラザフォード、シカゴ、アトランタ、クリーブランド)で2月~3月にかけて開催された。優秀な成績を収めた者は3月下旬にデトロイトのフォード・フィールドで開催された特別コンバインに招待された。2016年は全米5箇所(ヒューストン、アリゾナ、ボルチモア、ミネソタ、ニューオーリンズ)で開催された。[26]
ベテランコンバイン
2015年3月22日にアリゾナで初めてのベテランコンバインが開催された。このコンバインはNFLのオーナー会議と並行して開催され、チームを解雇されたフリーエージェントを対象として開催された。2000人を超える参加者がいたが、[27] 2015年シーズンの開幕ロースターに登録されたのは2名に留まり、2016年は開催されなかった。[28]
出典
外部リンク
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