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ニューヨーク大学アブダビ校

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ニューヨーク大学アブダビ校
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ニューヨーク大学アブダビ校(ニューヨークだいがくアブダビこう、英語: New York University Abu Dhabi)は、アブダビに本部を置くアラブ首長国連邦私立大学1831年創立、2010年大学設置。大学の略称はNYUAD/NYUアブダビ。

概要 ニューヨーク大学アブダビ校, 大学設置 ...


2014年にサディヤット島の恒久キャンパスへ移転した[1][2]。教育言語は英語で、授与学位はニューヨーク大学の学位として授与される[3]。ニューヨーク(本部)・上海とともにNYUのグローバルネットワーク大学の中核を構成し[4]、在学生は120か国以上から集まるとされる[5]

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概要

NYUADは、ニューヨーク大学とアブダビ首長国政府のパートナーシップにより設置された学位授与キャンパスである。英語を主たる教育言語とし[6]、アメリカの中部州高等教育委員会(MSCHE)による機関認証の下でニューヨーク大学の追加拠点として認定され、UAE教育省の認可も受ける[7]。学部は人文・社会・理工(工学を含む)の4分野にまたがる専攻(26専攻)を提供し[8]、NYUグローバル拠点(アクラ、ベルリン、ブエノスアイレス、フィレンツェ、ロンドン、ロサンゼルス、マドリード、ニューヨーク、パリ、プラハ、上海、シドニー、テルアビブ、ワシントンD.C.など)での留学(最大2学期)も可能である[9]

沿革

  • 2007年10月:ニューヨーク大学がアブダビでの分校構想を発表。資金は主としてUAE政府が拠出[要出典]
  • 2008年9月:建設マスタープランの主任として建築家ラファエル・ヴィニオリが選定[10]
  • 2010年9月:市内ダウンタウンの仮キャンパスで初年度生148名が入学し授業開始[11][12]
  • 2011年~2014年:サディヤット島の恒久キャンパスを建設、2014年8月に移転完了[13][14]
  • 2014年5月25日:第1回卒業式を開催。基調講演は元米国大統領のビル・クリントン[15][16]
  • 2019年8月:マリエット・ウェスターマンが副総長に就任[17]
  • 2024年6月:ウェスターマン退任に伴い、ファビオ・ピアノが暫定副総長に就任[18][19]

学術

学部課程は人文科学・社会科学・理学・工学の4分野にまたがる26専攻を設け、コア・カリキュラムを必修として幅広い教養教育を行う[20]。教育言語は英語であり[21]、中部州高等教育委員会(MSCHE)によりニューヨーク大学の「追加拠点」として認証、UAE教育省の機関認証と各プログラム認証(工学の一部はABET認定)を受ける[22]。学生はNYUの各グローバル学術センターで学ぶ「留学セメスター」を最大2学期間履修できる[23]

キャンパス

恒久キャンパスはサディヤット島の文化地区に所在し、ラファエル・ヴィニオリ建築事務所(Rafael Viñoly Architects)がマスタープランと設計を担当した。歩行者中心の街区構成と中東とNYUの学術的伝統の要素を組み合わせたデザインが特徴とされる[24][25][26]。学内には多目的劇場群を備える「The Arts Center」[27]、学術的・実験的展示を行う「NYUAD Art Gallery」[28]が併設される。また研究計算基盤としてHPCクラスター「Jubail」(旧「Dalma」を統合)を運用している[29][30]

研究

NYUADはリサーチ・インスティテュート配下に多数の学際研究センターを設置しており、気候・環境(Mubadala ACCESS)、天体物理・宇宙科学(CASS)、AIとロボティクス、都市ネットワーク(CITIES)など、多分野で研究を展開する[31][32]。研究コンピューティングは前述のHPC基盤により支えられている[33]

学生生活

スポーツ・アクティビティは「Desert Falcons」の名で行われ、アブダビ域内の大学スポーツを統合するAbu Dhabi Inter-University Sports League(ADISL)にも関与する[34][35]。キャンパスではアート公演や展覧会、公開講演など一般向けプログラムも多数実施されている[36]

入学選抜と財政支援

選抜は国際的に高い競争率で、例えば学部「Class of 2024」の合格率は約4%とされる[37]。2022年秋の在籍学生数は約2,100人の統計が公表されている[38]。財政支援は国籍を問わず申請可能で、CSS Profileを通じて所要の手続が案内されている[39][40]

受賞歴

NYUADの学生・卒業生は、ローズ奨学生(Rhodes Scholars)を多数輩出しており、2023年時点で累計22名が選出されたと報告されている[41]

役職者

  • アルフレッド・H・ブルーム(Alfred H. Bloom):副総長(Vice Chancellor、2008–2019)[42]
  • マリエット・ウェスターマン(Mariët Westermann):副総長(2019–2024)[43]
  • ファビオ・ピアノ(Fabio Piano):暫定副総長(2024年6月1日以降)[44]


論争

労働問題

サディヤット島キャンパス建設に従事した出稼ぎ労働者の処遇について、2014年に報道機関が過酷な労働実態を指摘し、大学側は調査と是正を表明した[45][46]。NYUADは2009年に「Statement of Labour Values」を策定し、のちに「14項目」やサプライヤー・コードなどによる遵守監視を導入したと説明している[47][48]。また、NYUが委託した独立調査(Nardello & Co., 2015)も公表され、是正金支払いなどが実施されたとされる[49][50]

学問の自由・入国管理問題

2015年、労働問題に批判的だったNYU教授アンドリュー・ロスがUAEへの入国(搭乗)を拒否された事案が報じられ、学問の自由をめぐる議論を呼んだ[51][52]。2017年にはNYUの教員2名がUAEの査証を得られなかったとしてNYUジャーナリズム研究科がアブダビでの授業参加を一時停止した旨を公表し、再び注目を集めた[53][54]。2024年には卒業式での表現に関する運用やデモ対応をめぐり、学内外での言論・表現の自由の扱いが再度議論となった[55]

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関連項目

脚注

外部リンク

脚注

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