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生鮮食品や医薬品などを生産・輸送・消費の過程で途切れることなく低温に保つ物流方式 ウィキペディアから
コールドチェーン(英語: Cold chain)とは、生鮮食品や医薬品などを生産・輸送・消費の過程で途切れることなく低温に保つ物流方式。日本語では「低温流通体系」とも表記される。この技術により、生鮮食品などの広域流通や長期間の保存が可能となった[1]。技術が確立されるまでは常温での輸送が常識であり、日本料理の象徴とされる寿司や各種の魚料理も、コールドチェーンの普及前と後では全くその形態は異なっている[1]。
アメリカでは第二次世界大戦後直ぐ、冷蔵庫が急速に普及したことで冷凍食品の流通量も増えており、日本はこの影響を強く受けている[1]。日本は1955年(昭和30年)頃から高度経済成長期に突入し、この辺りから冷凍食品に関する消費が増え始めたことで、1959年(昭和34年)に食品衛生法に則った冷凍食品の規格基準が厚生省から公示され、マイナス15度以下での保管が義務付けらており[2]、1965年(昭和40年)には、科学技術庁主導による「コールドチェーン勧告」が出されたことで流通ネットワークの整備が本格的に開始されている[1]。1975年(昭和50年)には、マイナス18度以下で保存することが決定され、今日における低温流通形態が確立している[2]。1960年(昭和35年)頃から家庭用冷蔵庫が普及し始めたことで、それまで冷凍食品は主に業務用であったが、冷蔵庫の普及により家庭用冷凍食品にも応用される形となった[1][2]。
生鮮食品の場合、産地で収穫後すぐに低温貯蔵して出荷、それを温度管理された物流手段で輸送・貯蔵・仕分けなどを行い、品質の悪化を最小限に抑える。このためには、品質を保持する上での冷却方法、温度変化の少ない輸送・貯蔵・仕分方式などの開発が必要である。例えばマグロやカツオは釣り上げた後、すぐさまに船内で急速冷凍され、凍結されたままで市場で売られ、小売店に到着する。凍結にかかる時間が長いほど、或いは温度が高い(たとえ0°C以下であっても)ほど、氷の結晶が成長して食材の細胞が破壊され、風味を著しく低下させる。解凍して再凍結を繰り返すと、最悪の場合スポンジ状になる。これを逆に利用したのが高野豆腐や寒天などフリーズドライである。
さらに1980年代後半からは、宅配便にもクール宅急便(ヤマト運輸)などのような温度管理を行うサービスが登場し、これを利用した通信販売などへの応用も進んだ。
ワクチンなど低温での保存が必要な医薬品を配送する際にも重要となり[3]、低温流通形態が確立したことで、海外との輸出入や日本全国へ配送が可能となった。
温度帯区分や名称は統一されていないが、概ね以下に分類される[4][5]。
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