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台湾の半導体製造企業 ウィキペディアから
台湾積体電路製造股份有限公司(たいわんせきたいでんろせいぞうこふんゆうげんこうし、繁: 臺灣積體電路製造股份有限公司、英語: Taiwan Semiconductor Manufacturing Company, Ltd.、略称:台積電・TSMC)は、中華民国 (台湾) にある世界最大の半導体受託製造企業(ファウンドリ)である。世界初の半導体専業ファウンドリ[3]であり、世界で最も時価総額の高い半導体企業[4]の一つである。台湾最大級の企業でもあり、新竹市の新竹サイエンスパークに本社を置く。
Fab 5ビル(TSMC ブック) | |
種類 | 株式会社 |
---|---|
市場情報 | |
略称 | TSMC、台積電 |
本社所在地 |
中華民国(台湾) 新竹市東区力行六路8号 |
設立 | 1987年2月[1] |
業種 | 電気機器 |
事業内容 | ファウンドリ、半導体素子の製造・販売など |
代表者 |
張忠謀(創業者) 劉徳音(会長) 魏哲家(最高経営責任者) |
資本金 | 259,303,804,580 台湾ドル(2022年) |
売上高 | 1,587,415,037,000台湾ドル(2021年) |
営業利益 | 649,980,897,000台湾ドル(2021年) |
総資産 | 3,725,503,455,000台湾ドル(2021年) |
従業員数 | 65,152 人(2021年) |
決算期 | 12月末日 |
主要子会社 |
TSMC ジャパン株式会社 TSMCデザインテクノロジージャパン株式会社 TSMCジャパン3DIC研究開発センター株式会社 Japan Advanced Semiconductor Manufacturing株式会社 |
外部リンク |
www |
TSMCが製造した半導体集積回路(ICウェハ)を用いた顧客の製品は、補聴器やスマートフォン、クラウドデータセンターから、科学研究用機器・医療用機械・人工衛星・宇宙船など、幅広い電子機器に採用されている。現時点で世界で最も進んだ半導体プロセス技術である3nmを用いた製造サービスを提供する最初のファウンドリ[5]である。
TSMCは、1987年に創業者である張忠謀(Morris Chang、モリス・チャン)によって、台湾や世界初の半導体専攻のファウンドリとして設立され[6][7]、現在もこの分野におけるリーディングカンパニーとなっている。1993年に台湾証券取引所(TWSE: 2330)に上場。1997年には台湾企業として初めてニューヨーク証券取引所(NYSE:TSM)に上場した。
2018年6月、31年間同社を率いてきた張忠謀の退任[8]に伴い、劉徳音(Mark Liu、マーク・リウ)が会長に、魏哲家(C.C. Wei、シーシー・ウェイ)が最高経営責任者に[9]就任した。2005年から2009年まで、曾繁城(リック・ツァイ)が最高経営責任者を務めた。
2022年現在、TSMCは全世界で6万人以上の従業員[10]を擁し、2021年の売上高は568億米ドルとなった。
TSMCは、米国、中国、シンガポール、台湾北部、中部、南部[11]でファブ(半導体製造工場)事業に投資している。また、日本、北米、欧州、中国、韓国[12]に拠点を置く。
TSMCは、世界的な半導体需要の高まりが続く中、台湾に加え海外の施設を拡張しており、AIや5Gを搭載したアプリケーションで使用されるチップなどの需要拡大に対応するため、2023年までに1000億米ドルを投資して製造能力の強化を計画[13]している。
2020年には、米国アリゾナ州フェニックスに12インチファブを開設[14]する計画を発表。この第1工場では、2,000人の雇用が創出[15]される見込みで、4 nmプロセスを採用し[16]、ICウェハ月産2万枚を予定している。2024年のフル稼働を予定しており、その時点で米国最先端のファブとなる見込みである[14]。さらに2022年12月に計画が発表された第2工場では3nmプロセスを採用し、第1工場との合計400億ドルの投資で4,500人の雇用を生み出す予定である[16]。
JASM(Japan Advanced Semiconductor Manufacturing株式会社)は、TSMCが過半数を出資する子会社で、ソニーセミコンダクタソリューションズとデンソーが少数株主として参画している。
2021年12月設立。本社は2022年4月現在は熊本県熊本市。
工場は熊本県菊陽町に2022年4月より建設され、2024年に、12/16 nm FinFETプロセスと22/28 nmプロセス技術により生産を開始する予定で、月産能力は12インチウェハで55,000枚となる予定。また、生産開始時には本社も工場敷地内に移転予定。
グローバル顧客対応のために2020年に設立された横浜のTSMCジャパンデザインセンター[17]は、台湾本社や世界各地のデザインセンターと協力し、5 nm、3 nm、さらにその先の最先端プロセスを使用する顧客をサポート[18]している。その一環として、社内テストチップやSRAMマクロ、コンパイラ等の開発、 TSMCプロセスのデザインフローの開発、設計環境の構築を行っている。
TSMCジャパン3DIC研究開発センターは、複数のシリコンウェハーまたはダイを垂直方向に統合し、それらを接続して1つのデバイスとして機能[19]させる最先端半導体の開発[20]を目的に茨城県つくば市に設立された。
2021年時点で、TSMC全体で年間1300万枚 (12インチ換算)を超えるICウェハ製造能力[21]を持ち、2ミクロンから5ナノメートルまでのプロセスノードを用いて顧客向けに集積回路を製造している。
2021年、TSMCは290の異なるプロセス技術を展開し、500社を超える顧客に12,300以上の製品を製造した。
主な顧客は、アップル、インテル、クアルコム、AMD、Nvidia[22]となっている。
TSMCは、7 nmと5 nmプロセスによるICウェハを大量に生産[23]しており、7nmプラス(N7+)プロセスによりEUV(極端紫外線)技術を商用化した、初のファウンドリとなっている。2022年には、3nm製品の量産を開始した[24][25]。3nmプロセスのトランジスタの幅は、人間の髪の毛の2万分の1に過ぎない[26]。
7 nmプラス(N7+) によって、TSMCは、半導体業界で EUV(極端紫外線)技術を商用化した、初のファウンドリ[27]となっている。 紫外線パターンを用いてシリコン上に微細な回路を実現し、従来の技術に比べトランジスタ密度を15 - 20 %向上させ、消費電力を10 %低減[28]している。N5プロセスは、トランジスタ密度を2倍、性能をさらに15%向上させた[29]。
TSMCは、現在300 mmウェハを用いて以下のプロセスを生産している[30]。
また、TSMCでは、より高い性能と精度を、高いコスト効率で提供することを目的としたDFM(Design For Manufacturing)[32]を提供している。
2021年、TSMCは2050年までにネット・ゼロ・エミッションを達成することを約束し、2020年、温室効果ガスの実質ゼロを達成。同社は、2025年までに排出量の増加をゼロにし、2030年までに排出量を2020年レベルまで削減するという短期目標を掲げている。
2020年、TSMCは半導体企業として世界で初めてRE100に加盟し、2050年[33]までに再生可能エネルギーを100 %使用することを発表した。TSMCは台湾のエネルギー消費の約5 %を占めており、この動きは、台湾全土での再生可能エネルギーへの転換のために重要だと見られている[34]。
2020年から、TSMCはOrsted社と20年間の契約を締結し、台湾西海岸で開発中の洋上風力発電所2基の全生産量を購入することとした。調印当時は、企業のグリーンエネルギー受注としては世界でも史上最大規模[35]だった。2020年にエネルギーの7.6 %を再生可能エネルギーで取得し、2030年までに40 %に増やすことを目指している。[36]
TSMCは、生産に大量の水を使用する半導体業界において、節水を最重要課題と位置づけている。水源管理を生産コストとして捉え、全ての水を3.5回以上使用し、リサイクル水を主要水源(90 %近く)としている[37]。
水の使用量削減の必要性は、5 nmプロセスによる集積回路の生産量増加や新ファブの建設により、一層高まっている。TSMCは2020年、ウェーハ製造時の水使用量を8.9 %削減[36]したが、目標の10 %にはわずかに届かなかった。2020年の1日の水使用量は19万3千トンとなった。
2020年のCSRレポート[38]によると、TSMCは2015年以降、1製品あたりの大気汚染物質排出量を46 %削減し、2030年のSDGsを前倒しで達成している。また、6年連続で廃棄物の95 %をリサイクルし、11年連続で廃棄物の埋立地への排出を1%未満に抑えている。
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