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日本の民話 ウィキペディアから
正直者の爺が地中の異世界に迷い込み、そこで出会った地蔵に「間もなく鬼が現れて博打を始めるので、隠れて鶏の鳴きまねをすればよい」と勧められる。爺が朝方ごろに鷄の鳴きまねをすれば朝を恐れる鬼は銭金を置いて逃げ出し、爺は金を首尾よく持ち帰って金持ちになる。隣の欲張り爺が真似して失敗し、鬼に食われてしまう。「おむすびころりん」に似た形式である[1]。
あるところに爺と婆があった。ある日、爺が土間の掃き掃除をしていたら、団子が落ちていた。団子は転がり、土間の隅の穴に落ちる。団子を追う爺も穴に吸い込まれる。穴の中は不思議と明るく、そこに地蔵が立っていた。
爺が地蔵に団子の行方を尋ねると、地蔵は「この地蔵が半分食ってしまった。ごちそうさん」と礼を述べ、爺に「しばらくすれば鬼コ集まって博打をぶちに来っさげ、俺の頭さ昇って待ちでろ。鬼コだまして博打の銭コべろっと取り上げてけましょ。この団扇でバダバダあおいで鶏コのまねすなだぞ」
と、恐縮する爺を自身の頭の上に登らせて隠す。やがて話に違わず鬼どもが集まり、博打を始める。場が乱れて銭金がすべて出そろった頃合いを地蔵が見計らって合図を出し、爺は団扇でバタバタあおいで羽音を出し、「コケコッコー」と鶏の鳴きまねをすれば、朝を恐れる鬼どもは銭金を放り出して逃げ出した。
爺は金をすべて集めて家に戻り、婆と喜び合っていたところ、隣家の欲張り婆が訪ねて来て驚く。正直者の爺婆は、これまでの顛末をすべて正直に話してやった。
隣家の土間にも団子が落ちていた。団子は転がり、土間の穴に落ち、欲張り爺も地中に吸い込まれる。そこには話にたがわず地蔵があったが、地蔵は何も言わない。欲張り爺は「このばか地蔵!」と悪態をついて、泥足のままで地蔵の頭上に登って隠れる。やがて鬼が集まり博打を始めるが、欲張り爺は待ちきれず鶏の鳴きまねをしてしまう。鬼は銭を放り出して逃げ出したが、そのうちの一匹が慌てた拍子に鼻の穴を炉の自在鉤に引っ掛けてしまう。それを見た欲張り爺はあまりの面白さに笑い出し、鬼に気が付かれて捕らえられ、「鬼どごだますとはたいした悪りもんだ」と、酒の肴として食われてしまった。
んいださげて、人のまねじゃするもんでねけど。
地蔵浄土、鼠浄土(おむすびころりん)はいずれも善良な主人公が大切な食料を媒介として地中の異世界に至り、幸福を授かる。真似た不信心者が失敗する。どちらが先かは別として、同系の説話であることは明確である[10]。
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