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ビートルズの楽曲 ウィキペディアから
「レイン」(Rain)は、ビートルズの楽曲である。1966年5月に発売されたシングル盤『ペイパーバック・ライター』のB面曲で、「ペイパーバック・ライター」と同様にアルバム『リボルバー』のセッション中にレコーディングされたが、いずれも同作には未収録となった。レノン=マッカートニー名義となっているが、主にジョン・レノンによって書かれた楽曲で、レノンは「常に天気に一喜一憂している人々について歌ったもの」と語っている[3]。
「レイン」 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ビートルズの楽曲 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
英語名 | Rain | |||||||||||||||||||||||||||||||||
リリース | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
規格 | 7インチシングル | |||||||||||||||||||||||||||||||||
A面 | ペイパーバック・ライター | |||||||||||||||||||||||||||||||||
録音 |
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ジャンル | サイケデリック・ロック[1][2] | |||||||||||||||||||||||||||||||||
時間 | 2分59秒 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
レーベル | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
作詞者 | レノン=マッカートニー | |||||||||||||||||||||||||||||||||
作曲者 | レノン=マッカートニー | |||||||||||||||||||||||||||||||||
プロデュース | ジョージ・マーティン | |||||||||||||||||||||||||||||||||
チャート順位 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
後述を参照
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本作はレコード化された楽曲としては初めてリズムトラック、ベース、バッキング・ボーカルをテープ速度を操作して録音した楽曲である[4]。ポール・マッカートニーは歌うようなベースラインを弾き、ジョージ・ハリスンはギターでインド風のフレーズを演奏している[5]。なおリンゴ・スターは、本作のドラミングをベストプレイとしている[6]。ミュージック・ビデオは3種類制作された。
1964年6月11日、ビートルズはニール・アスピノールと共に、オーストラリアのシドニーに訪れたが、当日は雨が降っていた[7]。レノンは「こんなにひどい雨はタヒチで見て以来だ」と語り、本作について「歌詞は常に天気に一喜一憂している人々について歌ったもの」と説明している[3]。なお、歌詞に出てくる「Rain」と「Sun」が、LSDのトリップ時に体験する現象の1つであることから、薬物に対する言及という解釈もなされている[8]。
「レイン」はシンプルな構成となっており、キーはGメジャーに設定されている。ギターのイントロの後にスネアドラムが入り、ヴァースへと続く。ヴァースは9小節長で、4分の4拍子となっている。最初の2小節はGコードで、3小節目と4小節目でCコードに移行したのち、5小節目と6小節目でGコードに戻る。4番のヴァースとリフレインの後にドラムソロとギターソロが入り、1拍ブレイクする。これに続いて逆回転させたレノンのボーカルが入る[9]。音楽学者のウォルター・エヴェレットは、本作のエンディングについて「ビートルズが『フェードインフェードアウトを使用したコーダ』の先駆者であることを示す例」と述べている[10]。
音楽評論家のアラン・コジンは、マッカートニーのベースについて「指板をくまなく使った独創的な対位法」「レノンとマッカートニーがほのかに中近東を思わせるメロディーを4分の1拍子で奏でている間、マッカートニーはまずHigh-Gを打ち鳴らし、20ビートを安定させたまま弾くことで、曲のドローンを表現している」と評している[11]。
「レイン」のレコーディングは、EMIレコーディング・スタジオで1966年4月14日から16日にかけて行われた[12][13]。ビートルズは、後に発売されたアルバム『リボルバー』で見られるようなADTの導入やテープ・エフェクトの使用など、レコーディングで実験を行うことに夢中になっていた[14]。バッキング・トラックはテープの回転速度を通常よりも速めB♭で録音され[15]、レノンのボーカルは逆に遅くして録音された。これにより、通常再生するとレノンの声が高く聴こえるようになった[16]。
最後のヴァースでは、レノンのボーカルの一節が逆回転になっており、逆に再生された音源がレコード化された最初の例となった[17]。1980年の『プレイボーイ』誌のインタビューで、レノンは「スタジオから家に帰ってきて、あの時はちょっとマリファナで酔っていたのかな。とにかくいつものようにその日にレコーディングしたテープをプレイバックしようとしていたんだけど、たまたまテープを逆にセットしちゃってて…。翌日スタジオに着いてから「これ使えるかもしれないから聴いてみて」って言って逆再生させたんだ。フェードアウト部分はギターも歌も逆再生になってる。(歌い出す)"Sharethsmnowthsmeanss!"…って感じでね。これはマリファナの神が与えたもうたものだ」[17][18][19]と語っているが、ジョージ・マーティンは「私はいつもテープを扱っていて、ジョンの声で何か特別なことができないものかと考えていた。そこで、私はジョンのリード・ボーカルの一部を4トラックから抜き出して、別のスプーリングに入れて逆回転させてから、うまく合うように調整した。その時外出していたジョンが戻ってきて、たいそう驚いていた」と語っている[15]。
本作での使用楽器は、1965年製のグレッチ・ナッシュビル(レノン)、1964年製のリッケンバッカー・4001(ポール・マッカートニー)、ギブソン・SG(ジョージ・ハリスン)、ラディック・ムッサーのドラムセット(リンゴ・スター)[20][13]。
「レイン」は、アメリカで1966年5月30日にキャピトル・レコードより発売されたシングル盤『ペイパーバック・ライター』のB面に収録され、イギリスでは6月10日に発売された。その後コンピレーション・アルバム『パスト・マスターズ Vol.2』に収録され、アメリカでは1970年に発売されたキャピトル編集盤『ヘイ・ジュード』や『レアリティーズ Vol.2』にも収録された[13]。
B面曲ながら、アメリカでは1966年7月9日付のBillboard Hot 100で最高位23位を記録[21]し、『ローリング・ストーン』誌が発表した「オールタイム・グレイテスト・ソング500」では463位にランクインした[22]。アメリカのラジオ局WAXQのランキング「THE TOP 1,043 CLASSIC ROCK SONGS OF ALL TIME: DIRTY DOZENTH EDITION」では382位にランクインした[23]。
スターは、本作におけるドラミングをベストプレイとして挙げており、1984年にスターは「これまでバンドが作ったどのレコードよりもすごい。『レイン』には驚かされる。左チャンネルから僕の演奏が聴こえるんだけど、そこに僕の『レイン』があるんだ」と語っている[24]。
本作におけるスターのドラミングについては、音楽評論家のイアン・マクドナルドや『ローリング・ストーン』誌も称賛しているほか[20][25]、『オールミュージック』のリッチー・アンタ―バーガーは「創造的なドラムブレイク」と評している[26]。
音楽評論家のジム・デロガティスは、本作について「ビートルズ初の素晴らしいサイケデリック・ロック・ソング」と評している[27]。
「レイン」のプロモーション・フィルムは3種類制作された[28]。これらのフィルムは、初期のミュージック・ビデオの先駆けとされており[29]、ジョージ・ハリスンは映像作品『ザ・ビートルズ・アンソロジー』で「ある意味じゃMTVは僕らの発明かもしれないね」と冗談めかして語っている[30]。
3種類のプロモーション・フィルムは、いずれもマイケル・リンゼイ=ホッグが監督を務めたもので、1つは1966年5月20日に撮影したチジック・ハウスの庭園や温室でメンバーが演奏しているもので[28][31]、残りの2つは1966年5月19日に撮影したサウンド・ステージでメンバーが演奏している様子で構成されている[注釈 1][28][31]。撮影の半年前にマッカートニーは、バイク事故で前歯を折っていたため、歯を見せないように意識して歌っている[32][31]。
制作されたプロモーション・ビデオのうち2種類が、映像作品『ザ・ビートルズ・アンソロジー』や『ザ・ビートルズ 1+』に収録された。
※出典[20]
チャート (1966年) | 最高位 |
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ベルギー (Ultratop 50 Wallonia)[33] | 12 |
US Billboard Hot 100[21] | 23 |
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