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日本の陸上競技指導者、元選手 (1939-2019) ウィキペディアから
小出 義雄(こいで よしお、1939年4月15日[1] - 2019年4月24日)は、陸上競技の元選手。佐倉アスリート倶楽部代表取締役[2]。マラソン・中長距離選手の指導者。順天堂大学客員教授。千葉県佐倉市出身[3]。
千葉県立山武農業高等学校卒業後、家業の農業に従事していたが、陸上競技への思いを断ち難く出奔[3]。小出の語るところによると、「電話工事のアルバイトや工事現場の作業員をやりながら食いつなぎ、昭和高圧(現在の高圧昭和ボンベ)駅伝部で競技を続けた」後に苦学の末、22歳で順天堂大学体育学部に入学[3]。箱根駅伝に3年連続出場[3](1年時の第38回は5区区間10位、2年時の第39回は8区区間3位、3年時の第40回は8区区間5位)。
1965年に順天堂大学を卒業後、体育科・保健体育科教員となり千葉県の公立高校教員に勤務。千葉県立長生高等学校、千葉県立佐倉高等学校、船橋市立船橋高等学校で教鞭を取り、鈴木秀夫、仲村明、河合美香、鈴木博美らを育てた。
佐倉高校時代の教え子に野木丈司がいる。鈴木大地も小出の市立船橋高校時代の教え子であり、小出の順天堂大学の後輩にあたる[4]。
小出は日本の陸上競技指導者としては早い時点で女性の長距離種目への適性を評価し、その対策を研究した[8]。有望な選手を探す中、中学時代の増田明美に目を付けたが、わずかな差で成田高等学校の瀧田詔生に先を越され、指導の機会を逃したこともある[9]。その後、佐倉高校で倉橋尚美を長距離選手として育て、増田が初マラソンで日本最高を記録した1982年2月の光町マラソンに倉橋を出走させて増田に次ぐ2位(記録は当時日本歴代2位)でゴールさせている[10]。
「ほめて育てる」という選手育成方法が知られている[2]。ただし、小出本人はほめるだけでなく叱る、アドバイスや注意をするといったことも組み合わせ、相手の個性に合わせて指導することが大事であるとインタビューで語っている[2]。 監督がゴールにいてあげるべき時は選手が勝った時ではなく、負けた時に「おまえが悪いんじゃない、監督が悪いんだ。」と慰めるためだ、と語っている[11]。
小出の指導者としての最後の大会になったのは、2019年3月10日の名古屋ウィメンズマラソンであるが、その会場で偶然にも自らが育成した有森裕子、鈴木博美、高橋尚子らもいたため、皆で写真を撮ったのが最後になったと小出の愛弟子の有森が語っている[12]。
豪放磊落な性格で、酒好きである。インタビューの度に顔が赤くなっているのは酒を飲んでいるからだとか、小出の教え子の高橋尚子がシドニーオリンピックで金メダルを取った時に途中の様子を見て「これは勝てる」と思ったため、祝杯と称して酒を大量に飲んでゴール地点や祝勝会に参加できなかった等、酒にまつわる話に事欠かない[11]。2001年には、サンクスから「小出監督のおつまみセット」が発売された。
妻とは長生高校勤務時、陸上部の生徒と部活顧問という関係であった。
高橋と共にマラソン選手を育成するゲームの開発にも携わった。
スポーツニッポンに勝手に名前を使われ、サッカー日本代表の2010年ワールドカップのトレーニングが無駄だと言ったと報道された。しかし、小出も関係者からそれを聞き自身のホームページでそれを否定した後、そのトレーニングが高山順化には最適であると太鼓判を押し、スポニチの身勝手な創作報道で岡田武史が気を悪くしていないかと心配した。
小出の没後、故郷でもある佐倉市が小出のその功績を讃えて岩名運動公園陸上競技場を『小出義雄記念陸上競技場』と改称することを決定し、2020年2月15日に命名除幕式が執り行われた[13]。
佐倉アスリート倶楽部株式会社(SAC、さくらアスリートくらぶ)は、小出が設立したスポーツクラブ。及び、スポーツ育成団体。
マラソン・中距離選手を指導する部門を「佐倉アスリート倶楽部」、ジュニア選手を指導する「小出道場」(こいでどうじょう)に分ける。
現在、ユニバーサルエンターテインメント(旧:アルゼ)・豊田自動織機所属の選手に指導育成を行う。育成に卓越した手腕を発揮し多くの選手を育成した。
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