松苗 あけみ(まつなえ あけみ、1956年11月18日 - )は、日本の漫画家。コメディを多く手がける。内田善美の紹介で一条ゆかりのアシスタントをしていた。「有閑倶楽部」に登場するペットのニワトリ・アケミの名前のモデルである(詳しくは「有閑倶楽部」参照)。
1977年、『リリカ』4月号にて「約束」でデビュー。その後1978年3月号で『リリカ』が休刊となったため『ぶ〜け』他で活躍。代表作「純情クレイジーフルーツ」など。華やかな絵柄と脱力系のキャラクターのギャップが大きく、それがギャグともなっている。
1988年度(昭和63年)、第12回講談社漫画賞少女部門受賞(「純情クレイジーフルーツ」)。1988年から1991年にかけて『ビッグコミックスピリッツ』で連載された「原色恋愛図鑑」は、1989年にTBS系「ドラマ23」の一話にて、井森美幸主演でTVドラマ化された。2005年には『COMIC MIU』で連載された「恋愛内科25時」が吉沢悠主演でTVドラマ化された。
2022年現在は、ぶんか社を中心に活動している。
影響を受けた画家として、松苗はアルフォンス・ミュシャを挙げている。2020年7月11日から9月6日まで静岡県立美術館で開催されている展覧会「みんなのミュシャ」[1]において、「コマーシャリズムの要素もありながら、絵画的でもあり、装飾美にもあふれて、それを一幅の絵に収めているのはミュシャだけだった」(原文のまま)とコメントしている[2]。
雑誌掲載
- 約束(『リリカ』1977年4月号)
- 赤毛のアン(『リリカ』1977年5月号)
- ハッピー・エンドじゃ終わらない(『リリカ』1978年3月号)
- 私の愛したスーパーマン(『リリカ』1978年6月号)
- ハロー・グッドバイ(『ぶ〜け』1979年11月号)
- 春だからめざめたみたい(『ぶ〜け』1980年5月号)
- マジックラブ・チャイルド(『ぶ〜け』1981年2月号 - 3月号前後編)
- 僕は天使に嘘をつかない(『ぶ〜け』1981年8月号 - 10月号連載)
- ふり向いてねゴードン(『ぶ〜け』1982年2月号)
- 純情クレイジーフルーツ(『ぶ〜け』1982年7月号 - 12月号連載)
- 山田くんと佐藤さん(『ぶ〜け』1983年5月号 - 1984年3月号連載)
- ファンタストの恋愛(『ぶ〜け』1984年7月号、集英社)
- 浮気なファンタスト(『ぶ〜け』1984年11月号、集英社)
- 奥様とわたし(『ぶ〜け』集英社、1984年10月号)
- 九月姫最後の冒険」(『ぶ〜け』1984年9月号)
- WE LOVE YOU
- 海で、真珠がみる夢は(『ぶ〜け』1984年8月号)
- 純情クレイジーフルーツ続編(『ぶ〜け』1985年2月号 - 1988年3月号連載)
- My favorite things(『ぶ〜けデラックス』1986年増刊号)
- 原色恋愛図鑑(『ビッグコミックスピリッツ』1988年 - 1991年不定期連載)
- カトレアな女達(『LaLa増刊』1988年 - 1991年)
- HUSH!(『ぶ〜け』1988年7月号 - 1990年9月号連載)
- 純情クレイジーフルーツ番外編 大奥純情絵巻(『ぶ〜け』1990年11月号 - 12月号前後編)
- ロマンスの王国(『ぶ〜け』1991年4月号 - 1993年7月号連載)
- 女たちの都(『ぶ〜け』1993年9月号 - 1994年7月号連載)※「カトレアな女達」の続編。
- お友達で行こう!(『ぶ〜け』1994年10月号 - 1996年3月号連載)
- 結婚よそうよ(『Monthly mimi』1996年6月号、9月号、『Monthly Kiss』1997年1月号、4月号、『Kiss』1997年 - 1999年連載)
- この国で幸せになるの(『コーラス』1996年7月号 - 1997年連載)
- 友よ尾をふれ!(『セリエミステリー』1996年8月号 - 1997年6月号連載)
- うるとらまりりん-3001年から来た女(『コーラス』1997年9月号 - 1998年連載)
- 進めBowwow Road(『ぶ〜け』1997年11月号 - 12月号)
- あなたにだけ見えない(『ぶ〜け』1997年5月号)
- 新・お友達で行こう!(『ぶ〜け』1998年6月号)
- 先生、泊めてください(『Kissカーニバル』1999年2月号、『Kiss』1999年No.12、2000年No.5)
- ロミオとジュリエットの法則(『ぶ〜け』1999年3月号)
- もう学校へなんかいかない(『ぶ〜け』1999年9月号 - 10月号前後編)
- 恋愛内科25時(『COMIC MIU』1999年 - 2004年連載)
- マサコ先生のお気に入り(『ぶ〜け』2000年2月号)
- 食と薔薇の日々(『月刊MELODY』2000年 - 2002年不定期連載)
- 純情クレイジーフルーツ21世紀篇もう一度夢みたい!(クイーンズコミックス、2002年 - 2004年)
- アパートの鍵あいてます(『モーニング』2002年23号、47号、2003年21・22合併号、『イブニング』2004年6号 - 9号)
- 世界で一番幸せなハズ(『Kiss』2002年No.18 - 2003年No.17)
- 恋愛内科クリニック(『COMIC MIU』2004年)「恋愛内科25時」の続編。
- 猫と薔薇の日々(『One more Kiss』2006年9月号 - 2008年1月号、『Kiss PLUS』2008年3月号 - 7月号)
- マダムとお遊戯(『マンガ・エロティクス・エフ』2006年Vol.37 - 2009年Vol.57不定期連載)
- デリカレ(『Silky』2007年10月号 - 2008年6月号)
- 花咲ける國のオトメ~英国紳士と出会う~(『BE・LOVE』2009年2号 - 7号連載)
- 十二月がくるたびに/優しすぎる花嫁(2008年12月)宙出版
- 猫もえ!(2010年9月)ぶんか社
- 妄想婦人倶楽部(2011年3月)実業之日本社
- ゆううつ皇女の結婚(2011年3月)宙出版
- グリム艶童話~恋を欲しがるお姫様たち~(2011年7月)ぶんか社
- 不機嫌な伯爵()宙出版
- 放課後は恋のレッスンを/君は最高のダイヤモンド(2012年5月)宙出版
- ベルサイユ狂想曲~エマは♥♥がお好き~(2012年10月)ぶんか社
- 伯爵と一輪の花(2013年5月)宙出版
- 猫はなんにもすることがない(『本当にあった笑える話』連載)
- 松苗あけみの少女まんが道(『本当にあった笑える話』2018年9月号 - 2020年4月号連載)
- 松苗あけみの少女まんが道・結(むすび)(『本当にあった笑える話』2022年11月号〜連載中)
単行本未収録
- 花嫁にダイヤモンドを(集英社『ぶ〜け』1979年6月号)
- 選挙の日(白泉社『ShortStories』1987年SUMMER号)
- あっらー、アクバル(白泉社『MELODY』1999年10月号)
調査中
- 緋野家の兄弟 花賀家の姉妹(「緋野家の兄弟」2話、「花賀家の姉妹」2話収録)
- 夏は人魚とパラダイス
- 猫もえ!お蔵出し ぶんか社
アンソロジー
- 『もっともっともっと愛し合うH』集英社、2001年2月、ISBN 978-4088625263
- 『てのひらに月 : 10minute diary』集英社〈Queens' comics〉、2005年10月
- 『ねこまん : 猫だらけコミック・アンソロジー』ホーム社〈ホームコミックス〉、2008年6月
- 『にゃんスペ : nyanko-special anthology』、イースト・プレス, 2010.4
- 『女子校育ちはなおらない』KADOKAWA〈メディアファクトリーのコミックエッセイ〉、2014年10月、ISBN 978-4040671390
- 『ねこまみれ : おだんご』野中のばら, 松苗あけみ, たらさわみち ほか著. ぶんか社, 2014年10月
- 『ねこざんまい』野中のばら, 松苗あけみ, たらさわみち ほか著. ぶんか社〈Bunkasha comics〉、2015年5月
- 『泣けちゃう両想い』、講談社〈KCフレンド〉、2002年8月
- 「私立ヒミツの花園女学院」収録
- 『マイ・ダイヤモンド センシティブLOVE』講談社〈講談社漫画文庫〉、2004年5月
- 『カップル乱れ打ち』講談社〈KCデラックス〉、2004年6月、ISBN 978-4063348996
- 『妖怪変化 京極堂トリビュート』講談社、2007年12月
- 「薔薇十字猫探偵社」収録
- 『王宮ロマンスアンソロジー プリンスの魅惑のプロポーズ』宙出版〈ハーモニィ&ロマンスコミックス〉、2013年12月