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静岡県立美術館
静岡県静岡市にある美術館 ウィキペディアから
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静岡県立美術館(しずおかけんりつびじゅつかん、Shizuoka Prefectural Museum of Art)は、静岡県静岡市駿河区谷田にある静岡県立の美術館。
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概要
静岡市駿河区と清水区が接する日本平北側山麓の静岡県文化センター(約120,000㎡)内にある。静岡鉄道県立美術館前駅から向かうと、第1、第2駐車場から美術館正門までの約300mの緑に包まれた彫刻プロムナード(作品14点)がある。丘の上からは静岡市街、富士山、南アルプスの眺望を楽しめる。
特色
17世紀以降の東西の山水・風景画、静岡県ゆかりの作家・作品、富士山の絵画、ロダンと近代彫刻などをコレクションの柱としている[2]。具体的には狩野派を中心とした江戸絵画や曾宮一念など静岡県ゆかりの作家・作品、また富士山や東海道などの静岡県地域を題材にした日本画や浮世絵も多く含まれる。
ロダンの作品を中心に展示しているロダン館は1994年(平成6年)3月23日に開館した。自然光を生かした長円形のドーム状の構造になっており、各作品が好ましい状況で観覧できる。ロダンの代表作「地獄の門」「考える人」「カレーの市民」等32点は、屋内展示であるため製作当時の姿をそのまま伝えている。この作品を正面から観賞できるように館内が階段状のスキップフロアーの構造となっている。
常設展の他、特別展示では芸術作品のみならず古代遺跡の出土品等、芸術に留まらない幅の広い展示を行っている。また「実技室」ではワークショップの開催や美術製作の体験が出来るなど、芸術を身近に体験できる施設が整っている。
なお、開館当初から美術研究者が館長職につくなど、学芸活動の根幹をなす研究活動にも力を入れてきた。(歴代館長:初代館長鈴木敬、2代目館長吉岡健二郎、3代目館長下山肇、4代目館長宮治昭、5代目館長芳賀徹)。他方、美術館の外部評価のシステムをいち早く取り入れた館としても知られる。
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沿革
- 1979年(昭和54年)県議会100年記念事業調査特別委員会において、美術館建設が記念事業の一環として決定された。
- 1980年(昭和55年)4月1日、静岡県教育委員会事務局に美術館建設準備室を設置した。
- 1984年(昭和59年)4月18日、静岡県立美術館の建設工事を着工した。工期は1984年(昭和59年)3月~1985年(昭和60年)8月。
- 1986年(昭和61年)
- 1月1日、初代館長に鈴木敬が任命された。
- 4月18日、静岡県立美術館が開館した。17世紀以降の内外の山水・風景画、静岡県ゆかりの作家、作品を中心に収集・展示。「開かれた美術館」を目指し、収蔵品展や特別展はもとより、講演会、講座、シンポジウム、コンサートなどを開催する。
- 1990年(平成2年)、アプローチ道が「県立美術館への道」で、平成2年度手づくり郷土賞(ふるさとの坂道)受賞。
- 1991年(平成3年)4月1日、美術館の所管が教育委員会文化課と知事部局の環境・文化部生活文化課の共管となる。
- 1992年(平成4年)4月17日、ロダン館の建設工事を着工した。工期は1992年(平成4年)3月~1993年(平成5年)11月。
- 1994年(平成6年)
- 1月1日、2代目館長に吉岡健二郎が任命された。
- 3月23日、ロダン館が開館した。静岡県立美術館の新館としてオープンした。ロダンフロアの面積は1,461㎡あり「地獄の門」をはじめとするロダンの彫刻を鑑賞することができる。
- 2001年(平成13年)館内にワーキンググループを設け、佐々木淳(北海道大学大学院教授)の助言のもと、ベンチマークス(評価指標)の策定に取組み、それに基づく利用者の満足度調査を行った。
- 2002年(平成14年)ベンチマークス(評価指標)の改定作業をしながら、利用者アンケート調査等を行い、諸業務における現状値を測定、それに伴う業務改善に向けた取組みを行った。
- 2003年(平成15年)「静岡県立美術館評価委員会」が設置され、2年間にわたる美術館・県庁との共同作業を開始した。
- 2005年(平成17年)
- 3月、「提言:評価と経営の確立に向けて」という最終報告が出された。
- 4月、ミュージアム・ナビ(使命:戦略計画の達成度を指標で測定し、改善を行うツール)の運用を始めた。
- 6月1日、3代目館長に下山肇が任命された。
- 2006年(平成18年)
- 4月1日、4代目館長に宮治昭が任命された。
- 平成17年度の活動に関する自己評価をとりまとめ、第三者評価委員会の総括を受けるシステムが稼動し始めた。
- 2008年(平成20年)8月1日、カフェ「ロダン」が新設された。客席数39席、日本平ホテルが運営している。
- 2009年(平成21年)11月9日、リニューアル工事を着工した。工期は2009年(平成21年)11月9日~2010年(平成22年)3月31日。
- 2010年(平成22年)4月1日、5代目館長に芳賀徹が任命された。同日、リニューアル工事が完了しオープンした。
- 2017年(平成29年)4月1日、6代目館長に木下直之が任命された。
建築概要

本館
- 敷地面積 県文化センター内(約120,000㎡)
- 建築面積 6,624.07㎡
- 延床面積 9,238.51㎡
- 構造・規模 鉄骨鉄筋コンクリート造、地上2階建
- 建築主 静岡県
- 設計・監理 静岡県都市住宅部営繕課、設計共同企業体静岡設計連合
- 施工 住友建設(株)静岡支店
- 工期 1984年(昭和59年)3月~1985年(昭和60年)8月
ロダン館
収蔵作品数
購入作品数
- 日本画131点、油彩画126点、水彩画32点、素描12点、版画1,021点、書7点、彫刻75点、工芸1点、写真46点、その他20点、合計1,471点
寄贈作品数
- 日本画221点、油彩画132点、水彩画20点、素描93点、版画344点、書340点、彫刻14点、工芸8点、写真18点、その他72点、合計1,262点
(収蔵作品数は2020年(令和2年)度末現在)
主な収蔵作品
近世絵画
- 『富士山図』 狩野探幽筆、1667年(寛文7年)、紙本墨画淡彩、掛幅装
- 『富士山図屏風』 谷文晁筆、1835年(天保6年)、紙本墨画群青引、六曲屏風一隻
- 『龍山勝会・蘭亭曲水図』(重要文化財) 池大雅筆、1763年(宝暦13年)、紙本着色、六曲屏風一双
- 『樹花鳥獣図』 伊藤若冲筆、18世紀後半(江戸後期)、紙本着色、六曲屏風一双
近代日本画
- 『宇津の山路』 今村紫紅筆、1912年(明治45年)、絹本着色
洋画
- 『笛を吹く人物のいる牧歌的風景』 クロード・ロラン作、1630年代後半、キャンヴァス、油彩
- 『小屋と木立のある田舎道』 ヤーコプ・ファン・ロイスダール作、1670年代、キャンヴァス、油彩
- 『風景』 徳川慶喜作、1867年-77年(明治初期)頃、紙、油彩
- 『ルーアンのセーヌ川』 クロード・モネ作、1872年、キャンヴァス、油彩
- 『家畜番の少女』 ポール・ゴーギャン作、1889年、キャンヴァス、油彩
- 『巨岩海浜図』 川村清雄作、1912年-26年(大正期)頃、板、油彩
- 『ラ・クロッシュ』 佐伯祐三作、1927年(昭和2年)、キャンヴァス、油彩
- 『種子静物』 曽宮一念作、1934年(昭和9年)、キャンヴァス、油彩
彫刻
- 『考える人』 オーギュスト・ロダン作、1902年
- 『地獄の門』 オーギュスト・ロダン作
- 『フギット・アモール』 オーギュスト・ロダン作
- 『オヴィリ』 ポール・ゴーギャン作
その他
- 山背国愛宕郡天平四年計帳残巻(重要文化財)
- 写経奉請状(天平勝宝四年四月)(重要文化財)
- 後嵯峨上皇幸西園寺詠翫花和歌并序(唐紙)(金沢文庫本)(重要文化財)
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他館との連携による企画展
- 2001年(平成13年)
- 2002年(平成14年)
- 4月17日~5月30日、遥かなるイスタンブール「大トルコ展ー文明と美術」サドベルク・ハヌム美術館所蔵。古代アナトリアからギリシャ、ローマ文明を経てセルジュク朝、イスラム文明へと続く7000年におよぶトルコの文明と美術を紹介。
- 6月8日~7月14日、開山夢窓国師650年「大本山相国寺・金閣・銀閣秘宝展」。歴史をもつ相国寺と金閣寺、銀閣寺に伝わる寺宝から、国宝1件、重要文化財18件、重要美術品3件をふくむ優品94点を公開した。
- 10月27日~12月8日、ケルン市立ヴァルラフ・リヒャルツ美術館、コルブー財団所蔵「印象派のあゆみ」展。ドイツのケルン市立ヴァルラフ・リヒャルツ美術館コルブー財団所蔵品から、印象派前後の作品を選び、出品した。
- 2003年(平成15年) 5月27日~7月10日、「神秘の王朝マヤ文明展」。科学的検証と考古学的成果に基づく最新のマヤ文明の全体像を披露するものである。
- 2004年(平成16年)
- 1月2日~2月15日、「ローマ散策PartII ピラネージのみた夢」展。ピラネージの全画業を包括的に紹介しようとするものではなく、彼が終生抱き続け、描き続けた「ローマというイメージ」を抽出しようという試みであった。
- 4月24日~5月30日、「よみがえる中国歴代王朝展」至宝が語る歴史ロマン、殻から宗まで。全国各地を巡回する展覧会で、当館が立ちあがり館となった。
- 6月22日~8月15日、印象派への道「イタリアの光景1780-1850」展。18世紀後半から19世紀中頃、言い換えれば新古典主義からロマン主義を経て印象派へと向かうヨーロッパで、急激に広まったこの美術現象に着目し、その全体像を主要作家によって紹介するものだった。
- 2005年(平成17年)
- 2006年(平成18年)
- 2007年(平成19年)
- 2009年(平成21年) 4月11日~5月15日、「よみがえる黄金文明展、ブルガリアに眠る古代トラキアの秘宝」。古代史に新たに登場してきたトラキア王国の文明を、ソフィア考古学博物館をはじめブルガリア国立博物館群のコレクションで紹介したものである。
- 2010年(平成22年)
- 2011年(平成23年)
- 2012年(平成24年) 8月9日~9月30日、「ユベール・ロベール」展。国立西洋美術館と連携し、フランス・ヴァランス美術館のコレクションを活用して、日本初の回顧展を開催した。
- 2013年(平成25年)
- 2月9日~3月27日、「維新の洋画家、川村清雄」展。東京都江戸東京博物館との共同企画。同館に収蔵された川村家資料と日本各地の美術館が所蔵する清雄作品を中心に、川村清雄の生涯と画業をたどる展覧会である。
- 7月13日~8月25日、「夏目漱石の美術世界」展。東京芸術大学大学美術館および広島県立美術館との共同企画巡回店。漱石は漢詩の優れた素養を背景に多くの南画山水を描いている。これら漱石自筆の絵画から、漱石が描いた理想の境地に迫った。本展は、美術館連絡協議会から「2013年美連協奨励賞」を受けた。
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利用情報
- 開館時間/火曜~日曜日/午前10時~午後5時30分(入館は午後5時まで)。
- 夜間開館/8月の土曜日/午後8時まで(入館は午後7時30分まで)。
- 休館日/毎週月曜日(月曜日が祝日・振替休日の場合は開館し、翌日休館)、年末年始、その他展示替等のための休館日(美術館の休館日を参照)。
- 収蔵品展観覧料/観覧料一般300円(団体200円)、大学生以下・70歳以上の方は無料。
- 施設利用料/県民ギャラリー(午前10時~午後5時30分)・入場料を徴収する場合・県民ギャラリーA 17,050円、県民ギャラリーB 12,850円、入場料を徴収しない場合・県民ギャラリーA 11,350円、県民ギャラリーB 8,550円。講堂・午前(午前10時~午後0時30分)7,650円、午後(午後1時~午後5時30分)13,800円、全日(午前10時~午後5時30分)21,450円。
交通アクセス
脚注
関連項目
関連文献
近隣施設
外部リンク
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