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ちょっとだけエスパー
テレビ朝日系列のテレビドラマ ウィキペディアから
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『ちょっとだけエスパー』は、2025年10月21日から12月16日までテレビ朝日系「火曜9時枠の連続ドラマ」枠にて放送された野木亜紀子脚本によるテレビドラマ[1]。主演は大泉洋[1]。
人生を詰んだサラリーマンが「ちょっとだけエスパー」になり、「人を愛してはならない」というルールのもと世界を救うSFラブロマンス。
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制作背景
- 企画
- 本作の企画は2021年夏、脚本家・野木亜紀子とプロデューサー・貴島彩理の共同発案によりによって正式に動き出した。両者は2016年の出会い以降、年に数回の頻度で「ドラマを語る会」を続けており、長年の交流の中で温めてきた「いつか一緒にドラマをつくる」という構想が結実したものである[2]。
- 野木は幼少期から『童夢』『AKIRA』『帝都物語』など超能力・SF作品に親しんでおり、「いつかSFを書く」という長年の願望も本作で実現することとなった[3]。
- 最初期では野木が「魔法使いもの」、貴島が「忍者もの」を志向しており、その折衷として「エスパーもの」に収束した[2]。野木はかつてTBSに「魔法使いもの」を打診したが採用には至らず、貴島とのタッグこそが「突飛な企画に踏み出す機会」だったと述べている[2]。
- 多くのキャラクターの命名は貴島が担当し、野木は「気に入らなければ変える」という条件で任せたが、結果的には兆以外ほぼすべて採用された[4]。なかでも「円寂」という名前は野木自身も驚いたが、高畑淳子演じる人物像との調和を感じ、彼女が自らつけた「仏名」として後付け設定が生まれた[4]。こうした名前から逆算する形でキャラクター像が深まり、物語の輪郭がより豊かになっていったという。
- キャスティング
- 2021から2022年の間に物語の大枠が固まり、大泉洋主演で企画され、「エスパーが出てくるSFラブロマンス」という突飛な企画であったが、メインキャスト7人は企画書の段階で出演を引き受けている[2]。
- 脚本・構成
- 脚本を書き出す前にメインキャストが確定していたことから、本作では当て書きが行われた[2]。
- 日本の地上波ではSFが馴染みにくい点を踏まえ、「ゆったりと始まり、徐々にSF度を上げる」構成が採用された[4]。また、同時期に「神様」「宇宙人」を題材とする他局ドラマが続いたため、題材の重複を避けつつ慎重に制作が進められた[3]。野木はマーベルのような海外大作との比較に否定的で、「日本らしいスケール感」を志向し、「少しだけ特別な力」を持つ主人公像は大泉洋の提案も反映されている[5]。作品の核となるSF設定「物体は時を越えられないが、データは送れる」も2021年段階で定まり、タイムリープやパラレルワールドとは異なる日本独自のSFを目指した[4]。
- 全9話構成は野木にとって初の試みであり、当初は10話想定の癖で執筆が進んだため、6話時点で内容過多となり大幅な再構成が行われた。四季の能力発現タイミングも3話案から4話へ変更されるなど、作品全体の「呼吸」を整えるための調整が続けられた[2]。
- 制作
- 制作体制においては、「安っぽいCGは嫌だ」という野木の要望が初期段階から共有され、超能力描写も可能な限り実撮ベースで成立させる方針が徹底された[4]。地上波ドラマの予算的な制約とのせめぎ合いのなかで、監督陣・プロデューサー陣・脚本が密に調整し、表現可能なラインを模索し続けたという[4]。その一方で、「アイデアや工夫は費用に左右されない」という信念のもと、「小さな能力で小さな依頼をこなす」構造を作品の骨格に据え、藤子・F・不二雄の「少し不思議(SF)」の精神を継ぐ姿勢が追求された[3][5]。
- 野木は本作を「世界の片隅に生きる人々の悲喜こもごもを描きつつ、軽やかなドラマにしたい」と述べており、大泉も多様なキャストの関係性とSF要素の深化が「視聴者の思考と想像を喚起する」と評している[3]。
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あらすじ
要約
視点
→詳細は「§ エピソードリスト」を参照
各話冒頭のタイトルバックで英文が浮かび上がり、その回のあらすじが提示される[注 1]。
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キャスト
要約
視点
Bit5
ちょっとだけエスパーが発現した5人。
- 文太(ぶんた)〈47〉
- 演 - 大泉洋[1](幼少期:宮宇地怜央[6])
- 会社の金を横領して解雇され、家族も金も全てを失ってネカフェ難民になった男。
- 「ノナマーレ」の最終面接でEカプセルを飲み、世界を救う仕事に就く。
- Eカプセルを服用し「触れた相手の心の声を聞ける」エスパー能力が発現する。
- 四季(しき)
- 演 - 宮﨑あおい[7]
- 「ノナマーレ」の社宅で文太の妻として同居することになる女性。クリーニング店「小林ランドリー」勤務。
- 本当の夫を事故で亡くしたことが受け入れられず、文太を夫だと思いこんでいる。
- ノナマーレの社員ではなかったが、誤ってEカプセルを服用して「吹っ飛ばし系」エスパー能力が発現したため、文太からエスパー、世界を救うミッションのことを明かされる。
- 桜介(おうすけ)
- 演 - ディーン・フジオカ[8]
- 社員。なでると花を咲かせる花咲か系能力を持つエスパー。生花店「フラワー桜屋」経営。
- 半蔵(はんぞう)
- 演 - 宇野祥平[9]
- 社員。少しだけ動物と会話ができる能力を持つエスパー。
- 円寂(えんじゃく) / カオル[10]
- 演 - 高畑淳子[9]
- 社員。念じるとほんのり暖かくなるレンチン系能力を持つエスパー。社宅の管理者でもある。
ノナマーレ
Young 3
その他
ゲスト
第1話
- 面接受験者
- 演 - 中村碧十[18]、石田智輝[19]、竹内黎[20]
- 「ノナマーレ」の就職面接を受ける若者たち。
- 面接官
- 演 - 逢川大樹[21]、山中良弘[22]
- 「ノナマーレ」の就職面接官。
- 鈴木琢磨
- 演 - ベンビー[23]
- ミッション52「夜まで傘を持たせる」のターゲット。ミッションの成功で、借金を返済した。
- 佐藤満
- 演 - 宮川太一[24]
- ミッション53「目覚まし時計を5分早める」のターゲット。ミッションの成功で、昇進が決まる。
- 高橋健作
- 演 - 大村わたる[25]
- ミッション54「スマホの充電を14時までにゼロにする」のターゲット。ミッションの成功で、結婚が決まる。
- アナウンス[注 2]
- 声 - 森岡優菜[注 3][26]
- 「ノナマーレ」の留守番電話の音声案内。
- 男性
- 演 - 針原滋[27]
- 立ち食いソバ屋の客。「ここはカレーがいまいち」と心の中で思っている。
- 丸顔の男、眼鏡の男、ジャケットの男
- 演 - プリティ望[28]、もりりょう[29]、日下部十也
- 「明日から痩せるぞ」、「猫吸いたい」、「あの株絶対上がる」と心の中で思っている立ち食いソバ屋の客たち。
- 信号待ちの男、腕時計を見る男
- 演 - 中津川巧[30]、ミルクティ圭介[31]
- 「青信号って緑だよな」、「変わったらダッシュ」と心の中で思っている。
- 傍の男、すれ違った男、すっころんだ男
- 演 - 丸藤慶治[32]、田櫓祐二[33]、児玉純一[34]
- 「俺のひげ気持ちいい」、「腹減った」、転んで「うわ!恥っ!」と心の中で思っている。
- 店員
- 演 - 小原澤遼典[35]
- 店頭で居酒屋のビラを配りながら「しんどい」「死にたい」と心の中で思っている。
- スーツの男
- 演 - 武末志朗
- 「頭下げて何やってんだろう」と心の中で思っている。
第2話
第3話
- 瑞希
- 演 - 徳永えり[38](第4話・第8話)
- 桜介の元妻、紫苑の母。
- 陣内
- 演 - 阿部亮平[39]
- 桜介の昔の仲間。更生して漁師になった桜介の元に現れ悪事に巻き込もうとするが、家族を守ろうとした桜介に殺される。
- 良雄
- 演 - 東康仁
- 瑞希の再婚相手、紫苑の養父。
- 上杉、下川
- 演 - 伊藤圭吾[40]、渡辺優哉[41]
- 紫苑の高校の友人。
- 夏祭りの世話役
- 演 - 安藤彰則(役名:蛸村)、鈴木理学(役名:蕎麦山)[42]、三村伸子[43]、倉金春[44]
- 夏祭りの運営本部テントで談笑しているところ、文太に「爆発が起きるので全員避難させよう」と言われるが、笑って取り合わない。
- 遠藤
- 演 - 小橋川嘉人[45]
- 縁日の神社の裏で大きな鞄を持つ、黒づくめの不審な男。お祭りの景品を窃盗していた。
- 法被の男
- 演 - 城戸光晴[46]
- 文太たちが捕まえた遠藤を取り押さえる。
- コウタ、コウタの父
- 演 - 渡辺雄大[47]、根本明宏[43]
- 縁日で父とはぐれて迷子になった男の子とその父親。
- ホームレス
- 演 - たんぽぽおさむ[48]、蜂谷英昭[49]
- 夜の公園でりんご飴をかじる円寂を囲み、焼きそばなどを食べる。
第4話
第5話
第6話
第7話
第9話
- 村上初城
- 演 - 辻義人[64]
- 辰峰建設の現場責任者。コスト削減と納期短縮のため強度不足のボルトを使い、クリスマスマーケットの天井にLEDパネルを設置する。
- そのため、2025年12月24日にクリスマスマーケットでLEDパネル落下事故が発生し、34人が死亡。日本中から事故の責任を追及され、自殺する。
- アナウンサー
- 演 - 舘谷春香[65]
- 年明けのニュース番組で、クリスマスマーケットでのLEDパネル落下事故を報じる。
- 場内アナウンス
- 声 - 村杉明彦
- クリスマスマーケットの場内アナウンス。
- ノナマーレ社員
- 演 - 一之森有香[66]
- クリスマスマーケットに特別ミッション「3人(市松、九条、紫苑)をクリスマスマーケットから出さない」で召集される。
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スタッフ
用語
- ノナマーレ
- エスパーが世界を救うためのミッションを遂行する会社。社員は正体を知られてはいけない、NON AMARE(人を愛してはならない)。
- Extra-Sensory Perception(ESP)
- 超感覚的知覚。兆曰く、文太たちの能力は超能力とは少し違い、兆はエスパーと呼んでいる。発現する能力の内容は本人の資質次第。
- Eカプセル
- 服用することでエスパー能力が発現するカプセル。薬の効果がなくなると、エスパーを失う。能力失うとノナマーレを自動的に解雇され、二度の発現はない。
- ディシジョンツリー
- 光る巨大な木の形をした世界を現すビッグデータ。出来事同士の因果関係を表し、出来事が互いに結びつき、過去から現在、未来へと世界を形作る様子を表している。
- ミッション
- 世界の分岐点への介入。積み重ねることでジャンクションが作り上げられる。
- ジャンクション
- 世界の分かれ道。ディシジョンツリーの分岐点。
- ナノ・レセプター
- ガラス瓶に入れられた流動する銀色の液体。この液体を飲むことで電力をエネルギー源にデータを受信できるようになり、未来の記憶が脳の奥深くにインストールされる。
- ホロ・リンク・コミュニケーター
- 過去と未来を繋ぎ立体映像を過去に投影する技術。視野角前方120度。コミュニケーターを介して手に入れた過去の情報は、未来まで届けられる。
- たこっぴ
- 文太と四季が住むノナマーレの社宅1階の元たこ焼き屋。設備が残っており、文太たちの仕事の打ち上げやタコパ(たこ焼きパーティー)で使われている。
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エピソードリスト
- 初回は21時 - 22時の6分拡大放送。
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脚注
外部リンク
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