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イギリスにおける2019年コロナウイルス感染症の流行状況
イギリスにおける新型コロナウイルス感染症の流行状況および対策、対応 ウィキペディアから
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イギリスにおける2019年コロナウイルス感染症の流行状況(イギリスにおける2019ねんコロナウイルスかんせんしょうのりゅうこうじょうきょう)では、イギリス(グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国)における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行状況について述べる。
2020年9月にイギリスで発見され[2]、これまでの新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)より感染力が高いとされる変異株(B.1.1.7)により、同年12月中旬以降、感染が再び急速に拡大している[3](変異株については後節も参照)。2021年1月26日時点で死者数は10万人を超え(世界で5カ国目)[4]、感染者数も350万人以上にのぼっている(この時点では世界で5番目に多くロシアの感染者数に迫っていた)[5][6]。
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感染者数
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感染の拡大
要約
視点
イギリス本土
2020年1月31日、イギリス国内で家族2人の感染が確認された[10]。
2月6日、新たに1人の感染が確認された[11]。
2月9日、フランスで見つかった5人のイギリス人感染者の接触者1人がイギリス国内で感染を確認された[12]。
2月10日、新たに4人の感染が確認され、全員はスーパースプレッダーにより感染したとみられる[13]。
2月12日、ロンドンで新たに1人の感染が確認された[14]。
2月23日、ダイヤモンドプリンセス号から帰国した乗客のうち、4人の感染が確認された[15]。
2月27日、イタリアへの渡航歴のあるイングランド住民1人と、スペインのテネリフェ島への渡航歴のあるイングランド住民1人、ダブリン経由で北イタリアから帰国した北アイルランド在住女性1人の感染が確認された[16][17][18]。
2月28日、イタリア北部から帰国したウェールズ在住者、イランからイングランドに入国した2人ともう1人の帰国者の感染が確認された[19][20][21]。
2月29日、イタリアから帰国した2人とアジアから入国した1人の感染が確認された[22]。
3月1日、国内で感染者と接触した3人、イタリアから入国した6人、イランから入国した2人、エセックス州で感染源不明の1人、スコットランドのテイサイド地域でイタリア北部から帰国した1人の感染が確認された[23][24]。
3月2日、ケント州・ハートフォードシャー州・デヴォン州でイタリアから帰国した4人の感染が確認された[25]。
3月3日、新たに9人の感染が確認された[26]。
3月4日、スコットランドでグランピアン在住の1人、エアシャー在住の1人、イングランドで29人の帰国者と3人の国内接触者、北アイルランドでイタリア帰国者1人と国内接触者1人の感染が確認された[27][28][29]。
3月5日、スコットランドでフォースバレー在住の1人、グラスゴー在住の1人、グランピアン在住の1人、イングランドで25人、ウェールズでイタリア北部から帰国した1人の感染が確認された[30][31][32]。同日、バークシャー州で高齢者1人が死亡[33]。
3月6日、スコットランドの5人、北アイルランドの1人を含む48人の感染が確認された[34][35][36]。また、ミルトン・キーンズで1人が死亡[37]。
3月7日、スコットランドの5人、北アイルランドの3人を含む43人の感染が確認された[36][38][39]。
3月10日、保健大臣ナディーン・ドリーズの感染が確認された[40]。
3月15日、ロンドン在住のウクライナ系フランス人女優オルガ・キュリレンコ[41]の感染が確認された。
ジブラルタル
チャンネル諸島
ガーンジー
ジャージー
2020年3月10日、王室属領ジャージー代官管轄区でイタリア北部から帰った1人の感染が確認された[46][47]。
3月11日、イタリア北部から帰った1人の感染が確認された[48]。
3月20日、10人の感染が確認され、うち2人は島内で感染したとみられる[49][50]。
3月24日までに16人の感染が確定[51]。
ケイマン諸島
2020年3月12日、2月29日にクルーズ船でケイマン諸島に到着したモデナ在住の69歳イタリア人男性の感染が確認された。3月14日、当該男性が死亡[52]。
3月20日、最初の感染者と接触した医療関係者2人の感染が確認された[53]。
モントセラト
マン島
バミューダ諸島
タークス・カイコス諸島
2020年3月23日、1人の感染が確認された[57]。
イギリス領ヴァージン諸島
2020年3月25日、同月15日にヨーロッパ旅行から帰国した56歳男性と、ニューヨークで感染者と接触した後、同月10日に帰国した32歳男性の感染が確認された[58]。
アンギラ
フォークランド諸島
アクロティリおよびデケリア
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イギリス政府の対応
要約
視点
→「COVID-19の検査 § イギリスの検査体制」も参照
2020年3月12日、ボリス・ジョンソン首相は、イングランド主席医務官と政府首席科学顧問と並んで会見し「私たちの世代が経験する公衆衛生上最悪の危機だ」と宣言した[63]。パトリック・ヴァランス政府首席科学顧問はもはや感染を止めるのは不可能なので、感染のペースをゆっくりとし集団免疫(免疫を持つ人が増え、感染を防ぐようになること)を獲得すると明言した[63]。イギリスの基本戦略は、「封じ込め」フェーズから感染のピークを遅らせて山を低くする「遅延」フェーズに移行するとするもので、具体的に以下の対策をアドバイスしている[63]。
- ハッピーバースデーを2回歌いながら石鹸と温水で手を洗う
- 熱や咳の症状がある人は1週間自宅で自己隔離
- また家族全員を自宅で隔離
- 新型コロナウイルスに脆弱な高齢者をケア→死亡率を20 - 30%削減
- 集団免疫を獲得するまで先は長いので今からあまり頑張りすぎない
- 海外への修学旅行の中止や基礎疾患のある人のクルーズ船旅行の自粛も要請
- スポーツイベントなど大規模な集会より感染リスクが高いのは密閉空間での密接な会合
また、今封じ込めすぎて感染のピークがNHS(国民保健サービス)の繁忙期である冬にやって来ると大変なので一番暇な夏に来るようにコントロールする目標も示した。最悪シナリオの罹患率はドイツの70%を上回る80%に設定して実行計画を立てるとした[63]。
科学者の反対声明
3月14日、イギリスの数理学者・遺伝学者・生物学者・物理学者らは「社会距離戦略を速やかに実施する公開要求 (PDF) 」を発表し、今のイギリス政府より厳しい「社会距離戦略」を速やかに実施すれば、国内の感染拡大を劇的に遅らせ、数万人の命を救うことになると主張した(3月16日まで501人が共同署名)[64][65]。政府の対応は不十分で、他国のように「今より厳しい追加の規制措置をただちに実施」するよう求め、また現時点で『集団免疫』を追求するのは、有効な選択肢ではないとした[64]。
バーミンガム大学のウィレム・ファン・シャイク教授(微生物学)は、集団免疫の効果を目指すには、イギリス国内だけで少なくとも3600万人が感染し回復しなくてはならないとし、その人的コストの予測は不可能で、「控え目に見ても数万人、場合によっては数十万人が死亡する」とし、「NHSがパンクしてしまわないよう、数百万人の感染が長期間にわたり散発的に起きるように流行期間を引き伸ばすしかない」と述べた[64]。
イギリス保健省は、サー・パトリックの発言が誤解されていると反論し、「集団感染は、我々の行動計画ではなく、感染症流行の自然な副産物だ。人命を救い、最も弱い立場の人たちを守り、NHSの負担を軽減することが、私たちの目標だ」とし、「感染対策はすでに封じ込めフェーズを過ぎて、感染拡大を遅らせる段階にきている。そのため専門家チームが昼夜を問わず対策に取り組んでいる。私たちが導入した、あるいはこれから導入するすべての施策は、最高の科学的エビデンス(証拠)に基づくものだ」「今後数カ月の間に国内の免疫力がどういうレベルになるか、予測できている。その結果、可能な限り正確かつ効果的に、対応を確実に策定し実施できる」と反論した[64]。
方針転換
緩和策を取ると約25万人が死亡し、国民保健サービス (NHS)が破綻するだろうというインペリアル・コレッジ・ロンドンの予測を受け、イギリス政府は「緩和」から「封じ込め」へと方針を転換した[66]。カフェやパブ、レストランを3月20日夜から閉鎖するよう指示し、ナイトクラブ、劇場、映画館、ジムなどには「できるだけ早く」閉鎖するよう指示した[67]。
ジョンソン首相は3月23日の夜に国民向けにテレビ演説を実施し、外出禁止措置を発動すると発表した。生活必需品の購入などを除き外出は禁じられ、警察が違反者に対して罰金を含む対応を行う[68]。
一斉休校
イギリス政府は当初一斉休校(学校閉鎖)を行わないとしていたが、その理由についてヴァランス顧問は休校の効果は13〜16週間以上の期間が必要になるが、「子供に友達と会ってもダメ、おしゃべりしてもダメと言っても実行できる可能性はゼロである」と述べた[63]。しかし、3月18日になって20日より一斉休校を実施する方針に転換している[69]。
制限緩和
5月13日、緩和の第1段階として自宅勤務できない人々の出勤が始まった[70]。
再度外出制限を発令
秋に入り感染者が再び急増したのを受けて、イギリス政府は11月5日よりイングランドの全域で外出制限措置に踏み切ると発表した[71]。
ロンドンにおける重大インシデントの発出
2021年1月8日、新型コロナウイルス変異株(後節参照)が国内で制御不能となったとして、特に感染状況の酷いロンドンに対して『重大インシデント』を宣言した[72]。
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2020年12月からの変異株の発生
2020年9月にイギリスで発見され、これまでの新型コロナウイルスより感染力が高いとされる変異株(B.1.1.7)により、同年12月中旬以降、感染が再び急拡大している[2][3][4]。
ジョンソン首相は2021年1月22日の記者会見で、変異株は感染力だけでなく死亡率も高い可能性があると述べた[5][73]。パトリック・バランス主席科学顧問は統計値を示した上で、さらなる分析が必要と述べた。これに対して、WHOのファンケルクホーフェは医療機関の状況悪化が死亡率に影響した可能性をあげた。また、発表された数値では有意差があるとは判断できないとする意見もある[74]。
社会・経済への影響
→詳細は「2019年コロナウイルス感染症による社会・経済的影響 § イギリス」を参照
脚注
関連項目
外部リンク
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