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イヌ型亜目

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イヌ型亜目
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イヌ型亜目(Caniformia)は、食肉目を構成する2亜目のうちの一つで、ネコ型亜目姉妹群である。イヌ亜目[3]イヌ様亜目とも称す[4]

概要 イヌ型亜目, 地質時代 ...

イヌ下目(化石種・現生種ともイヌ科のみ)のイヌ科、および、クマ下目に属する複数の動物群(イタチ上科クマ科鰭脚類)が現生する。

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呼称

学名 Caniformiaラテン語: canis 「犬」+ forma 「型」に由来する合成語。

日本語では、学名の直訳に近い「犬形類(けんけいるい、いぬけいるい)」や「犬形獣類(けんけいじゅうるい、いぬけいじゅうるい)」といった呼称があり、亜目 (subordo) の名としては「犬形亜目」および「犬形獣亜目」があるほか、一般的に最もよく用いられる「イヌ亜目」、そして、「犬亜目(けんあもく)」がある[要出典]

特徴

ネコ型亜目との特筆すべき差異は、中耳を覆う骨化した鼓胞が主に内鼓室骨で構成されている点である。ネコ型亜目では基盤的哺乳類において鼓膜を支持していた輪状の骨である外鼓室骨で主に構成されている一方、イヌ型亜目の内鼓室骨はイヌ亜目において初めて獲得された骨である[5]

進化史

イヌ型亜目の下位分類群であるイヌ科アンフィキオン科クマ科イタチ上科の最古の化石記録は古第三紀の後期始新世まで遡ることができる。イヌ科は北アメリカ大陸を中心に進化し、特にイヌ亜科鮮新世以降に本格的に他の大陸へ進出した。そのころには既に食肉目も衰退しており、北半球で繁栄したアンフィキオン科も中新世に多様化を遂げた。イタチ科が多様化したのも中新世以降である[5]

イタチ類と共にイタチ小目をなす鰭脚類の起源は明確に判明していないが、後期漸新世と考えられている。前期始新世ごろにアンブロケトゥスなど初期のクジラ類の占めていた沿岸域の動物食性動物のニッチ(生態的地位)が漸新世には空白となっていたため、その空白を埋めるように進化した[5]

なお、後期始新世の北アメリカからはバリクティスアンフィキノドン亜科)が発見されているが、アンフィキノドン亜科をクマ科に含めない見解もあり、その場合にはクマ科の最古の化石記録は前期漸新世ケファロガレヘミキオン亜科)となる。報告されているクマ科の他の属種は前期中新世以降のものであり、クマ科はイヌ亜目の中でも新しいグループになる[5]

系統分類

上位分類

下位分類

アンフィキオン属en)に代表される絶滅したアンフィキオン科は、イヌ下目 (Cynoidea) とクマ下目 (Arctoidea) に先行する原始的グループであり、進化上重要な分岐位置にある分類群。クマ下目に分類される場合もある。

イヌ下目の下位分類には、現在のところ、イヌ科のみが置かれている(※よって、「イヌ下目」の該当項目は省略されている)。

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既知で最古のイヌ亜目、ダフォエヌス属en始新世の北米に棲息)の全身骨格化石標本
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イヌ亜目の進化史上に重要な位置を占める、アンフィキオン属en漸新世- 中新世の北米およびユーラシア全土に棲息)

系統図

イヌ亜目の下位分類群の進化系統を示す。 は「絶滅」の意。

イヌ型亜目

アンフィキオン科 Amphicyonidae

イヌ下目 Cynoidea - イヌ科 Canidae

クマ下目
クマ上科

ヘミキオン科 Hemicyonidae

クマ科 Ursidae

Ursoidea
イタチ上科

レッサーパンダ科 Ailuridae

スカンク科 Mephitidae

アライグマ科 Procyonidae

イタチ科 Mustelidae

Musteloidea
鰭脚類

エナリアルクトゥス科 Enaliarctidae

アザラシ科 Phocidae

アシカ科 Otariidae

セイウチ科 Odobenidae

Pinnipedia
Arctoidea
Caniformia
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脚注

出典

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