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イルクーツク

ロシアの都市 ウィキペディアから

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イルクーツクロシア語: Иркутск, ラテン文字転写: Irkutsk イルクーツクブリヤート語モンゴル語: Эрхүү, ラテン文字転写: Erhüü)は、ロシアシベリア連邦管区の都市。人口は61万7264人(2021年現在)で、イルクーツク州の州都である。モンゴル国境から約300km北に位置する。バイカル湖西岸内陸にあたり、イルクート川とバイカル湖から流れ出るアンガラ川(どちらもエニセイ川の支流)の合流地点の右岸に位置する。

概要 イルクーツク Иркутск, 位置 ...

シベリア鉄道が通り、ロシア極東地域ウラル中央アジアをつなぐシベリア東部の工商および交通の要衝である。ロシア正教会の大主教座が置かれ、劇場や図書館などの文化施設も充実している。また、街並みの美しさから「シベリアのパリ」と呼ばれることもある[2]

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歴史

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イルクーツクの伝統的家屋
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ボゴヤヴレーニエ大聖堂

1652年コサックの一隊が毛皮をとるためにアンガラ川の河畔に設けた宿営地を起原とし、1686年に市としての勅許を得た。

古くから毛皮の集積地中国タシュケントとの国境交易の基地として使われてきた。18世紀末にイルクーツクに一時滞在した日本人・大黒屋光太夫は、中国、朝鮮・満州などの人が交易におとずれ繁華な土地であると述べている[3]

また、ロシア中央から囚人政治犯の送られる流刑地でもあり、1825年にはデカブリストの乱を起こした貴族たちはイルクーツクに流された。1863年にはポーランド立憲王国で反ロシア蜂起(一月蜂起)が起き、蜂起の参加者たちがイルクーツクに流された。市内にあるゴシック様式レンガ造りの教会は流刑にあったポーランド人たちが建設したカトリック教会である。

シベリアへのキリスト教宣教の拠点でもあり、イルクーツクのインノケンティロシア語版は、正教会では「イルクーツクの奇跡者聖インノケンティ」として聖人とされる。1898年にはシベリア鉄道がイルクーツクまで開通し、1904年ウラジオストクまで延伸された。

日本との関係も深く、最初にロシアを訪れた日本人である伝兵衛1701年にイルクーツクに滞在したのを皮切りに、多くの漂流者がこの地に永住し、前述のとおり大黒屋光太夫もこの街に往路・復路ともに滞在している。1705年、伝兵衛を教師としてサンクトペテルブルクに創設されたロシア最古の日本語学校が1753年にイルクーツクに移設され、日本から漂流し、ロシアに帰化した者たちが教鞭をとっていた。

シベリア出兵が当地まで及んだほか、 第二次世界大戦後には第32収容地区(ラーゲリ)が設置され、日本人のシベリア抑留の対象地のひとつとなった。過酷な生活と労働を通じて倒れた犠牲者の日本人墓地が作られた[4] ほか、抑留者による労働で建設された建物が残る。また、イルクーツク市は1967年3月20日以来、石川県金沢市姉妹都市協定を結んでいる。そのため、市内には「金沢通り」という名前(ロシア語日本語表記とが看板で併記)の通りがある。

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交通

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イルクーツク旅客駅

市の中心部分(旧市街)はアンガラ川の右岸(東側)にあり、そこからアンガラ川を跨ぐ橋を通り対岸にシベリア鉄道イルクーツク旅客駅がある。市内はバス、路面電車(イルクーツク市電)、タクシーなどが利用できる。

主要道路にはシベリア横断道路がアンガラ川左岸にあり、東へはチタまでがM55幹線道路、西へはノヴォシビルスクまでがM53幹線道路と呼ばれている。また、アンガラ川の舟運も利用でき、下流へはブラーツクまで、上流はリストヴャンカを経てバイカル湖上の各地へ通じている。

空港イルクーツク国際空港がある。市街地と空港の間にはトロリーバス4号線が運行されている。

教育

次のような大学がある[5][6]

また、以下の大学もあったが、2016年に高等教育制度改革の一環でイルクーツク国立大学に合併された。

観光

気候

要約
視点

大陸性気候ケッペンの気候区分では亜寒帯冬季少雨気候に属する。1月の月平均気温は-17.6℃で、極東のハバロフスク等よりは高く、また近隣のバイカル湖東岸のウラン・ウデに比べると、はるかに温暖である。7月の月平均気温は19.0℃で30℃を超える日も珍しくない。過去最高気温は1915年7月の37.2℃、過去最低気温は1915年1月の-49.7℃である。近年は温暖化が顕著。

さらに見る イルクーツク (1991年–2020年)の気候, 月 ...
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姉妹都市

脚注

外部リンク

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