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シリア文字 (Unicodeのブロック)

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シリア文字(シリアもじ、英語: Syriac)は、Unicodeの14個目のブロック

概要 範囲, 面 ...

解説

中東に位置するシリアアラム系民族の間でかつてシリア語の表記に用いられていたシリア文字を収録している。現在のシリアはアラビア語話者のムスリムイスラム教徒)が多数派を占めているが、現在もシリア国内の少数派であるキリスト教徒のアラム人が聖典言語として使用するシリア語や、トルコなどに居住するするアラム系民族の間でアッシリア現代アラム語トゥロヨ語、キリスト教徒の話すアラビア語の方言の一つであるガルシュニ英語版南インドで話されれるマラヤーラム語の一部の表記法などにおいてシリア文字が用いられている。

シリア文字は音素文字のうち、アラビア文字と同様に子音のみを記すアブジャドで、書字方向もアラビア文字と同じく右から左へと横書き(右横書き)する。アラビア文字と同様に、単語の語中の位置によって独立形、語頭形、語中形、語末形の4つの形に変化する。なお、文字の語内位置による字形変化を説明する場合はゼロ幅接合子(U+200D; ZWJ)を用いることで、その字形を表現することができる。例えば字母alaph(U+0710 ܐ)の語中形は‍ܐ‍U+200D U+0710 U+200Dの形で表すことができる

なお、シリア文字には大きく字形の異なる3種類の書体(エストランゲロ体、ネストリウス体或いは東方体、セルトー体)が存在するが、Unicode上はこれらを区別せず同一の符号位置に統合されている。

本ブロックはUnicodeのバージョン3.0で初めて追加された。

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収録文字

要約
視点
さらに見る コード, 文字 (独立形) ...
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小分類

このブロックの小分類は「シリア文字の約物及び記号」(Syriac punctuation and signs)、「シリア文字の制御文字」(Syriac format control character)、「シリア文字字母」(Syriac letters)、「ペルシャ語用の文字」(Persian letters)、「シリア文字の母音記号」(Syriac points (vowels))、「シリア文字の結合記号」(Syriac marks)、「ソグド語用の文字」(Sogdian letters)の7つとなっている。[1]

シリア文字の約物及び記号(Syriac punctuation and signs

この小分類にはシリア文字の約物と記号類を収録している。いずれも文字幅を持つ(前進を伴う)文字である。

シリア文字の制御文字(Syriac format control character

この小分類にはシリア文字のレンダリングに必要な制御文字1文字のみを収録している。

シリア文字字母(Syriac letters

この小分類にはシリア文字の基本的な字母を収録している。

ペルシャ語用の文字(Persian letters

この小分類にはシリア文字のうちペルシャ語の表記も用いられる拡張文字3文字を収録している。ベルリンのコレクションで発見されたペルシャ語の写本に含まれていた。[3]

シリア文字の母音記号(Syriac points (vowels)

この小分類にはシリア文字のうち聖書や初学者、初等教育用の教材で用いられる通常の文章では表記されない母音を明記するための結合用記号を収録している。

母音記号は西シリア方言と東シリア方言とで異なる記号体系が使われており、西シリア方言ではギリシャ文字由来の記号が、東シリア方言では独自のシンプルな点を用いた記法が使われていた。[3]

シリア文字の結合記号(Syriac marks

この小分類にはシリア文字のうち、母音記号以外の結合用記号を収録している。

ソグド語用の文字(Sogdian letters

この小分類にはシリア文字のうち、ソグド語の表記に用いられる文字を3文字収録している。

ソグド語は現在のウズベキスタンサマルカンド付近で話されていた言語であり、中華人民共和国新疆ウイグル自治区付近ではシリア文字を用いたソグド語の資料が見つかっている。[3]また、これらの拡張文字はペルシャ語の表記でも使用されていた。[3]シリア語では摩擦音と破裂音とが合流しており、両者の弁別を文字の上では行わないが、ソグド語やペルシャ語では明確に摩擦音と破裂音とを弁別していたため別々の文字が用意されている。

文字コード

シリア文字(Syriac)[1]
Official Unicode Consortium code chart (PDF)
 0123456789ABCDEF
U+070x ܀ ܁ ܂ ܃ ܄ ܅ ܆ ܇ ܈ ܉ ܊ ܋ ܌ ܍ SAM
U+071x ܐ ܑ ܒ ܓ ܔ ܕ ܖ ܗ ܘ ܙ ܚ ܛ ܜ ܝ ܞ ܟ
U+072x ܠ ܡ ܢ ܣ ܤ ܥ ܦ ܧ ܨ ܩ ܪ ܫ ܬ ܭ ܮ ܯ
U+073x ܰ ܱ ܲ ܳ ܴ ܵ ܶ ܷ ܸ ܹ ܺ ܻ ܼ ܽ ܾ ܿ
U+074x ݀ ݁ ݂ ݃ ݄ ݅ ݆ ݇ ݈ ݉ ݊ ݍ ݎ ݏ
注釈
1.^バージョン15.1時点

履歴

要約
視点

以下の表に挙げられているUnicode関連のドキュメントには、このブロックの特定の文字を定義する目的とプロセスが記録されている。

さらに見る バージョン, コードポイント ...
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出典

関連項目

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