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特定疾患
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特定疾患(とくていしっかん)とは、日本において 厚生労働省が実施する難治性疾患克服研究事業の臨床調査研究分野の対象に指定された疾患(2012年現在、130疾患)である。都道府県が実施する特定疾患治療研究事業の対象疾患(2009年10月1日現在、56疾患)は、国の指定する疾患については特定疾患から選ばれており、当事業の対象疾患をさして特定疾患ということもある。
![]() | この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。 |
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現在は、2014年(平成26年)に、難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)が成立し、特定疾患から指定難病に移行している。指定難病は現在341種類ある。 難病法における「難病」とは、「発病の機構が明らかでなく、かつ、治療方法が確立していない希少な疾病であって、当該疾病にかかることにより長期にわたり療養を必要とすることとなるものをいう。」と定義されている。
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概説
日本では、いわゆる難病の中でも積極的に研究を推進する必要のある疾患について、調査研究、重点的研究、横断的研究からなる難治性疾患克服研究事業を行っている。対象となる疾患は、厚生労働省健康局長の私的諮問機関である特定疾患対策懇談会において検討の上で決定される。
このうち、特に治療が極めて困難であり、かつ、医療費も高額である疾患について、医療の確立、普及を図るとともに、患者の医療費負担軽減を図る目的で、都道府県を実施主体として特定疾患治療研究事業が行われている。対象は2009年10月1日現在、56疾患。
特定疾患治療研究事業の対象疾患については、医療費の患者自己負担分の一部または全部について国と都道府県による公的な助成(公費負担医療)を受けることができる。
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難病の定義
要約
視点
元々難病とは、一般的に「治りにくい病気」や「不治の病」を指す一般用語である。
世界では、希少疾患(rare disease)や orphan disease(市場から忘れ去られた希少疾患ということで、孤児になぞらえて用いられる。日本語では希少疾患、難病などの語で代用することが多い)といった用語が使われており、直訳である intractable disease は、日本での難病を訳した形でのみ用いられている。
施策上の難病の定義は、1972年の難病対策要綱 (PDF) によると、
- 原因不明、治療方法未確立であり、かつ、後遺症を残すおそれが少なくない疾病
- 経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず介護等に著しく人手を要するために家庭の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾病
とされている。さらに「ねたきり老人、がんなど、すでに別個の対策の体系が存するものについては、この対策から、除外する。」と規定している。 さらに、2014年に成立した難病法により「発病の機構が明らかでなく、かつ、治療方法が確立していない希少な疾病であって、当該疾病にかかることにより長期にわたり療養を必要とすることとなるものをいう。」と定義された。
行政や医療の現場では「特定の疾患」を指して「特定疾患=難病」と俗称することもある。診療報酬明細書で「特定疾患」の表記が見られるが、本項で主に扱う「難治性疾患克服研究事業の臨床調査研究分野の対象に指定された疾患をさす」とは異なる。以下に、診療報酬上の定義を挙げる。
特定疾患療養管理料等に規定する疾患
特定疾患療養管理料は、厚生労働省が定めた疾患を主病とする患者に対し、治療計画に基づき、療養上必要な指導(服薬・運動・栄養等)を行った場合に月2回まで診療報酬として算定できる。名称に「特定疾患」と入るためまぎらわしいが、対象疾患は厚生労働省告示第六十三号「特掲診療料の施設基準等」(平成20年3月5日) (PDF) の別表第一「特定疾患療養管理料並びに処方料及び処方せん料に規定する疾患」(p.46-47)で確認でき、糖尿病、高血圧性疾患、喘息、胃潰瘍、慢性肝疾患など生活習慣病も多く含まれる。特定疾患処方管理加算も対象疾患は同一で、処方料又は処方箋料のいずれか一方の加算として月1回に限り算定できる。
特定疾患治療管理料に規定する疾患
特定疾患治療管理料は、対象疾患の患者や家族に対して療養上必要な指導を行った場合に診療報酬に算定される管理料・指導料。対象疾患には、肝炎ウイルスや後天性免疫不全症候群などのウイルス疾患、悪性腫瘍、てんかん、喘息、慢性疼痛、糖尿病合併症などがある。
特定疾患治療管理料の種類
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難治性疾患克服研究事業の概観
→詳細は「難治性疾患克服研究事業」を参照
施策上、症例が少なく原因不明・治療方法の未確立で生活面に長期に支障をきたす疾患に対して次のような対策を行っている[2]。
- 調査研究の推進。難治性疾患克服研究事業の臨床調査研究分野対象疾患。130疾患。
- 医療施設等の整備
- 地域の医療・保健福祉の充実・連携
- QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上を目指した福祉政策の充実(難病患者等居宅生活支援事業・市町村自治事務。)
- 医療費の自己負担の軽減(特定疾患治療研究事業対象56疾患)
指定疾患の一覧
要約
視点
難治性疾患克服研究事業(臨床調査研究分野対象疾患)
130疾患(2009年4月1日現在)[2]。厚生労働省による原因究明・治療法などの研究が行われる。患者の自己負担分を公費で負担するのは、特定疾患治療研究事業対象疾患のみである。
(作成中)
![]() | この節の加筆が望まれています。 |
特定疾患治療研究事業対象疾患
56疾患(2009年10月1日現在)[3]。患者は所轄の保健所に申請することにより、医療費の自己負担分の一部または全額の助成を、公費で受けることができた。
健康保険法で定める3割負担部分において、公費助成がなされ、それを除いた部分が患者自己負担となる[4]。
- 疾患番号は、厚生労働省の臨床調査研究に、おおむね指定された時期の順番どおり。
- ベーチェット病
- 多発性硬化症
- 重症筋無力症
- 全身性エリテマトーデス
- スモン
- 再生不良性貧血
- サルコイドーシス
- 筋萎縮性側索硬化症
- 強皮症/皮膚筋炎および多発性筋炎
- 特発性血小板減少性紫斑病
- 結節性動脈炎
- 結節性動脈炎
- 顕微鏡的多発血管炎
- 潰瘍性大腸炎
- 高安動脈炎
- ビュルガー病(バージャー病)
- 天疱瘡
- 脊髄小脳変性症
- クローン病
- 難治性肝炎のうち、劇症肝炎
- 悪性関節リウマチ (線維筋痛症を含まず)
- パーキンソン病関連疾患
- アミロイドーシス
- 後靭帯骨化症
- ハンチントン病
- モヤモヤ病(ウイルス動脈輪閉鎖症)
- 多発血管炎性肉芽腫症
- 特発性拡張型(うっ血型)心筋症
- 多系統萎縮症
- 線条体黒質変性症
- オリーブ橋小脳萎縮症
- シャイ・ドレーガー症候群
- 表皮水疱症(接合型及び栄養障害型)
- 膿疱性乾癬
- 広範脊柱管狭窄症
- 原発性胆汁性胆管炎
- 重症急性膵炎
- 特発性大腿骨頭壊死症
- 混合性結合組織病
- 原発性免疫不全症候群
- 特発性間質性肺炎
- 網膜色素変性症
- プリオン病
- クロイツフェルト・ヤコブ病
- ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病
- 致死性家族性不眠症
- 原発性肺高血圧症
- 神経線維腫症I型/神経線維腫症II型
- 亜急性硬化性全脳炎
- バット・キアリ(Budd-Chiari)症候群
- 特発性慢性肺血栓塞栓症(肺高血圧型)
- ライソゾーム病
- 副腎白質ジストロフィー
- 家族性高コレステロール血症 (ホモ接合型)
- 脊髄性筋萎縮症
- 球脊髄性筋萎縮症
- 慢性炎症性脱髄性多発神経炎
- 肥大型心筋症
- 拘束型心筋症
- ミトコンドリア病
- リンパ脈管筋腫症 (LAM)
- 重症多形滲出性紅斑 (急性期)
- 黄色靭帯骨化症
- 間脳下垂体機能障害
平成21年度補正予算において、特定疾患治療研究事業に緊要性の高い疾患を追加するものとされたことをうけ、平成21年10月より、本事業の対象疾患に以下の11疾患が追加された[5]。
- 家族性高コレステロール血症(ホモ接合体)
- 脊髄性筋萎縮症
- 球脊髄性筋萎縮症
- 慢性炎症性脱髄性多発神経炎
- 肥大型心筋症
- 拘束型心筋症
- ミトコンドリア病
- リンパ脈管筋腫症(LAM)
- 重症多形滲出性紅斑(急性期)
- 黄色靱帯骨化症
- 間脳下垂体機能障害(PRL分泌異常症、ゴナドトロピン分泌異常症、ADH分泌異常症、下垂体性TSH分泌異常症、クッシング病、先端巨大症、下垂体機能低下症)
指定難病(難病の患者に対する医療等に関する法律)
難病の定義である
- 発病の機構が明らかでなく
- 治療方法が確立していない
- 希少な疾患であって
- 長期の療養を必要とするもの
に加えて、
- 患者数が本邦において一定の人数(人口の約0.1%程度)に達しないこと
- 客観的な診断基準(またはそれに準ずるもの)が成立していること
が挙げられる。306疾病(2015年7月1日現在)[6]。
→詳細は「難病の患者に対する医療等に関する法律」を参照
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脚注
参考文献
関連項目
外部リンク
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