伊勢ノ海一門

伊勢ノ海一門（いせのうみいちもん）はかつて存在した大相撲の一門のひとつ。

歴史

一門の本家は、最古の相撲部屋である伊勢ノ海部屋である。伊勢ノ海部屋は、現存する江戸相撲最古の番付が発行された宝暦7年（1757年）の時点で既に存在しており、初代伊勢ノ海（幕内・伊勢ノ海）以降連綿と継承されているが、代々が輩出した力士が年寄として自前の部屋を構え、初代伊勢ノ海の現役時代を過ごした春日山部屋をはじめ多くの部屋を一門として抱えることで、隆盛を極めた^[1]。

しかし、8代伊勢ノ海（前2・柏戸）の代に入ると、高砂一門が全盛期を迎えるのと入れ替わるように衰微、一門の代々の年寄名跡が相次いで他一門へ流出する^[2]。9代伊勢ノ海（小結・柏戸）の代の1933年には一旦部屋を閉鎖。一門の錦島部屋に弟子を預ける。1942年には再興されるが、1945年に同じく一門の春日山部屋ともども再び閉鎖。唯一残された錦島部屋は、新興勢力の時津風部屋の傘下に入り、時津風一門を構成したことにより、伊勢ノ海一門の歴史は終焉を迎える（伊勢ノ海部屋自体は後に再興して存続）^[2]。

系譜

春日山部屋 初代春日山

伊勢ノ海部屋 初代伊勢ノ海

閉鎖

2代関ノ戸

3代柏戸

若藤部屋 初代若藤

宮城野部屋 初代宮城野

4代柏戸

閉鎖

閉鎖

春日山部屋 4代春日山

若藤部屋 （再興） 2代藤ノ戸

二所ノ関部屋 初代二所ノ関

玉ノ井部屋 4代諭摺木

秀ノ山部屋 初代秀ノ山

5代柏戸

閉鎖

閉鎖

閉鎖

春日山部屋 （再興） 5代玉川

若藤部屋 3代若ノ森

2代源氏山

閉鎖

6代柏戸

4代若ノ森

春日山部屋 （再興） 6代荒海

閉鎖

二所ノ関部屋 2代沢風

5代 越ノ川

宮城野部屋 （再興） 2代荒馬

閉鎖

閉鎖

7代柏戸

3代秀ノ山

3代御所車

若藤部屋 5代荒飛

春日山部屋 9代春日山

4代大江山

閉鎖

5代鹿嶋灘

春日山部屋 10代富田川

4代宮城野

閉鎖

閉鎖

6代岩木野

伊勢ケ浜部屋 3代両國

春日山部屋 12代朝日森

若藤部屋 （再興） 6代荒虎

7代上ヶ汐

関ノ戸部屋 6代鯱ノ海

閉鎖

8代柏戸

山科部屋 7代達ヶ関

玉ノ井部屋 7代高千穗

閉鎖

6代天津風

5代鳳凰

千賀ノ浦部屋 5代大達

玉ノ井部屋 （再興） 8代玉ノ井

閉鎖

9代磯千鳥

閉鎖

閉鎖

13代當り矢

8代上ヶ汐 のちに友綱一門へ 転籍

9代柏戸

閉鎖

6代五所車

錦島部屋 7代大蛇潟

閉鎖

山科部屋 8代柏山

立浪部屋 4代緑嶌 独立 立浪一門創設

7代鳳 のちに一門離脱

8代大蛇潟

閉鎖

閉鎖

春日山部屋 14代藤ノ川

閉鎖 錦島部屋へ 転籍

閉鎖

伊勢ノ海部屋 （再興） 9代柏戸

閉鎖 立浪部屋へ 転籍

閉鎖 錦島部屋へ 転籍

時津風一門へ 合流 伊勢ノ海一門廃絶