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国際原子力事象評価尺度
原子力事故の程度を表した尺度 ウィキペディアから
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国際原子力事象評価尺度(こくさいげんしりょくじしょうひょうかしゃくど、英:International Nuclear and Radiological Event Scale, INES(イネス[1]))とは、国際原子力機関 (IAEA) と経済協力開発機構原子力機関 (OECD/NEA) が策定した、原子力事故・故障の評価の尺度。
概要
要約
視点
国際原子力事象評価尺度は、原子力事故の共通評価を目的とした指標であり、1990年から試験的に運用された[2]。1992年に各国に対し正式採用が勧告され、日本でも1992年8月に採用している[2]。
※ レベル3以下については、日本国内で発生した事象のみ掲載している。
- シーベルト (Sv) :放射線が人体に与える影響を表す単位(ミリは1,000分の1)
- ベクレル (Bq) :放射性物質の量を表す単位(テラは1012=1兆・ペタは1000テラ=1015=1000兆)
- 深層防護の劣化の基準:安全上重要な設備の損傷の度合い
上表は、文部科学省(科学技術・学術政策局原子力安全課)の公文書1 、en:International_Nuclear_Event_Scaleより作成。
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大気中へ放出された放射性物質の評価
要約
視点
放出された放射性物質の重大性を評価するために、各核種の放射能の等価性を評価するための換算率を与えるという方法が用いられる。ヨウ素の総線量因子を基準として、それぞれの核種の倍率係数(ヨウ素換算倍率係数/放射線学的ヨウ素等価増倍係数; Multplication Factor for Radiological Equivalence to I-131)が規定されている[6]。
総線量因子(Dtot/(Q.X))は地表からの線量係数と吸引による線量係数の二つを合わせたものである。地表からの線量係数は土壌堆積物から50年積算で求めた線量因子(Dgnd [Sv/Bq・m-2])と堆積速度(Vg: deposition velocity)の積で表され、吸引による線量係数は吸引線量因子(Dinh)と呼吸率(breathing rate)の積で表される。
Dtot/(Q・X) = Dinh・breathing rate + Vg・Dgnd
チェルノブイリ原子力発電所事故や福島第一原子力発電所事故では、短寿命核種でありながら甲状腺癌への影響が懸念されるヨウ素131に加えて、揮発性で長寿命核種であるセシウム137をヨウ素換算した値の二つの合計値が放射能の放出量として、比較のために取り上げられることがある。たとえば、チェルノブイリ原発事故によって放出された放射能は、ヨウ素131が1800ペタベクレル、セシウム137がヨウ素換算で3400ペタベクレル、合計、5200ペタベクレルという値が報道されている[7]。
補足:京都大学の門信一郎准教授(当時東京大学)は事故当時のINESユーザーマニュアルに掲載されているセシウム134の増倍係数が間違っていることを見出した。著書[8]によると、Dgndとして採用したデータベース[9]が1桁間違っており、その間違った値を用いて増倍係数が評価されていたためである。IAEAに訂正依頼が出され、現行版(INES 2013年英語版[10])では最終結果のみ、3から17(1桁に丸める指針だと20が正しい)へ変更されている。正しい値を用いて評価し直した結果を→の後に記載する。
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脚注
関連項目
外部リンク
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