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新谷かおる

日本の漫画家 ウィキペディアから

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新谷 かおる(しんたに かおる、本名:新谷 薫[1](読み同じ)、1951年4月26日[1] - )は、日本漫画家[1]、同人活動家。男性大阪府豊中市出身。大阪高等学校卒業。

概要 しんたに かおる新谷 かおる, 本名 ...

妻は『緋の稜線』などの作品で知られる漫画家の佐伯かよの[1](2021年8月29日死別)。長女はナレーター・俳優の新谷摩乃[2]

代表作は『エリア88』・『ふたり鷹』など多数[3][4][5]

日本漫画家協会会員、宇宙作家クラブ会員。

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略歴

中学生から漫画を描いており、高校3年の時には篠原とおるのアシスタントを務めながら『少年キング』に投稿していた[6] 。当初は飛行機操縦士を目指していたが、色覚異常が確認され断念。高校卒業後は航空貨物関係の仕事を経て20歳で上京し、本格的に漫画の道を志す。

1972年りぼん漫画賞佳作入選。1973年に『りぼん4月大増刊』に掲載された『吸血鬼はおいや?』でデビュー[1][7]大和和紀山岸凉子アシスタントを経験。

1973年に、同じく『りぼん』にて受賞歴のある佐伯かよのと結婚。初詣帰りのバス車内で佐伯かよのが少年サンデーを拾い、その中にあった松本零士のアシスタント募集を見て同年3月より松本零士のプロダクション「零時社」に入りアシスタントを2年半務める[6][1]。零時社を出てから半年程ブラブラして[8]描きためた原稿を『月刊プレイコミック』に持ち込み、そのまま1977年より戦場ロマン・シリーズの連載を開始した[9]

1978年、『週刊少年サンデー増刊号』で史村翔原作『ファントム無頼』の連載を開始。

1979年、『少年ビッグコミック』で『エリア88』の連載を開始。本作と『ファントム無頼』のヒットにより注目を集めるようになる。

1981年、『週刊少年サンデー』で『ふたり鷹』の連載を開始。

1984年、『エリア88』と『ふたり鷹』で第30回小学館漫画賞受賞。

2017年4月26日、66歳の誕生日を迎えたことと『クリスティ・ロンドンマッシブ』最終回脱稿とを区切りとして一時休筆を公式Twitterアカウントで宣言した[10]

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作風

メカニックと人間を絡めたロマン、シリアスとギャグをミックスした作風が特徴。登場人物は時として人生・社会・戦争・テクノロジーなどに関する哲学的なセリフを話す。スター・システムも採用しており、同じ外見、同じ名前、同じような性格のキャラクターを複数の作品に別のキャラクターとして登場させることもある。

初期の作風は師匠である松本の影響が強く郷愁色と感傷を前面に出していたが、少女漫画家志望だったこともあり徐々に繊細なペンタッチで描くようになった。メカニックの描写も単純な写実第一ではなく独特のパースが松本から受け継がれ、さらに昇華されたものとなっている。このような過程を経て、新谷の作風は「少女漫画の感性と少年漫画の熱さを併せ持つ」極めて独自色の強い作風を確立した。

夫婦で互いの作品を手伝うことも多く、作品の一部キャラクターを妻の佐伯が描き、逆に佐伯作品中のメカニックを新谷が描くこともある。

クレオパトラD.C.』や『砂の薔薇』など、主人公が海外のさまざまな場所で活躍する作品が多いが、これについて新谷は子供のころ見ていた世界を舞台にしたアメリカのテレビドラマなどの影響によるものと語っている[11]

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人物

趣味はバイク・カメラ・プラモデル・飛行機・スキー、車[12]などで、その知識が多分に作品へ活かされている。

趣味を生かして資料製作を行っており、松本の漫画作品『宇宙海賊キャプテンハーロック』に登場するヤッタラン副長のモデルとなった(ヤッタランが関西弁で話し、何事もない限り「今忙しいねん」といつもプラモデルで遊んでいる点が共通している)。

自他共に遅筆であることを認めており、「急いで締め切りに間に合わせいい加減な作品を描くよりも、何度頭を下げてでも納得のいく作品を描いたほうが良い」とも語っている[13]

児童ポルノ法改正案に対しては慎重な立場を示し、創作物の規制/単純所持規制に反対する請願署名市民有志の賛同人として名を連ねている[14]

アニメーション監督福田己津央は、業界では有名な新谷のファンとして知られており、自身が携わった作品では『エリア88』のオマージュとも取れる設定ネタを数多く登場させている。

作品リスト

要約
視点

漫画作品

各作品の詳細などについてはリンク先の各記事を参照。表記はデフォルトでは大きく連載作品と短編を分け、それぞれ発表順とした。年にはソートを正しく行なうため便宜的に下付き文字で数字を加えている。

  • R:収録〉未:単行本未収録 同:同人誌収録
連載作品 短編
さらに見る 作品名, 年 ...

単行本

書名が同じ物は【】内の注記で区分をつけている。デフォルトでの表記は作品毎にまとめてオリジナルの発売順とした。判型にはソートを正しく行なうため便宜的に上付き文字で数字を加えている。月日にもソートを行うために二桁になるように数字を加えている。出版社については以下の略号を用いる。

オリジナル 再出版 オリジナル短編集 短編集の再出版
さらに見る 書名, 出 ...
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その他の作品

要約
視点

画集

エリアファイル88(新谷かおる豪華画集)
1985年4月発売、定価は3,000円。『エリア88』の連載6周年企画として発売された大型本。B3のカラーポスター8点、コミック未収録であった「エリア88番外編」の複製原画(製本されないB4紙20枚のかたち)、新谷かおるのインタビューが収録されたオリジナル・カセットテープが1本。ISBN 4-09-199551-9
クレオパトラD.C. イラストレーション集
1989年12月発売、定価は2,000円、大型本、62ページ。『クレオパトラD.C.』のカラーイラストなどが収録されている。ISBN 4-7962-0009-6
新谷かおる Art Collection
1999年にガイナックスより発売された。「エリア88」・「ふたり鷹」・「クレオパトラD.C.」・「砂の薔薇」を始めとした代表作のカラーイラストを中心に、作品の制作背景を綿密に語ったロングインタビューなどが収録されている。WindowsとMacintoshに対応したハイブリッドCD-ROMで、定価は7,800円(税別)。
エリア88 MANIAX
GAMEBANK社より発売された。「エリア88」全話を完全収録しており、壁紙や未発表カラー原稿・作品に登場した航空機データなどが収録されている。WindowsとMacintoshに対応したハイブリッドCD-ROM2枚組で、定価は5,800円(税別)。

漫画原作作品

オン・ザ・ウェイ
1982年、小学館、週刊少女コミック18号、読み切り作品。作画:佐伯かよの。
DAT13(ダットサーティーン)
1997年、白泉社、ヤングアニマル、ジェッツ・コミックス(全1巻)。作画:千葉潔和ISBN 4-592-13013-8
Quo Vadis(クオ・ヴァディス)
2007年 - 2018年、幻冬舎、webコミックGENZO、コミックバーズで連載。バーズコミックス(全20巻、外伝1巻)。作画:佐伯かよの。

同人誌

ドラゴン株式会社 完全版
1998年、「八十八夜」を通しコミケで販売。掲載誌であった少年キャプテン徳間書店刊)が休刊になり未完となる。再開のメドもたたず、コミック発刊も絶望的であったため、同人誌のカタチで自費出版し、限定的に日の目を見た。

自身主催の同人サークル「八十八夜」では、妻の佐伯や和田慎二島本和彦との合作やコラボレーション作品の発表もある[17]

また、2015年8月開催のコミックマーケット88では、開催回数と『エリア88』にかける形で、コミケット準備会からの打診を受けコミケットカタログの表紙イラストを手がけている[18]

アニメ

エリア88(1985年)
全3巻のOVAシリーズが製作された。「ACT I」と「ACT II」は再編集され、1985年に映画版として公開され、その後、テレビ東京でも放映された。キャストは風間真を塩沢兼人、ミッキー・サイモンを富山敬、サキを志垣太郎が演じた。
エリア88(2004年)
全12話のシリーズがテレビ朝日の深夜枠で放映された。原作とはかなり異なる内容となっており、戦闘機などのメカニックにCGが使われ、オリジナルキャラクターが2人登場している。風間真は子安武人が演じた。
ふたり鷹
全36話のシリーズがフジテレビ系列で放映された(1984年9月27日 - 1985年7月12日)。製作は国際映画社。キャストは沢渡鷹を古谷徹、東条鷹を塩沢兼人、沢渡緋沙子を藤田淑子が演じた。
左のオクロック!!
全2巻のOVAが1989年に徳間コミュニケーションズから発売された。キャストは佐々木望他。
クレオパトラD.C.
全3巻のOVAシリーズが1989年から1991年に東映ビデオから発売され、2008年にはOVA全巻を収録した「クレオパトラD.C. コンプリートDVD」も発売された。クレオパトラは川村万梨阿が演じた。
ガッデム
全2巻のOVA(第1巻「サバイバルチェイサー」・第2巻「ゴーアヘッド」)が1990年にビクターから発売された。キャストは山寺宏一他。
ぶっとび!!CPU
全3巻のOVAが1997年に「ピンクパイナップル」レーベルから発売され、2001年にはOVA全巻を収録したDVD「ぶっとび!!CPU 全集」も発売された。監督は日高政光、主演キャストは柊美冬三石琴乃宮村優子も出演。
砂の薔薇
1993年に東映ビデオより「砂の薔薇 雪の黙示録」が発売され、2008年にはDVD版も発売された。オリジナル脚本だが、一部の内容は原作のエピソード「チームA」を基にしている。また、2000年に「まんがビデオ[19]」も発売された。
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その他の仕事

アシスタント

著名な元アシスタントに、蛭田充ゆうきまさみ島本和彦田口雅之がいる。

ゆうきの作品『究極超人あ〜る』で新谷夫妻の長女摩乃(当時小学生)の名前をネタとして出している一方、逆に新谷の作品に登場するキーパーソンキャラクター[21]は『機動警察パトレイバー』に登場する内海がモデルとなっている。

また、島本が自著でたびたび手伝いに訪れていたと述べている。島本はその後、同人誌「新谷かおるになる方法」にてその経験や新谷の著作への分析と見解を語っている。島本の作品『ガレキの翔』には、「谷かおる」というキャラクターが登場する。『アオイホノオ』にも新谷夫妻が実名で登場する。

その他のメディア

  • 雑誌『スコラ』1989年10月12日号 - カメラ特集にコメント。他にも同誌ではメカ関係の記事にコメントをしている。
  • 防衛庁広報誌『セキュリタリアン』1992年11月号 - 自衛隊を描いた作品の特集記事で「ファントム無頼」が取り上げられた(他に、史村翔原作の「右向け左!」、「沈黙の艦隊」、「青空少女隊」なども取り上げられていた)。
  • 「別冊宝島235:いきなり最終回」1990年代後半 - 漫画の連載打ち切りに関する記事で自身の体験を話した。
  • 月刊『航空ファン』2003年1 - 12月号 - コラム「エマージェンシーな日々」を連載した。
  • 世界の傑作機 No.96 F-5E/FタイガーIIF-20タイガーシャーク - インタビューの掲載、内容は「エリア88」誕生秘話。
  • フィギュア誌『レプリカント』16号(2004年5月28日発行) - 松本零士との対談が掲載。アシスタント時代の話など。

関連文献

  • まんが情報誌『ぱふ』1982年5月号 - 特集:新谷かおる
  • まんが情報誌『ぱふ』1984年7月号 - 特集:新谷かおる2
  • 「いきなり最終回 PART3」(JICC出版局 1991年) - 「エリア88」の最終回が掲載。
  • 『いきなり最終回―あの傑作が終わる…、それは大きな事件だった! (別冊宝島 235)』宝島社、1995年11月1日、67-77頁。ISBN 9784796627122。「実践体験激白+こんな最終回があった マンガはこうして終わる! 新谷かおる+編集部」

脚注

外部リンク

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