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最果てのパラディン
日本のライトノベル作品、テレビアニメ番組 ウィキペディアから
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『最果てのパラディン』(さいはてのパラディン)は、柳野かなたによる日本のライトノベル。小説投稿サイト『小説家になろう』で2015年5月1日に連載開始[2]。書籍化の打診を受け、2016年3月25日からオーバーラップ文庫(オーバーラップ)で刊行が始まった。書籍化後も『小説家になろう』での連載は継続している。いわゆる「転生もの」から発想を得た作品であり[3]、前世の記憶がある少年を主人公にした異世界ファンタジーである。
メディアミックスとして、2017年9月25日よりウェブコミック配信サイト『コミックガルド』で奥橋睦によるコミカライズ版が月刊連載開始され[4]、アプリ版の『コミックガルド+』のリリース後はこちらで最新話を掲載となっている。また、テレビアニメが2021年10月から2022年1月まで第1期が放送され[5][6]、2023年10月から12月まで第2期が放送された[7]。
作者が精神状態悪化を理由に活動を休止したことで、作品は2017年9月までで止まっている。その後、2020年11月に行われた復帰報告において、書籍版第5巻の執筆の後、なろう版の連載再開に着手する予定である事が報告された[8]。2021年7月には作者自身の具体的な病状などの報告が行われたが、2021年10月時点では活動再開に至っていない[9]。
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あらすじ
要約
視点
引きこもりとして無為な人生を過ごし、後悔して亡くなった主人公は記憶を保持したまま異世界に転生する。ウィリアム(通称:ウィル)と名付けられた赤ん坊は、数百年前に人の絶えた廃墟の街で、生前は英雄として知られた3人の不死者ブラッド、マリー、ガスに育てられる。今度こそ悔いのない人生を送ることを決意したウィルは、スケルトンの剣士ブラッドからは武術を、ミイラの神官マリーからは一般常識と信仰を、ゴーストの魔法使いガスからは学問と魔法を学び成長していく。
I 死者の街の少年
この世界の成人の日にあたる数え15歳になる冬至の日の前日、ウィルは自身と育ての親の来歴を教えられる。約200年前に《上王(ハイ・キング)》と呼ばれる悪魔の王が世界に大乱を引き起こし、世界の南半分にあたる《南辺境大陸(サウスマーク)》は壊滅した。育ての親3人は多数の仲間と共に《上王》を討伐しようとしたが、仲間たちは死に、《上王》は殺しきれずにガスとマリーの2人で地下深くへと封印した。もし3人が寿命を迎えれば配下の悪魔たちによって封印が解かれる不安が残る中、不死神スタグネイトの分体たる《木霊(エコー)》が降臨し、いずれ自らの下僕にすることと引き換えに、彼らを不死者とする契約を行う。ウィルが育った街は《上王》が封印された場所であり、ウィルは悪魔が封印を解くためにどこからか連れてきた赤子だった。
3人の語りが終わると、不死神スタグネイトの《木霊》が再度降臨し、ウィルの養育を通して《上王》への執着が薄れたマリーとブラッドを契約に従い自らの下僕にしようとする。3人は抵抗し、不死神に挑むも、分体とはいえ強力な神の力によって重傷を負う。不死神の計らいで見逃されるウィルであったが、かつてブラッドが《上王》から奪った魔剣《喰らい尽くすもの(オーバーイーター)》を手にして対峙し、神に挑む。そして死闘の果てに生々流転を司る灯火の神グレイスフィールに誓いを立てて加護を得たウィルは、不死神の分体を討伐する。
ブラッドとマリーは輪廻へと還り、ガスは《上王》の封印守護を守るべく灯火の神と交渉し、約10年現世に残れることとなった。ウィルは、親たちの意志を継ぎ、残された10年の間に《上王》の問題を解決するべく、生まれ育った街を後にする。
II 獣の森の射手
約200年前の世界状況の知識しかないウィルは人間の生活圏を探して北を目指す。灯火の神の啓示を受けながらも到達した人類社会の南端の森林地帯《獣の森(ビーストウッズ)》は、魔獣や悪魔が跋扈し、困窮する村々が点在する無法の土地だった。長年の訓練と前世の知識によって実は人並み以上の類稀な能力が備わっていたウィルは、その力を使って村々の問題を解決していく。
ウィルは更なる辺境地域の問題解決のため、魔獣退治のため友人となったハーフエルフのメネルドールや、道中で出会った行商人のトニオや楽師ビィと共に南辺境大陸の最北端で、同大陸唯一の都市《白帆の都(ホワイトセイルズ)》へ向かう。そして街へやってきたウィルは、期せずして狂ったワイバーンを倒し、人々に知られた存在となる。有力者である領主サウスマーク公やバグリー神殿長に認められたウィルは、聖騎士(パラディン)に叙勲され、《最果ての聖騎士(最果てのパラディン)》として活躍をし始める。
III 鉄錆の山の王
ウィルが街を出て2年。数え年で17歳となったウィルは、《獣の森》の中央にある河岸の廃墟の街を再興させた《灯火の河港(トーチ・ポート)》を拠点に、森林地帯の事実上の領主となっていた。最終的に人類圏が生まれ故郷の廃墟の街に到達すべく、ウィルは日夜地域一帯の発展に邁進し、時に政治や経済状況に腐心する生活を送っていた。
そんな折、かつて《上王》に与し、鉄錆山脈にあったドワーフの街を滅ぼした邪悪な竜ヴァラキアカが再び活動を開始するとの予言を受けたウィルは、新たに加わった仲間たちと共に対策を迫られる。
IV 灯火の港の群像
数え歳で18歳となった春。ウィルは地域の未来を考えて新たな産業を起こす計画を立てていた。ウィルはメネルと会話しながら、ヴァラキアカ討伐後の秋冬に起こった仲間の求婚話や無敵の巨人との戦いなど様々な出来事を思い起こす。
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登場人物
要約
視点
声の項はテレビアニメ版の声優。
主人公
廃墟の街
灯火の河港
- メネルドール
- 声 - 村瀬歩[10][7]
- ハーフエルフの狩人で妖精使い。《はやき翼(スウィフトウィングス)》のメネルドール。エリンの大森林の出身。
- レイストフ
- 声 - 乃村健次[10][7]
- ベテラン冒険者。《つらぬき》のレイストフ。
- トニオ
- 声 - 遊佐浩二[10][7]
- 行商人。本名はアントニオ。《灯火の河港》で林業などを始める。
- ビィ
- 声 - 鈴木絵理[10][7]
- 小人族(ハーフリング)の吟遊詩人。本名はロビィナ・グッドフェロー[14]。
- ルゥ
- 声 - 四宮豪
- ドワーフの王族。本名はヴィンダールヴ。200年前に滅びたドワーフの王国《くろがねの国》の最後の王アウルヴァングルの孫。ウィルの従士。
- ゲルレイズ
- 声 - 松田健一郎
- 向こう傷のあるドワーフ。200年前はまだ年少だったために《くろがねの国》での決戦に参加せず、民を守って山から退去した。
- アンナ
- 声 - 渡部恵子
- 生真面目な女性神官。バグリーの養女。ウィルの要請でバグリーから南方開拓地に派遣された行政官兼務の神官たちのまとめ役で、自身も優秀な能吏。
- アグナル
- 声 - 宮本崇弘
- ドワーフの頭目。
- グレンディル
- 声 - 斉藤次郎
- 移民の代表。
- ガング
- 声 - 松山鷹志
- 森林巨人(フォレストジャイアント)、ヨトゥン族。
くろがねの国
白帆の都
神
- 灯火の神グレイスフィール
- 声 - 悠木碧[10][7]
- 魂と輪廻を司る生々流転の神。彫刻ではカンテラを持つ性別不明の神として描かれるが、実際はフードを被った黒髪の女神。ウィルがこの世界へ転生したのにも彼女が関わっている模様。《遣い(ヘラルド)》は灯火であり、《遣い火》とも記載される。一度は信仰が廃れてほとんど知られていない神となっていたが、加護を与えたウィルの英雄的な活躍の数々やそれに伴う布教で、再び信仰が広まって盛り返しつつある。自身が見出した英雄であるウィルに強い想いを抱いている節がある。
- 不死神スタグネイト
- 男(声 - 高橋広樹)[10]、女(声 - 大久保瑠美)
- 善なる神々の陣営から悪なる陣営へと鞍替えした神。1巻で倒した《木霊》は男性の姿、3巻で初登場した《遣い》は烏と、多様な姿を採ってウィルの前に現れるが、本来の姿は女神でありグレイスフィールの姉にあたる。姉妹であるためその容姿はよく似ている。ウィルに強い興味を抱いており、彼を頻繁に自陣に誘おうとするが、それをグレイスフィールが看過できず干渉してくるといった姉妹喧嘩の様相を呈している。本質は慈悲深い神であり、陣営を変えてまで不死神となったのも、定命の者達が次々と死んで失われていくのを悲しみ憐れんで永遠を望んだがため。不死者となることを受け入れた者達を集めた国を作っているようだが、依頼としてそこへウィルを招いた所で作品が休載に入っているため詳細は不明。
その他
- ディーネ
- 声 - 小林沙苗
- 森のエルフの生き残り。
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既刊一覧
小説
- 柳野かなた(著)・輪くすさが(イラスト)、オーバーラップ〈オーバーラップ文庫〉、既刊5巻(2017年9月25日現在)
- 『最果てのパラディンI 死者の街の少年』2016年3月25日初版第一刷発行(同日発売[15])、ISBN 978-4-86554-104-5
- 『最果てのパラディンII 獣の森の射手』2016年7月25日初版第一刷発行(同日発売[16])、ISBN 978-4-86554-137-3
- 『最果てのパラディンIII〈上〉 鉄錆の山の王』2016年12月25日初版第一刷発行(同日発売[17])、ISBN 978-4-86554-176-2
- 『最果てのパラディンIII〈下〉 鉄錆の山の王』2016年12月25日初版第一刷発行(同日発売[18])、ISBN 978-4-86554-177-9
- 『最果てのパラディンIV 灯火の港の群像』2017年9月25日初版第一刷発行(同日発売[19])、ISBN 978-4-86554-256-1
漫画
- 奥橋睦(漫画)・柳野かなた(原作)・輪くすさが(キャラクター原案) 『最果てのパラディン』 オーバーラップ〈ガルドコミックス〉、既刊14巻(2025年5月25日現在)
- 2018年3月25日初版第1刷発行(同日発売[20])、ISBN 978-4-86554-334-6
- 2018年10月25日初版第1刷発行(同日発売[21])、ISBN 978-4-86554-411-4
- 2019年4月25日初版第1刷発行(同日発売[22])、ISBN 978-4-86554-486-2
- 2019年10月25日初版第1刷発行(同日発売[23])、ISBN 978-4-86554-565-4
- 2020年5月25日初版第1刷発行(同日発売[24])、ISBN 978-4-86554-671-2
- 2020年11月25日初版第1刷発行(同日発売[25])、ISBN 978-4-86554-795-5
- 2021年4月25日初版第1刷発行(同日発売[26])、ISBN 978-4-86554-899-0
- 2021年9月25日初版第1刷発行(同日発売[27])、ISBN 978-4-8240-0010-1
- 2022年3月25日初版第1刷発行(同日発売[28])、ISBN 978-4-8240-0140-5
- 2022年10月25日初版第1刷発行(同日発売[29])、ISBN 978-4-8240-0321-8
- 2023年4月25日発売[30]、ISBN 978-4-8240-0482-6
- 2023年9月25日発売[31]、ISBN 978-4-8240-0621-9
- 2024年3月25日発売[32]、ISBN 978-4-8240-0781-0
- 2025年5月25日発売[33]、ISBN 978-4-8240-1203-6
テレビアニメ
要約
視点
オーバーラップ文庫8周年記念配信イベント「ありふれた放送で世界最強」にてアニメ化が発表され[34]、第1期は2021年10月から2022年1月までTOKYO MXほかにて放送された[5][6]。
第2期『最果てのパラディン 鉄錆の山の王』(さいはてのパラディン てつさびのやまのおう[35])は2023年10月から12月まで放送された[7]。
スタッフ
主題歌
- 「The Sacred Torch」[36]
- H-el-ical//による第1期オープニングテーマ。作詞はHikaru//、作曲はグシミヤギヒデユキ、編曲は齋藤真也。
- 「標火」[36]
- やなぎなぎによる第1期エンディングテーマ。作詞・作曲はやなぎなぎ、編曲は照井順政。
- 「春呼びの詩」 / 「三英傑の序詩」 / 「最果ての武勲詩」 / 「竜殺しの英雄の歌」
- ロビィナ・グッドフェロー(鈴木絵理)による第1期・第2期[注 2]劇中歌。作詞は柳野かなた、作曲・編曲は帆足圭吾。
- 「命火」[37]
- やなぎなぎによる第2期オープニングテーマ。作詞はやなぎなぎ、作曲・編曲は照井順政。
- 「パズル」[37]
- KOTOKOによる第2期エンディングテーマ。作詞・作曲・編曲はamazuti。
各話リスト
放送局
BD
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脚注
外部リンク
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