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無線通信士

無線局の無線設備を操作する者 ウィキペディアから

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無線通信士(むせんつうしんし)は、無線局無線設備の通信操作に従事する者である。 日本においては総合無線通信士海上無線通信士及び航空無線通信士を総合した通称である。

概要

電波により通信を行うため、一定の技能を有する事が必要とされ、世界的にも官公庁による資格が必要とされる場合が多い。公海上を航行する船舶又は航空機に搭乗する通信士には国際電気通信連合憲章に規定する 無線通信規則Radio Regulations、略称はRR)で規定される無線通信士証明書が必要とされる。

日本では、総務大臣が無線通信士に無線従事者免許証を交付する。これらの免許証は、無線通信士証明書でもある。 1989年(平成元年)11月には電波法改正により、無線従事者資格が海上、航空、陸上と利用分野別に再編 [1] され、法令上では分野を冠することとなり、総合無線通信士(3種別)、海上無線通信士(4種別)及び航空無線通信士の3種類に大別された。 翌1990年(平成2年)5月にこの改正法令が施行されたため、単なる「無線通信士」では通称にすぎなくなった。 また、第一級海上特殊無線技士の免許は、制限無線通信士証明書とされた。 本記事で扱うのは主にこの時点までとする。

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日本

要約
視点

歴史

電信法

日本における無線に関する最初の法律は1900年(明治33年)に施行された電信法である[2]。無線電信は政府が管掌し、一切の私設(民間企業、私立学校、個人による開設)は禁じられた。そのため民間商船に逓信省の官設船舶局を開設し、逓信省の通信官吏が乗船勤務するため逓信省では逓信官吏練習所で教育を行った。陸海軍では独自の通信学校で教育を行った。

1907年8月に逓信省が無線電信局の開設のために希望者を募集した際、金沢通信伝習生養成所の主任教官だった米村嘉一郎(逓信官吏練習所第3期)が1908年5月に専修科無線電信通信科を第1期として卒業、東洋汽船天洋丸に設置された船舶局に着任したため、嘉一郎が日本初の無線通信士とされる。

1914年(大正3年)にロンドンで締結されたSOLAS条約で、乗員乗客50名以上の外国航路を運航する全ての船に無線を施設することが義務化された。条約に該当する全ての船舶に船舶局を建設する費用、それに派遣する通信官吏の養成費用、さらには通信官吏の人件費増などを逓信省がひとりで負担するのは困難だった[3]。そのため逓信省では私設無線施設を認める方向で法改正の検討に入った。

無線電信法

1915年(大正4年)、「政府は無線を管掌する」という大原則を保ったまま、例外として私設無線施設の開設を認める無線電信法[4]を、電信法から独立させた。

民間海運会社の費用で無線局を開設・保守させ、それを運用できる私設無線電信従事者資格を私設無線電信通信従事者資格検定規則[5]で定めたのである。そして私設無線電信従事者を民間海運会社に雇用させるだけでなく、私設無線電信従事者の養成も民間に委ねた。これは民間企業、私立学校、個人が開設する無線施設の運用資格である。

さらに見る 年, できごと ...

電波法

1950年(昭和25年)電波法が制定され、官公庁・民間を問わず無線局の無線設備の操作には原則として無線従事者を要することとされ、無線通信士は電波法に定める無線従事者の一種となった。 また、無線電信法と異なり電波法の条文中に資格名称が盛り込まれた。

さらに見る 年, できごと ...

これ以後は、総合無線通信士海上無線通信士航空無線通信士を参照。

取得者数

さらに見る 第一級無線通信士, 第二級無線通信士 ...

通信白書、資格別無線従事者数の推移[13]による。

取得制度の変遷

無線電信法下でも通信士の資格取得は今で言う国家試験によるのが原則であったが、認定された学校 [注釈 4] の卒業生や特定の実務経験 [注釈 5] を経た者に対し、基本的には無試験で全資格の付与を行える銓衡検定の制度があり(無線通信士資格検定規則第3条及び第4条)、この方法を経た有資格者が多かった。

電波法下では、上述のとおり当初は国家試験が唯一の取得方法であったが、学校卒業や資格・業務経歴による科目免除や認定講習課程による上級資格取得も行なわれるようになった。

電気通信術

電気通信術の能力について、無線従事者国家試験及び免許規則に規定されていたものを示す。

さらに見る 施行日, 第一級 無線通信士 ...
科目免除

他資格の所持者に対する免除について、無線従事者規則の資格再編前の最終改正[14]によるものを示す。

さらに見る 現有資格, 受験資格 ...

資格再編後は、アマチュア無線技士の無線通信士に、および無線通信士のアマチュア無線技士に対する科目免除は規定されていない。[15]

さらに見る 現有資格, 受験資格 ...

この他、琉球政府の旧第三級無線技術士は、第二級無線通信士・第三級無線通信士の予備試験、航空級無線通信士・電話級無線通信士の無線工学が免除されていたが、資格再編後は第二級総合無線通信士・第三級総合無線通信士の予備試験、航空無線通信士・第四級海上無線通信士の無線工学が免除 [16] されることとなった。

英語

1986年(昭和61年)より辞書(英和、和英、英英)の持込みが認められた。資格再編後は認められない[疑問点]

経過措置

無線通信士は、免許証の書換えは必要としない。[17]

  • 施行日以降でも、国家試験合格の日から3ヶ月以内に免許申請したものであれば従前の無線通信士として免許された。[18]

航空級無線通信士以外の無線通信士は、1993年(平成5年)4月まで上級の無線従事者の指揮による操作ができた。[19]

第三級無線通信士、電話級無線通信士および航空級無線通信士は、従前の操作範囲の操作並びに電波法第39条第2項に反しない限り操作の監督もできる。 [注釈 7]

参考として資格再編前後の操作範囲を掲げる。

さらに見る 資格再編前, 資格再編後 ...
操作範囲の拡大

第三級総合無線通信士の操作範囲は、制定以後に拡大[22]された。第三級無線通信士も操作範囲が拡大されたことになる。総合無線通信士#変遷を参照。

制限無線通信士

上述のとおり、第一級海上特殊無線技士は制限無線通信士である。従前の特殊無線技士(国際無線電話)も第一級海上特殊無線技士にみなされる。

1955年(昭和30年)から1971年(昭和46年)の間に発給された特殊無線技士(超短波海上無線電話)、特殊無線技士(中超短波海上無線電話)、特殊無線技士(無線電話甲)の免許証には、無線電話通信士制限証明書に該当することが記載 [23] [24] [25] されていた。これらは資格再編後は、第二級海上特殊無線技士および第二級陸上特殊無線技士にみなされる。 [15]

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諸外国

脚注

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関連項目

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