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アマチュア無線技士
無線従事者の一つ ウィキペディアから
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アマチュア無線技士(アマチュアむせんぎし)は、無線従事者の一種で電波法第40条第1項第5号イからニに規定するものである。
![]() | この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。 |

平成22年4月以降発給
(第二級アマチュア無線技士。第一級・第二級は総務大臣が発給。)
平成22年4月以降発給
(第三級アマチュア無線技士。第三級・第四級は地方総合通信局長が発給)

平成22年3月まで発給
(第一級アマチュア無線技士)

平成22年3月まで発給
(第三級アマチュア無線技士)
アマチュア無線技士が操作できる無線局は、電波法・政令では「アマチュア無線局」と、総務省令・告示では「アマチュア局」との文言となっている。本記事においては、電波法・政令の引用以外は「アマチュア局」で統一する。
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概要
アマチュア無線技士の資格は、アマチュア無線局の操作を行うために必要な資格である(電波法第39条の13)。
平成元年の電波法改正(法律第67号)によりアマチュア無線技士の資格についても大きな改正が施され、①「無線従事者(アマチュア)」との見出しのもとに纏められるとともに(電波法第40条第1項第5号)、②電信級アマチュア無線技士が第三級アマチュア無線技士に、電話級アマチュア無線技士が第四級アマチュア無線技士に、それぞれ再編された。
なお、第一級アマチュア無線技士の資格は、電波法の制定当初から今日まで名称の変更も実質的な操作範囲の変更も行われていない、唯一の資格である(ただし、昭和33年法律第140号及び平成元年法律第67号の改正により根拠条項の規定方法が変更されているため、両改正法ともに施行前に付与された第一級アマチュア無線技士の資格を、改正法に規定する第一級アマチュア無線技士とみなす規定を置いている(昭和33年法律第140号附則第2項、平成元年法律第67号附則第2条)。
- 主任無線従事者制度(無線従事者の資格を有しないものであっても、主任無線従事者の監督を受けることにより無線設備の操作をすることができる制度。電波法第39条1項参照。)は、アマチュア無線局には適用されない。ただし、電波法39条の13ただし書きに基づく総務省令(電波法施行規則第34条の8ないし第38条の10)により、無資格者であっても、一定程度の操作を行うことが認められる場合がある。
アマチュア無線技士の資格では、金銭上の利益を得ることを目的とする無線局の運用はできない(すなわち、アマチュア無線技士の資格では、アマチュア無線局の運用のみ可能である)。それゆえ、アマチュア無線局以外の無線局(無線従事者の資格を有しなくても運用できるものを除く。)を運用するにあたっては、その操作内容に呼応した操作範囲の無線従事者の資格が必要である。
平成元年法律第67号の施行前は、旧無線従事者規則(昭和33年郵政省令第28号)において、他種別の無線従事者(第三級無線通信士・電話級無線通信士)との間に、無線工学関係の科目の免除が規定されていた。
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操作範囲
電波法施行令第3条第3項による。(一部漢数字部分をアラビア数字で補足)
2023年3月27日[2]現在
過去には、電波法制定当初に規定された第二級アマチュア無線技士(略称:旧2アマ、現行の2アマとは異なる。)および政令無線従事者操作範囲令制定時に規定された電信級アマチュア無線技士(略称:電信アマ)、電話級アマチュア無線技士(略称:電話アマ)があった。 これらは、電話アマ(現4アマ)、3アマ、4アマとみなされる。 #沿革および#経過措置を参照。
相当資格
左記の無線従事者の資格により、右記のアマチュア無線技士の資格の操作の範囲に属する操作を行うことができる。(電波法施行令第3条第5項)
2023年3月27日[2]現在
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取得
要約
視点
#国家試験により取得する。 また、2・3・4アマは、総合通信局長の認定を受けた団体が実施する#養成課程を修了することができ免許を受けることができる。 この団体は認定施設者という。
欠格事由の適用除外
電波法第42条第3号には「著しい障害があって無線従事者たるに適しない者」に対し、無線従事者の免許を与えないことがあるという欠格事由がある。
引用の促音の表記は原文ママ
欠格事由の適用除外の条件として、著しく身体や目に障害のある者あと精神に障害があっても操作が可能な事から無線従事者の免許を取得できる[3]として、「障害があっても操作ができる無線設備が普及してきている」[4]としてアマチュア無線技士として障害があっても取得できる[5]とされるが、著しい無線機の誤操作や無線機器を破壊する等の危険性も危惧されるためである。
国家試験
国(地方電波監理局(1985年(昭和60年)に地方電気通信監理局と改称[6]、1972年(昭和47年)設置の沖縄郵政管理事務所[7]も含む。)が実施し、1アマ・旧2アマには一次試験と二次試験があり、年3回実施とされた[1]。電信アマ・電話アマ新設の際は、1アマ・2アマは予備試験と本試験に改められ、電信アマ・電話アマは本試験のみ、年2回実施とされた[3]。 1アマ・2アマの試験が一本化されて以降は年2回(4・10月)実施とされる[8]。
実施団体の無線従事者国家試験センター(現日本無線協会)への移行後は、実施回数の増加、休日の実施が開始され、4アマについて東京の本部では毎週実施していた時期もあった。 実施日も平日から土曜・日曜を主にするようになり、本部以外は日曜のみの実施となった。
- 定期試験
- 1・2アマは、1997年(平成9年)より年3回(4・8・12月)本支部所在地で実施
- 3・4アマは、2000年代になり、次のように実施される。
- 本支部で年4回から14回実施。ただし、試験地は本支部所在地とは限られない。
- 統一日程でないので、試験日程・試験地は前年度と同じとは限られない。
- 1999年(平成11年)10月より本部では上記に加えて月1回、同日中に試験受付・実施・結果発表・合格者の免許申請受付まで行う当日受付試験を行う。
- アマチュア無線フェスティバルの実施月は行事の一環として会場内または近傍で、関西アマチュア無線フェスティバルでも実施する。
- 2022年(令和4年)2月(2021年12月受験申請分)から、3アマ、4アマ従来の筆記試験に変わってCBT方式による試験に変更された[注 1][9][10]。
- 本支部で年4回から14回実施。ただし、試験地は本支部所在地とは限られない。
臨時試験が上記以外に学校等からの依頼により実施されることがある
注 日本無線協会は、試験問題および合格速報を公式ウェブサイトで公開している。
試験科目
無線従事者規則(従前は無線従事者国家試験及び免許規則)第5条に規定されている。
1アマ
- 無線工学
- 1.無線設備の理論、構造及び機能の概要
- 2.空中線系等の理論、構造及び機能の概要
- 3.無線設備及び空中線系等のための測定機器の理論、構造及び機能の概要
- 4.無線設備及び空中線系並びに無線設備及び空中線系等のための測定機器の保守及び運用の概要
- 法規
2アマ
- 無線工学
- 1.無線設備の理論、構造及び機能の基礎
- 2.空中線系等の理論、構造及び機能の基礎
- 3.無線設備及び空中線系等のための測定機器の理論、構造及び機能の基礎
- 4.無線設備及び空中線系並びに無線設備及び空中線系等のための測定機器の保守及び運用の基礎
- 法規
- 1アマに準ずる
3アマ
- 無線工学
- 1.無線設備の理論、構造及び機能の初歩
- 2.空中線系等の理論、構造及び機能の初歩
- 3.無線設備及び空中線系等のための測定機器の理論、構造及び機能の初歩
- 4.無線設備及び空中線系並びに無線設備及び空中線系等のための測定機器の保守及び運用の初歩
- 法規
- 1.電波法及びこれに基づく命令の簡略な概要
- 注 モールス符号の理解が含まれる。
- 2.国際電気通信連合憲章、国際電気通信連合条約及び国際電気通信連合憲章に規定する無線通信規則の簡略な概要
- 1.電波法及びこれに基づく命令の簡略な概要
4アマ
- 無線工学
- 1.無線設備の理論、構造及び機能の初歩
- 2.空中線系等の理論、構造及び機能の初歩
- 3.無線設備及び空中線系の保守及び運用の初歩
- 法規
- 電波法及びこれに基づく命令の簡略な概要に準ずる
科目免除
合格基準等
2011年(平成23年)10月[12]現在の合格基準等[13]から抜粋
視覚障碍者の試験方法[14]は
- 1・2アマは点字による記述式
- 無線工学・法規とも各5問
- 3・4アマは記述式による口述試験(口頭試問
その他、身体に障害のある人の受験については、試験地を管轄する本支部に相談する。
受験料
2020年(令和2年)4月1日[15]以降、1アマ9,600円、2アマ7,800円、3アマ5,400円、4アマ5,100円[注 2]
実施結果
試験の難易度
- 無線工学においては、3アマ・4アマは中学校卒業程度、2アマは高等学校卒業程度、1アマは大学1年修了程度または短期大学卒業程度とされる。中学校で扱われるオームの法則や高等学校の物理で扱われるホイートストンブリッジなどといったものから、1アマ・2アマにおいては、専門的なものが含まれる認定試験である(電気電子回路の概要など、基礎科目として扱われる程度のものが含まれる)。
- 法規においては、電波法及び関連政省令、3アマ以上は電波に関する国際条約やモールス符号の概要も出題される。各法律用語の意味を理解し、各法を遵守した無線局の運用・管理(監理)等ができるか否かが必要とされる。これは専門教養課程を修了した程度と言われ、これらの文章を読める事で国語力・読解力が試される。
その他
令和5年9月25日よりアマチュア無線従事者免許の交付申請と開局申請を同時にできるようになる予定である[18]。
養成課程
養成課程は、 日本アマチュア無線連盟(JARL)が認定施設者となり、 1966年(昭和41年)に開始 [19] された。当初は、電信アマと電話アマに対し次の計6コースが設定された。
実際には電話級標準、電話級短縮、電信級移行の3コースが主で、稀に電信級短縮が実施されていた。 以後、時間数の削減、認定施設者の日本アマチュア無線振興協会(JARD)への移行[20]、営利事業者を含む新規参入、eラーニングによる授業とCBTによる修了試験が可能になる[21]、2アマが対象となる[22]などの変遷があった。
授業時間数について、次の通りである
注 補講、復習などの時間を追加することを妨げるものではない。
- JARDは、2アマ短縮コースを集合形式とeラーニングの両者で、3アマ標準コースをeラーニングで実施する。
- eラーニングを実施する新規参入の認定施設者もある。
- 直近の認定状況(実施状況ではない。)については養成課程一覧[23]を参照。
- 視覚障害者を対象とした事例は極めて少ない。実施例[24]を参照。
- 修了試験の形式及び時間等
- 多肢選択式を原則としているが、マークシートによることは義務付けられておらず、CBTによることもできる。試験の一部を記述式とすることも妨げてはいない。また、視覚障害者に対する実施を考慮し、これら以外の方法もとれるとしている。
2015年(平成27年)4月1日 [26] 現在
- JARDのeラーニング授業の修了試験は、2アマ短縮コースは対面形式とCBTから選択、3アマ標準コースはCBTによる。
- eラーニングを実施する新規参入の認定施設者の修了試験はCBTによる。
受講料は認定施設者ごとに異なる。未成年者、中学生以下などの受講料を割り引く団体もある。
取得者数
昭和33年より前の2アマ取得者は電話アマに切り替えされている。
この節の統計は、通信白書、資格・試験[27]による。
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外国での運用
総務省告示 [28] にある国々とは、相互資格認証(アマチュア無線家間では、一般に「相互運用協定」と称される)が締結されている。基本的な組み立ては「日本のアマチュア無線技士の資格により、その国のアマチュア無線局の運用許可が取得できる」というものであるが、相手国の一部には「日本国が発行したアマチュア無線技士の資格証明書及び無線局の免許状を所持することを条件に、別途申請の必要なく、一定の期間を上限に、一定の限度で運用することが認められる」というものもある。
2016年(平成28年)12月20日 [29] 現在
- アメリカ
- ドイツ
- カナダ
- オーストラリア
- フランス
- 大韓民国
- フィンランド
- アイルランド
- ペルー
- ニュージーランド
- インドネシア
- 欧州郵便電気通信主管庁会議(CEPT)勧告T/R61-02付録第2号別表第1号に規定される国
- アメリカ、フランス、オーストラリア、ニュージーランドは、事前に運用許可を取得する必要はない。
アマチュア無線技士の資格のうちの一部の資格のみが、運用許可の申請・許可証の取得の対象とされる場合もある。
- 欧州郵便電気通信主管庁会議(CEPT)勧告T/R61-02付録第2号別表第1号に規定される国
- 1アマのみが対象とされる。
相互運用協定が締結されていない国でも許可される場合がある。アマチュア無線#日本から見た相互運用を参照。
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歴史
要約
視点
- 前史
- 1915年(大正4年)- この年に施行された無線電信法には、アマチュア無線に限定した資格制度は存在しなかった。
- 1950年(昭和25年)の廃止時に至るまで変わらなかった。
- 1927年(昭和2年)- アマチュア局が「私設無線電信無線電話施設」[注 3]として許可され法律上の地位を得た。
- 1940年(昭和15年)- 12月以降は、私設無線電信電話実験施設の運用に無線通信士第二級又は電気通信技術者第三級(無線)以上の資格を要求された。
- 1941年(昭和16年)- 12月8日の太平洋戦争勃発に伴い私設無線電信電話実験施設の運用は禁止された。
- 戦後の再開時に施設の従事許可は無効とされた。
国家試験の科目免除
かつての国家試験には、他種別の無線従事者のアマチュア無線技士に、およびアマチュア無線技士の他種別の無線従事者に対する科目免除があった。無線従事者国家試験及び免許規則または無線従事者規則の主要な改正の施行時のものを示す。
制定当初の科目免除は現有資格の国家試験合格月の月初から1年間であった。
資格再編後は、他種別の無線従事者のアマチュア無線技士に、およびアマチュア無線技士の他種別の無線従事者に対する科目免除は規定されていない[53]。 但し、琉球政府の旧第三級無線技術士の無線工学の科目免除は有効[71]でとしてある。
無線従事者規則には、かつて1・2アマの電気通信術の国家試験に、合格した月から3年間の科目免除があり、総合無線通信士(資格再編前は第一級・第二級・第三級無線通信士)の試験の科目合格によるものを含んでいた。 さらに、2005年の条件緩和以降は、3アマ以上の現有資格が同等以上の速度の試験の合格によるものであれば科目免除された[63]。 また、総務省告示[72]に総合無線通信士(同前)の電気通信術が科目免除される学校等の卒業の日から3年間の免除があった。 これらの規定は試験の廃止に伴い2011年に全廃された。 [12] [73]
電気通信術の能力
電気通信術の能力について、無線従事者国家試験及び免許規則または無線従事者規則の改正の施行時毎に再掲する。
この他、上記の規則に規定するものではないが、電信アマまたは3アマの養成課程の電気通信術選抜試験は、1分間20字の速度の欧文普通語による
約3分間の音響受信であった。
授業時間数
養成課程の授業時間数について、無線従事者国家試験及び免許規則または無線従事者規則の改正の施行時毎に示す。
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その他
免許証関係事項証明
上記のように日本国外での運用に際し、アマチュア無線技士であることの証明が必要になるが、従前の免許証に英文の付記はない。 また、操作範囲や電気通信術の能力についての証明が必要になることもある。 このような場合は、免許証の記載事項について英文の「証明書」の発行を請求でき、操作範囲等も記載してもらうことができる。 無線通信士や陸上無線技術士が相当するアマチュア無線技士についても同様で、邦文の証明書も請求できる。
→詳細は「無線従事者免許証#免許証関係事項証明」を参照
任用の要件または受験資格など
- 1アマは、電波法第24条の2に規定する登録検査等事業者等の点検員となることができる。[77]
- 養成課程の講師の知識及び技能を有する者として、1アマが無線従事者規則第21条に基づく別表第7号に規定されている。
- 3・4アマ無線従事者養成課程の講師の知識及び技能を有する者として、2アマはアマチュア業務の経歴3年により同等以上と認められると電波法関係審査基準にある。
- 1アマはアマチュア業務の経歴1年、2アマは同3年によりJARDの3・4アマのアマチュア無線技士養成課程講師になれる。
- 1アマは、技適未取得機器による実験等の特例における届出に際し、機器が電波法の技術基準に適合することの確認ができる。[68]
- 1・2アマは、職業訓練指導員 (電子科)を受験できる。[78]
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脚注
関連項目
外部リンク
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