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稲沢市荻須記念美術館
愛知県稲沢市の公立美術館 ウィキペディアから
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稲沢市荻須記念美術館(いなざわしおぎすきねんびじゅつかん)は、愛知県稲沢市の稲沢公園内にある公立の美術館である。1983年(昭和58年)に開館した荻須高徳の個人美術館。
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歴史

背景
稲沢市の文化のシンボルとして、稲沢市出身のパリ在住画家・萩須高徳の功績を記念し、稲沢市立の美術館の建設と併せて博物館や文化財収蔵庫を建設し、「緑豊かな絵になる町づくり」を推進する一環で建設が計画された[2]。
開館までの経緯
1980年(昭和55年)3月、稲沢市市議会で荻須高徳の絵画購入が決定される[3][4]。9月、油彩画『ギュドモン城館』『僧院の並木』を購入と同時に、荻須高徳より油彩画『金のかたつむり』の寄贈を受けて美術館の建設計画を発表した[3]。1981年(昭和56年)公共用地として取得済みであった大和紡績跡地に美術館を建設することとし、美術館等の建設検討委員会を設置[3]。設計については、全国から募集する公開設計競技という方法をとる[4]。12月、第1次設計競技応募作品(441件)の中から入選5名を選抜[3]。1982年4月、第2次設計競技で設計者が決まる[3]。1982年9月、美術館着工する[3]。1983年4月には、荻須高徳よりさらに5点の絵画の寄贈を受ける(油彩画『ノワルムチェの風車』他)[3]。1983年(昭和58年)、名称が「稲沢市荻須記念美術館」に決定し、美術館が竣工する[3]。稲沢市美術館競技会を発足させ、8月に稲沢市荻須記念美術館が開館となる[3]。同時に検討されていた博物館は未完となった[5]。
開館後
1983年(昭和58年)8月2日に開館[5]。
建物は、1985年(昭和60年)に第26回BCS賞を受賞している[1]。また、1996年(平成8年)に荻須がパリで使用していたアトリエを復元した際には、1997年(平成9年)の第4回愛知まちなみ建築賞を受賞している[6]。
荻須が生前稲沢市に寄贈した作品を中心に常設展示しているほか、特別展や企画展が開催される。また、復元されたアトリエも1996年(平成8年)4月2日から一般公開されている。
復元アトリエは、1989年(平成元年)1月5日に遺族から寄贈された遺品の一部が展示されている。アトリエの復元にあたり、1992年(平成4年)1月に愛知工業大学教授の飯田喜四郎による現地調査が行われた[7][8]。
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建築
荻須美術館とアトリエの復元は、徳岡昌克が関わっている[9]。徳岡が、竹中工務店勤務中に稲沢市が公募した全国公開設計競技で最優秀作に当選したことが、美術館の建築を担当することにつながった[10]。
平屋造の大屋根が特徴で、建物は左右対称である[11]。屋根は銅板瓦、外壁は美濃土で焼いたタイル張りである[12]。中央ホールの天井にはオニックス張りで、天井から洩れる光を通して荻須高徳の芸術家としての意志や作品製作時の沸き立つ高揚感を表現している[12]。
施設
- 敷地面積 - 17,060平方メートル
- 美術館棟 - 建築面積1,058平方メートル、延べ床面積1,068平方メートル、RC造の平屋建で塔屋付き。展示室として常設展示室と一般展示室、資料展示室を設ける。ほか、事務室、収蔵室、ポーチがある。
- アトリエ棟 - 建築面積227平方メートル、延べ床面積234平方メートル、RC造2階建て。荻須高徳の遺品を実際のアトリエと同様に配置したアトリエ復元展示室のほか、展示ギャラリー、画材収納室、ビデオ視聴及び談話のコーナーがある。
主な所蔵品

1985年(昭和60年)時点で、荻須高徳の油絵は常設展示で10点のほか、水彩画7点やデッサン、リトグラフ、ペンの素描などを所蔵していた[13]。晩年のアトリエを復元展示し、荻須が実際に使用したパレットや絵筆も展示する。
常設展示室に荻須高徳の油絵・水彩画・素描を展示し、一般展示室で企画展や個展、グループ展を行う[5]。
- 晩年のアトリエの復元展示
- 遺品の絵筆
- 遺品の画材道具
主な企画展
- いなざわ公募展(昭和59年~平成10年)毎年開催され、最優秀作品は稲沢市が買い上げていた
- 1993年(平成5年) 開館10周年記念特別展「黒田清輝と藤島武二展」
- 1998年(平成10年) 開館15周年記念特別展「エコール・ド・パリの異邦人 -パスキンを中心に-」
- 2003年(平成15年) 開館20周年記念特別展「マリー・ローランサン展」
- 2006年(平成18年) 特別展「没後20年荻須高徳展」
- 2008年(平成20年) 特別展「市制50周年・開館25周年記念荻須高徳展~新収蔵品と寄贈リトグラフを中心に~」
- 2013年(平成25年) 市制55周年開館30周年記念特別展「日本画家が描いた西洋風景 -滞欧作を中心として-」
- 2018年(平成30年) 市制60周年開館35周年記念特別展「山形美術館の名品と荻須が見たパリ画壇」
- 2021年(令和3年) 特別展「生誕120周年記念 荻須高徳展 -私のパリ、パリの私-」
- 2023年(令和5年) 市制65周年開館40周年記念特別展「長谷川潔展 -京都国立近代美術館コレクション-」
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利用案内
- 開館時間
- 9:30 - 17:00
- 休館日
- 月曜日(祝日の場合は翌日)、祝日の翌日、年末年始、国府宮はだか祭の日。
- 入館料
- 常設展示室は有料(一般:310円、高・大学生:210円、小・中学生:50円)。
- 一般展示室については無料(特別展・企画展についてはそのつど料金を設定)。
現地情報
- 所在地
- 愛知県稲沢市稲沢町前田365-8[5]
- 交通アクセス
- 名鉄名古屋本線「国府宮駅」から徒歩で約20分。
- 名鉄名古屋本線「国府宮駅」から名鉄バスに乗り換え「美術館・保健センター」バス停で下車。
- 名神高速道路一宮ICもしくは東海北陸自動車道一宮西ICから車で約20分。
- 東海北陸自動車道一宮稲沢北ICから車で約15分。
- JR東海稲沢駅から車で10分[5]
- 近隣施設
- 名古屋文理大学(稲沢市美術館大学パートナーシップ事業参画)
- 稲沢公園
- 稲沢市保健センター
- 稲沢市立稲沢西中学校
- 性海寺
- 尾張大国霊神社(国府宮神社)
脚注
参考文献
関連項目
外部リンク
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