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筒井富栄

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筒井 富栄(つつい とみえ、1930年6月22日 - 2000年7月23日)は歌人

経歴

1930年、物理学者筒井俊正の長女として東京都に生まれる。1943年跡見高等女学校に入学するが、戦時下のため山梨県甲府市に疎開し、山梨県立第一高等女学校(現山梨県立甲府西高等学校)に転校。終戦後は東京転入規制のため、埼玉県浦和市立高等女学校(現さいたま市立浦和高等学校)に転校する[1]

1948年住友銀行東京支社に入社し秘書を務めるが、社会人になってまもなく脊椎カリエスに罹り、2年間寝たきりの生活を送った。快癒後始めた染色を通じて荻野須美子[2]と知己を得、1956年、歌誌「近代」(1963年に「個性」と改題)に入会、加藤克巳に師事する。

1959年、「右左そつぽをむいた朱の靴の止め金澄んだ抵抗をもつ」「台風が沖をかすめて 空白  口紅をかえてみた」「積乱雲 ひと さかなみたいにすれちがい街角にじれて じれて立つ」といったはち切れんばかりの勢いがある作品[3]を収める合同歌集『原始』を堀江典子池永祥子とともに上梓、デビューする。「個性」の筒井富栄追悼特集に、長年の友人である堀江典子は「一貫して幻想性のある詩情(ポエジー)を歌い上げた。だが、彼女の歌にはいつも悲しみが背後に尾をひいていたと思う」と記している[4]

また、染色作家としても活躍した。

晩年はパーキンソン病を煩い、長く闘病生活を送った。

長男は「短歌人」所属の歌人・村田馨であり、その妻は同じく歌人の天野慶である。2016年、村田によって『筒井富栄全歌集』がまとめられた[5]

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著書

  • 歌集『未明の街』 現代詩工房、1970年
  • 歌集『森ざわめくは』 短歌新聞社、1978年
  • 『十人の歌人たち 同時代作家論』 雁書館、1985年
  • 歌集『冬のダ・ヴィンチ』 雁書館、1986年
  • 『自解100歌選 筒井富栄集』 牧羊社、1988年
  • 『加藤克巳の歌』 雁書館、1992年
  • 歌集『風の構図』 砂子屋書房、1998年
  • 『筒井富栄全歌集』 六花書林、2016年

脚注

関連文献

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外部リンク

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