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Intel Celeron
インテルの x86 アーキテクチャの マイクロプロセッサ のうち、低価格PC向けの マイクロプロセッサに与えられるブランド名 ウィキペディアから
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Intel Celeron(インテル セレロン)はインテルのx86アーキテクチャのマイクロプロセッサのうち、低価格(エントリー、ローエンド、廉価)PC向けの マイクロプロセッサに与えられるブランド名である[1]。
![]() | 一部記述の掲載記事移動のお知らせ:本項では、P6 世代 から Core 世代 までのモデルを記述しています。Nehalem 以降とSoC用モデルの記述は、Intel Celeron (2010年)に移動されました。 |
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概要

1998年4月に Pentium II の廉価(もしくは低価格)版として登場し[2]、Pentium III、Pentium 4、Pentium M、Intel Core と、それぞれの製品とともに発売されてきた。
インテルはこれまで、新しいマイクロアーキテクチャのプロセッサの発売と共に、旧世代のアーキテクチャのプロセッサの価格を大幅に値下げすることで、競合するプロセッサメーカーの販売機会を奪ってきた。これによりCPU市場のシェアを高めると共に高い収益性を維持できた。
しかしPentium II世代になって登場したAMDのK6プロセッサは、Pentium IIに劣らない処理性能を持つまでになり、前世代製品であるMMX Pentiumプロセッサの価格を値下げしただけでは競合メーカーを抑えることは難しくなっていた。そこで高収益品の価格を維持するとともに競合メーカーと張り合えるだけの処理性能かつ安価な製品が必要となり、上位製品と同等のアーキテクチャを持つ低価格品として発売されたものである。
2003年頃までのインテルは基本的にデスクトップパソコン用とノートパソコン用で共通のマイクロアーキテクチャを採用しており、Celeronについてもデスクトップ用「Celeron」とノート用「モバイルCeleron」で共通のコアであった。しかし2004年頃、インテルが Pentium 4 向けに開発したNetBurstマイクロアーキテクチャは消費電力が高くなりすぎたため、モバイル用として従来品のPentium IIIに近いマイクロアーキテクチャを持つ Pentium M を開発せざるを得なくなった。これにより Celeron もデスクトップ用「Celeron D」とモバイル用「Celeron M」でそれぞれ別のアーキテクチャとなった。その後、デスクトップとモバイルの両用が可能なCoreマイクロアーキテクチャが開発されたことで再びアーキテクチャが統合され、2007年6月ごろから再び共通の「Celeron」へと再命名された。その後はデスクトップ用とモバイル用はプロセッサー・ナンバーで区別されるようになっている。
「Core i」ブランド登場以降のCeleronについてはIntel Celeron (2010年)を参照。
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デスクトップ向けラインナップ
要約
視点
P6 世代
Pentium ProからPentium IIIまで採用されたP6マイクロアーキテクチャを採用したもので、原則としてPentium IIおよびPentium IIIと同じSlot 1およびSocket 370のプラットフォームを用いる。
- Covington
Covingtonは 0.25μm版プロセスの最初のCeleronで、L2キャッシュメモリを持たない。実態は同世代のDeschutesのコア部分である。パッケージは、Pentium IIのカートリッジから基板のみを取り出したS.E.P.P.形状を採用。製造原価を抑えるためL2キャッシュを取り除いたために、L2キャッシュに依存するアプリケーションではPentium IIと比べ処理性能が低下したため、発表当初は不評だった。急きょ投入が決まった急造品の性格が強く、次期のCeleronの発売が行われたことから2製品を投入するのみに留まった。
日本のマニアユーザーにより、CPU本体のパッケージから出ている「とあるピン」との結線を切断しジャンパを1本飛ばすだけで、Pentium II同様に2CPUでのSMPが可能であることが発見され、安価なCeleronでのデュアルプロセッサブームの基となった。 また、L2キャッシュを持たないため、L2キャッシュが原因で動作クロックを上げられないPentium IIと比べ、オーバークロックして動作させる余地が大きい。オーバークロックを行った場合、L2キャッシュが効果を発揮しにくい用途においては、本来Pentium IIの廉価版であるはずのCeleronの方が、処理速度が速くしかも安価なシステムを構築できることがマニアユーザーの間で注目され、以降のCeleronブームと、オーバークロックブームの火付け役となった。
- 対応ソケット: Slot 1
- Mendocino


Mendocinoは0.25μm版プロセスで製造されたL2キャッシュ統合型Celeronで、128KBのL2キャッシュをコア内に内蔵する。Dixonと呼ばれるMobile Pentium IIがベースになっている。L2キャッシュはコアの1/2の速度で動作するPentium IIとは異なり、コアと等速で動作しライトスルー動作となっている。Covingtonに比べ処理性能的に同程度の動作クロックのPentium IIにそれほど劣らない。
L2キャッシュがCPUコアに内蔵された結果、マザーボードの製造原価を押し上げているSlot 1である必然性がなくなり、製造費用削減を重視したSocket 370版も登場した。やがてSocket 370対応マザーボードや、従来のSlot 1にSocket 370版Celeronを取り付ける変換アダプタの普及に伴ってSocket 370版が主流となり、466MHz以降ではSlot 1版がラインナップから消えた。Covingtonと同じく細工をすることでSMP機能を復活することが可能で、Socket 370版ではCPU本体に細工を加えずにSMP動作させることも可能となっていた。これを受けて、台湾の各マザーボードメーカーがSocket 370版のCeleronをSlot 1に装着する変換ボードには、軒並みSMP動作可能な設定を行うジャンパを追加して発売されるようになった。中でもAbit社からSocket 370版のMendocino以外では使用できないデュアルプロセッサのマザーボードBP6が発売されるなど、Dual Celeronブームが起こった。Covington同様、CPUを細工することで容易にオーバークロックが出来たため、引き続きオーバークロックに挑む人が増えた。
- 対応ソケット: Slot 1
- 対応ソケット: Socket 370
- Coppermine
Coppermine-128Kは0.18μm版Celeronで、128KBのL2キャッシュをコア内に内蔵する。実態は第二世代Pentium IIIであるCoppermineのL2キャッシュを半減し、デバイスに対してデータ転送などを要求してからその結果が返送されるまでの遅延時間(レイテンシ)を意図的に高くしたものである。Pentium IIIをベースとすることでCeleronでもSSE命令セットに対応するようになった。Pentium IIIには存在していたSlot 1版は発売されず、全製品がSocket 370版である。
この製品以降のCPUは、対称型マルチプロセッサ(Symmetric Multi Processor:SMP)動作機能が最初から不可能になっている。Coppermineのうち、初期のPentium III自体に本来備わっているはずのSMP機能が実装されていなかった。また、Coppermineの構造上、CPUコアが剥き出しのため、自作ユーザーの間でヒートシンクなどの装着時、コアの四隅に過大な力が加わり、コア自体を破壊してしまう「コア欠け」になる被害報告が続出した。ユーザーの過失による物理的破損となるため、初期不良保証や製品保証を受けることが出来なかった。この問題を受け、末期ロットのCoppermineコア以降、モバイル向けを除くCPUの構造ではヒートスプレッダが多く採用されることになった。
- 対応ソケット: Socket 370
- Timna
競合企業の低価格市場向け製品の成功により、Intelはより低価格なCeleronの発売企画を計画し、Coppermineを基本設計にメモリコントローラなどを統合したプロセッサTimnaおよびグラフィックス統合版Timna+を開発した。しかしTimnaに統合したメモリコントローラで利用できるメモリはDirect RDRAMのみであり、Direct RDRAMのメモリモジュール自体の発売価格がインテルの予想に反し安くならなかったことから、Timnaは低価格帯パソコンには不適合と判断され計画自体は中止された。0.25μm版MMX Pentium (Tilamook) の後にTimnaとTimna+の設計を担当することで経験を積んだIntelのイスラエルの開発チームは、後のPentium Mとそれに続くCoreマイクロアーキテクチャの開発を担当することとなった。
- Tualatin

Tualatin-256Kは0.13μm版Celeronで、256KBのL2キャッシュをコア内に内蔵する。第三世代Pentium IIIであるTualatinと実質同じものであるが、FSBは100MHzに抑えることでL2キャッシュのデバイスに対してデータ転送などを要求してからその結果が返送されるまでの遅延時間(レイテンシ)も大きく設定されている。SMP動作は無効になっている。
- 対応ソケット: Socket 370
NetBurst 世代
Pentium 4のアーキテクチャであるNetBurstマイクロアーキテクチャを採用したCeleron。Socket 478のプラットフォームを用いる。
- Willamette
Willamette-128Kは第一世代Pentium 4であるWillametteベースのCeleronで、128KBのL2キャッシュをコア内に内蔵し、180nmプロセスで製造される。Willametteコアと共に登場したSocket 423が不具合で早々と廃止されたため、Socket 478のみを採用している。L2キャッシュは、TualatinコアのCeleronと比べ半減しているが、デバイスに対してデータ転送などを要求してからその結果が返送されるまでの遅延時間(レイテンシ)はPentium 4と同じになった。
Pentium 4が130nmプロセスのNorthwoodへ移行したことで余剰となった180nmプロセスの製造ラインを活用し、NetBurstマイクロアーキテクチャで追加されたSSE2命令セットの普及を狙った戦略的な商品であったが、Tualatinと比較して製造原価が高いうえ、動作クロックの割に処理性能が見劣りすること、発熱量の多いNetBurstマイクロアーキテクチャであること、などが相まって市場の評判は芳しくなかった。拡充されていった130nmプロセスの製造ラインに余裕が出てくるとすぐ後継のNorthwoodへと移行し、製品としては短命だった。
- 対応ソケット: Socket 478
- Northwood

Northwood-128Kは第二世代Pentium 4であるNorthwoodベースのCeleronで、128KBのL2キャッシュをコア内に内蔵する。L2キャッシュはNorthwoodコアのPentium 4の4分の1となっており、処理性能そのものはそれだけ劣っている。ただし、WillametteベースのCeleronと比べ、消費電力は低減されている。デバイスに対してデータ転送などを要求してからその結果が返送されるまでの遅延時間(レイテンシ)がPentium 4と同じなのはWillametteコアのCeleronと同様である。
- 対応ソケット: Socket 478
- Prescott
Prescott-V (Prescott-256K) は第三世代Pentium 4であるPrescottベースで設計され、Celeron Dと呼ばれる。90nmプロセスで製造され、256KBのL2キャッシュをコア内に内蔵する。FSBは533MHz。キャッシュメモリとFSBが同時に強化された結果、NorthwoodベースのCeleronと比べると、処理性能そのものは大きく改善されている。
3.60GHzまでの製品が販売された。Socket 478版とLGA 775版が存在する。プロセッサーナンバーが重複しているものはLGA775の製品に「J」が付けられており判別が可能となっている。LGA 775版はバッファオーバーランを利用した攻撃プログラムの実行を防止するExecute Disable Bit(NXビット)に対応しているほか、一部の製品では64bit拡張であるIntel 64にも対応している。
- 対応ソケット: Socket 478
- 対応ソケット: LGA775
- CedarMill
Pentium 4が65nmの製造プロセスで製造されるCedarMillに移行したことに伴い、Celeron DもまたCedarMill-V (CedarMill-512K) との開発呼称の65nm版が発売された。性能はL2キャッシュが512KBへ倍増された以外は最後期のPrescott-Vと同一仕様である。熱設計電力(TDP)は84W版と65W版が存在する。
- 対応ソケット: LGA775
Core 世代
- Conroe

Conroe-Lは2007年6月3日に発表された製品。Coreマイクロアーキテクチャによるデスクトップ向けで、シングルコアである。
- 対応ソケット: LGA775
- Conroe-CL
Conroe-CLはCeleronブランドで唯一のLGA771仕様で、シングルコア。シングルソケットのi5100チップセットを用いたサーバに組み込まれ使用された。
- 対応ソケット: LGA771
- Allendale
Allendale-512KはCeleronシリーズで初めてデュアルコアを採用した製品で、デスクトップ向けCPU。L2キャッシュの容量を減らすことで、Core 2 Duoの最廉価版となっており、同じCore 2 Duoの廉価版であるPentium Dual-CoreよりもさらにL2キャッシュの容量が減らされた結果、512KBとなっている。
- 対応ソケット: LGA775
- Wolfdale
WolfdaleはLGA775のCeleronで初めて仮想化技術 (Intel VT) に対応した製品で、45nmプロセスルールで製造される。L2キャッシュの容量がE1000系の倍になっているのが特徴である。
- 対応ソケット: LGA775
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サーバー向けラインナップ
Pentium M 世代
- Sossaman
Value Sossamanは組込機器及びブレードサーバ向け。Dual Core Xeon LV Sossaman の片方のコアを無効化したもの。E7520及びi3100チップセットに対応。OEM向け販売のみで、単品での入手は困難。
Socket Mに対応するが Celeron M の呼称を付けずに発売された、インテルアーカイブでのシリーズ名は「Intel® Celeron® Processors with 667 MHz FSB」と表記されている。
- 対応ソケット: Socket M
モバイル向けラインナップ
要約
視点
P6 世代
- Dixon
Dixon-128Kはモバイル Pentium IIのDixonコアのL2キャッシュを半減(128 KB 内蔵)したCPUである。
- Coppermine

Coppermine-128Kはコア電圧等以外の大まかな処理性能はデスクトップ版と同等である。しかし、SpeedStepテクノロジには対応しない。
- Tualatin
Tualatin-256Kはコア電圧等以外の大まかな処理性能はデスクトップ版と同等である。しかし、Coppermine-128k同様にSpeedStepテクノロジは対応していない。
NetBurst 世代
- Northwood

Northwood-256KはNorthwoodベースのモバイルCeleron。デスクトップ向けのNorthwoodと違い、L2キャッシュが256KBとなっている。 モバイルPentium IIIベースのモバイルCeleronと同じくSpeedStepテクノロジは対応していない。
- Northwood
Pentium M 世代
- Banias

ノートPC向けCPU Pentium Mに使われているBaniasコアのL2キャッシュのうち半分を無効化することで1MBから512KBへと削減し、省電力制御である拡張版SpeedStep (EIST) を省略したCPUである。Celeron Mの名称が一般的である。
プロセッサー・ナンバー制が導入される以前から発売されていた600 / 800MHzで動作する超低電圧版は、プロセッサ・ナンバーではなくモバイルCeleron 600A MHz / 800A MHzの名称で販売された。 一方で、310、333についてはIntel発行の公式資料でもプロセッサーナンバーが無く、単純に動作周波数で表記されている場合がある。
対応チップセットは855GM/855GME/852GM。
- Dothan

Dothanコアを採用したPentium Mから差別化でL2キャッシュの半分を無効化して1MBに減量したもの。番号末尾にJがつくものと、370,380,390はExecute Disable Bit(NXビット)が有効になっている。このほかに、より低消費電力化するために、L2キャッシュを1MBから512KBへと半減させたモデルも存在する。
これと同様に90nmプロセスのDothanコアPentium M(ULV版)のL2キャッシュを512KBに制限したバリエーションとしては他にもIntel A100/A110 (コードネームStealey)が後にLPIAカテゴリの最初のシリーズとして開発されており、パッケージングは異なるものの本コアの派生品と指摘されている[3]。ただしこちらは対応チップセットが次世代の945系で、Coreアーキテクチャ(からVTやx64を省略したもの)に位置付けられている[4]。
対応チップセットは、855GME (350、360) と915GMとRadeonXpress 200M。
- Yonah

65nmプロセスで製造されるYonahコアを採用するCore SoloからL2キャッシュを半分の1MBに減量し、省電力制御である拡張版SpeedStep (EIST) 及び仮想化技術 (Intel VT) を省略したもの。
対応チップセットは、945GM/940GMLとATI RADEON XPRESS 200M。
Core 世代
- Merom

シングルコア版は、65nmプロセスで製造されるCoreマイクロアーキテクチャのCore 2 Soloに使われているMeromのL2キャッシュを2MBから1MBに半減させ、省電力制御である拡張版SpeedStep (EIST) 及び仮想化技術 (Intel VT) を省略したCPUである。
モバイル向けCeleronとしては初めてIntel 64に対応している。発売当初はMeromコアを使用し製造されていたが、後にL2キャッシュの全容量が4MBから2MBに減量されたMerom-Lコアに変更された。ただし、どちらであっても実際に使用できるL2キャッシュは1MBである。
当初はCeleron Mブランドで販売されていたが、Celeron 540の発売からCeleronブランドとなった。その後、Celeron M 530もCeleron 530として発売された。プロセッサ・ナンバ末尾5のみExecute Disable Bit(NXビット)対応。Celeron 523および573は超低電圧版。なお、デュアルコア版CeleronのT1400とCore SoloのT1400でプロセッサーナンバーが重複するが、あちらはSocket M対応のシングルコアで、Yonahを基本とした別の製品であるので購入するときは注意が必要である。
対応チップセットは、533MHz製品がGL960、667MHz製品がGL40、TシリーズがGM45/GL40。
- Conroe
- Penryn
Penryn-Lはモバイル用途向けのCPUである。45nmプロセスで製造される。 SUシリーズは、CULVノート向け低電圧版デュアルコアCeleron。さらにEIST、Intel Thermal Monitor 2に対応する。
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脚注
関連項目
外部リンク
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