Common Desktop Environment

ウィキペディアから

Common Desktop Environment

Common Desktop Environment(「共通デスクトップ環境」の意、CDEと略記)は、UNIXおよびOpenVMS用のデスクトップ環境である。商用UNIXワークステーションにおけるデスクトップ環境として、かつて標準の地位にあった。

概要 開発元, 初版 ...
Common Desktop Environment
Thumb
Thumb
CDE running on GNU/Linux
開発元 The Open Group
初版 1993年6月 (31年前) (1993-06)
最新版
2.5.2[1]  / 2023年11月18日 (17か月前)
リポジトリ
対応OS UNIX, OpenVMS,FreeBSD,NetBSD,OpenBSD,Linux
種別 デスクトップ環境
ライセンス LGPLv2
公式サイト sourceforge.net/projects/cdesktopenv/ 
テンプレートを表示
閉じる

GUIツールキットMotifをさらに拡張したものである。2012年にオープンソース化された。

歴史

要約
視点

CDE は1993年6月、ヒューレット・パッカード (HP)、IBMUSLサン・マイクロシステムズCommon Open Software Environment (COSE) イニシアチブの協業の一環として共同開発することを発表した。ベースとなったのは、HPの VUE英語版 (Visual User Environment) である。VUE自体は Motif Window Manager英語版 (mwm) から派生している。IBMは Common User Access モデルとワークプレース・シェルを提供した。ノベルUNIX System V からデスクトップマネージャの部品とスケーラブルシステム技術を提供した。Sunは OpenWindows 環境から ToolTalk英語版 というアプリケーション連携フレームワークと DeskSet という生産性ツールを提供した(メールクライアントやカレンダークライアントなど)[2]

1994年3月、CDEの管理は Open Software FoundationUNIX International が合併した新たなOSFが受け持つこととなり[3]1995年9月、MotifとCDEを1つのプロジェクトとしたCDE/Motifが発表された[4]1996年にはOSFが新たに結成されたThe Open Groupの一部となっている[5]

2000年頃まで、CDEはUNIXデスクトップのデファクトスタンダードとみなされていたが、KDEGNOMEといった自由ソフトウェアのデスクトップ環境が急速に成長してLinuxプラットフォームで広く使われるようになった。その当時、既にLinuxは全商用UNIXよりも広く使われていたのである。レッドハットはLinuxベンダーとしては唯一CDEを移植していたが、KDEやGNOMEに押されて消えていった。

2001年、商用UNIXベンダーであるサン・マイクロシステムズ (Solaris) は、ワークステーションの標準デスクトップとしてCDEを段階的に廃止してGNOMEに移行することを発表した。2005年初めにリリースされたSolaris 10にはCDEとGNOMEベースの Java Desktop System が含まれている。2011年11月リリースのSolaris 11にはデスクトップ環境としてはGNOMEのみがあり、MotifやTooltalkといったCDE関連ライブラリもバイナリ互換性のために残っている。またOpenSolarisプロジェクトではCDEをオープンソース化することはないと言明した[6]

HPOpenVMSでは、標準のデスクトップ環境としてCDEを採用している。

Motifは2000年に Open Motif としてリリースされたが、その "revenue sharing" ライセンスはオープンソースとしての定義には完全には合致しないし、自由ソフトウェアとしての定義にも合致しない。The Open Groupはこれをオープンソース化したいと考えているが、十分にできているとは言えない[7]。2006年、The Open Groupに対してCDEとMotifのソースコードをフリーなライセンスで公開してほしいという請願がなされた[8]

Xfceデスクトップは一時期ルック・アンド・フィールをCDEに似せていたが、既に変更された。

CDE のオープンソース版を独自に開発するプロジェクトOpenCDEが2010年に始まった。CDEのソースコードを全く使わずに、CDEのルック・アンド・フィール、構成、機能を再現することを目的としている[9]

2012年8月6日LGPLv2でオープンソース化され公開された[10]

CDE を使っているオペレーティングシステム

CDEプロジェクトの下での開発

2014年3月、自由ソフトウェアとなってからの初めてのCDEの安定版(2.2.1)がリリースされた[12]

バージョン2.2.2(2014年7月リリース)から、CDEはFreeBSD 10において、デフォルトのClangコンパイラでコンパイルすることが可能である[13]

バージョン2.3.0(2018年7月リリース)から、CDEはLinuxでTIRPIを利用するようになり、insecure modeで実行するためにポートマッパーとrpcbindは必要とされなくなった。また、Xprintはもう使われておらず、BSDにおいて最初にMotifのカスタム版をインストールすることなくコンパイルすることができる。複数ディスプレイはXineramaによってサポートが改善されている。

自由ソフトウェアとしてリリースされてから、CDEは下記のシステムに移植された[14]

CDEプロジェクトは将来のプロジェクトのゴールとして以下のものを含んでいる。

  • Linux、BSDや他のUnix系のプラットフォームでの移植性を向上させる。
  • さらに他の言語に国際化を進める。

脚注

参考文献

外部リンク

Loading related searches...

Wikiwand - on

Seamless Wikipedia browsing. On steroids.