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JR東日本E261系電車

東日本旅客鉄道の直流特急形電車 ウィキペディアから

JR東日本E261系電車
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E261系電車(E261けいでんしゃ)は、 東日本旅客鉄道(JR東日本)の直流特急形電車2020年令和2年)3月14日に、首都圏と伊豆方面を結ぶ特急サフィール踊り子」として運用を開始した。

概要 基本情報, 運用者 ...
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概要

JR東日本の「グループ経営構想V(ファイブ)〜限りなき前進〜」(現在は後継のグループ経営ビジョン「変革2027」へ移行)のもと、観光流動の創造と地域の活性化を目的として、伊豆エリアに向けた新たな観光特急列車サフィール踊り子」用の車両として導入され、2020年(令和2年)3月14日より営業運転を開始した[1][2][4]。本形式の導入に伴い、それまで「スーパービュー踊り子」に使用されていた251系が全車置き換えられている。

トータルデザインは奥山清行が率いる「KEN OKUYAMA DESIGN」が担当した[4][5]

全車グリーン車で、その内1号車にはJR東日本初のプレミアムグリーン車、2・3号車にはグリーン個室、4号車にはカフェテリア(ヌードルバー)を連結している[4][5]。JR東日本の在来線特急車両のグリーン車は255系以降4列配置が基本となっていたが、本形式ではグリーン車は3列配置、プレミアムグリーン車は2列配置となっている。

車内チャイム車載メロディミュージックホーンは、すべて福嶋尚哉作曲のオリジナルのものを使用している[6][注釈 1]

2021年鉄道友の会選定のローレル賞を受賞している[7]

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構造

要約
視点

車体

車体はアルミニウム合金製で、中空押出形材を使用したダブルスキン構造を採用している[8]

外観のデザインコンセプトは「伊豆の圧倒的で雄大な自然」で、外装色の紺碧色は「伊豆の」、白色は「伊豆の砂浜太陽の光を受けて金色に輝く様子」、グレーは「溶岩地形である城ヶ崎海岸の黒々とした岩石」を表している[4][5]

側窓は側面だけではなく、側天井部に天窓を設置している[8]。側天井部の窓には、遮光用カーテンを設置しないため、可視光透過率の低いガラスを使用している[8]

車内

トイレは2・3・5・7号車に洋式便所・男性用小便所・洗面台を配置しており、このうち5号車の洋式便所は大型電動車椅子対応型となっている[8]

全席にコンセントを配置している[8]

バリアフリーとして、5号車に車椅子対応座席を2席配置している。また、多目的室を配置しており、室内には簡易ベッドとして使用できる座席を配置している[8]

グリーン車

プレミアムグリーン車はバックシェル付きの電動リクライニング本革シートを1人用2席 × 10列配置しており、シートピッチは1,250 mm[8]荷棚の設置は省略して、座席下に荷物スペースがあるほか、専用の荷物置き場を有する[8]

グリーン車は座席はE5系新幹線のグリーン車用を基本とし、高級感を持たせている[8]。電動レッグレスト、座席上部の読書灯が手元のスイッチで操作可能。シートピッチは1,160mm[8]。背面式テーブル(車端部席ははね上げ式テーブル)及びひじ掛け内に小型のテーブルが収納されており、ドリンクホルダーも装着されている。

荷棚はアルミフレームに強化ガラスをはめ込んだものとしており、天窓からの太陽光を感じられるようにした[8]。室内の東京寄り(8号車は伊豆急下田寄り)に荷物置き場を設置している[8]

個室(座席)は伊豆急下田方面に向かって左側にあり、海側の眺望に配慮している[8]

カフェテリア

オープンキッチンスペースと食事スペースから構成される[8]。食事スペースは海側にカウンター席を8席、山側にソファー席を4人分 × 2か所配置している[8]

主要機器

制御装置には日立製作所製のフルSiCモジュール(SiC-MOSFET)適用の2レベル方式VVVFインバータ制御(SC121形)で[3]、各電動車毎に制御装置を搭載する1C4M方式を採用する[9]

主電動機はE235系と同様、MT79形外扇式全密閉かご形三相誘導電動機(定格出力140 kW)を採用している[9]歯車比は1:5.65[10]

制動装置は回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ方式としている。直通予備ブレーキ耐雪ブレーキ抑速ブレーキ機能を有する[10]

台車は、軸梁式ボルスタレス台車で動力台車がDT88、付随台車はTR272(クロのみ前位台車がTR272A)となっている。製造は日立製作所[9]。すべての台車にフルアクティブ動揺防止装置及びヨーダンパが付いている[10]。先頭台車のみ駐車ブレーキを装備している[9]

集電装置(パンタグラフ)は、上昇検知付きのシングルアーム方式で、型番はPS33Hとしている。5号車の伊豆急下田方には予備パンタグラフが設置されている[10]

補助電源装置はIGBT素子を使用した東洋電機製造製の待機2重系の静止形インバータ(SIV)を搭載する[9][11]。形式はSC106A形、出力電圧は三相交流440 V、定格容量は260 kVA[10][9]

空気圧縮機はMH3130-C1600F形を採用しており、毎分吐出容量は1,600 L[10]

冷暖房装置はAU302A形床下集中式空調装置を各車に1台搭載している。冷房使用時は出力42kW(36,000 kcal/h)、暖房使用時は出力20kW(17,200 kcal/h)のものとなっている[10]

保安装置はATS-PATS-SNを搭載している。またデジタル列車無線防護無線(自動発報機能付き)、EBTE装置が搭載されている[10]

Thumb
日立製作所製INTEROS

車両情報制御装置には、JR東日本の在来線旅客車両で2例目となるINTEROSを搭載している[10]

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形式

1 - 3号車は川崎重工業[12][注釈 2]、4 - 8号車は日立製作所で製造[13]

クロE261形(Tsc)
東京方先頭車で、8号車。定員24名。運転室と業務用室を配置、床下に補助電源装置を搭載[14]。この車両のみ席番が逆順となっており、東京方が1番席となる。
クロE260形(Tsc')
伊豆急下田方先頭車で、1号車。定員20名のプレミアムグリーン車で、座席は海側寄りに1+1列配置。運転室を配置、床下に補助電源装置を搭載[14]
モロE261形
0番台(M1s)
5号車。定員14名。車椅子対応座席と多目的室、AED、車椅子対応トイレ設備を有する[14]。モロE260形0番台とユニットを組む。集電装置(2基)と主制御器を搭載[14]
100番台(M1s1)
3号車。4人個室が2室と6人個室が2室の計4室20名のグリーン個室、トイレ設備を有する[14]。モロE260形100番台とユニットを組む。集電装置(1基)、空気圧縮機、主制御器を搭載[14]
200番台(Ms)
7号車。定員30名。トイレ設備を有するほか、集電装置(1基)と空気圧縮機、主制御器を搭載[14]
モロE260形
0番台(M2s)
6号車で、定員36名。モロE261形0番台とユニットを組む。床下に主制御器、蓄電池を搭載[14]
100番台(M2s1)
2号車。4人個室が2室と6人個室が2室の計4室20名のグリーン個室、トイレ設備を有する[14]。モロE261形100番台とユニットを組む。床下に主制御器を搭載[14]
サシE261形(TD)
4号車。カフェテリア、オープンキッチン、車販コーナー、車販準備室がある[14]。床下に蓄電池、水タンク、汚水タンクなどを搭載[14]

編成表

8両2編成(RS1編成・RS2編成)が大宮総合車両センター東大宮センターに配置されている。

さらに見る 形式, 定員 ...
プレミアムグリーン車
グリーン車(2・3号車はグリーン個室)
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運用

2020年3月14日ダイヤ改正より特急「サフィール踊り子」として、東京駅・新宿駅[注釈 3] - 伊豆急下田駅間で営業運転を開始した[1][2]

定期列車1往復と臨時列車1往復が運転されている[1]

このうち、サフィール踊り子1号・2号は毎日運転の定期列車として、3号(月・木・金曜日)・4号(火・水曜日以外の毎日)は臨時列車として[注釈 4]、それぞれ東京駅 - 伊豆急下田駅間、5号は土休日に新宿駅 - 伊豆急下田駅間で運転される。

さらに見る サフィール踊り子1号, サフィール踊り子2号 ...
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脚注

参考文献

外部リンク

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