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LOVE (ビートルズのアルバム)
ビートルズのアルバム ウィキペディアから
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『LOVE』(ラヴ)は、2006年11月に発売されたビートルズのリミックス・アルバム。シルク・ドゥ・ソレイユのミュージカル『LOVE』のサウンドトラックとして制作された作品で、ビートルズの楽曲のマスターテープやデモ・テープを使用して、コラージュやリミックスを施した音源が収録された。
なお、本作は2016年に死去したジョージ・マーティンがプロデュースした最後のアルバムとなった。
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背景
ジョージ・ハリスンが生前、シルク・ドゥ・ソレイユの創設者であるギー・ラリベルテと意気投合し、ビートルズの楽曲を使用した公演を行うことが考案された[3][4]。
ジャイルズ・マーティンは、はじめに「ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー」と「トゥモロー・ネバー・ノウズ」を組み合わせたデモ音源を制作し[5]、ポール・マッカートニーとリンゴ・スターに聴かせた。マッカートニーとスターはこのデモ音源を高く評価し、ジョン・レノンの未亡人であるオノ・ヨーコやジョージ・ハリスンの未亡人であるオリヴィア・ハリスンと共にビートルズの楽曲の使用・編集を許可した[6]。その後、ジャイルズの父でビートルズの楽曲のプロデューサーを担当したジョージ・マーティンとの共同プロデュースにより、ビートルズのオリジナル213曲のうち、130曲もの楽曲のアウトテイクなどをリミックスされた。
CDおよびDVD-AUDIOには26曲収録され、2011年にiTunesでの配信が開始された際に「フール・オン・ザ・ヒル」と「ガール」の2曲がボーナス・トラックとして追加された。
本作についてマッカートニーは「このアルバムによってビートルズは復活した。なぜなら、突然ジョンとジョージがぼくやリンゴと共に演奏しているんだからね。まるでマジックみたいだ」、リンゴは「ジョージとジャイルズはいろんな楽曲を素晴らしい具合に組み合わせた。すごくパワフルだ。僕らが録音したことさえ忘れていた音までも聴くことができた」と語っている[7][8]。
全英アルバムチャートやオリコン週間アルバムチャートで最高位3位[9][10]、Billboard 200で最高位4位を獲得[11]。英国レコード産業協会とアメリカレコード協会からは2×プラチナ認定を受け、日本レコード協会からはプラチナ認定を受けた[12]。
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収録曲
- 邦題の表記は、公式サイトに準拠[13]。
- 特記を除き、作詞作曲はレノン=マッカートニー。
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曲の解説
要約
視点
ビートルズのオリジナル213曲のうち、130曲もの楽曲のアウトテイクなどをリミックスした楽曲が収録されており、中には音の定位が変更されたものや、楽器のバランスが変更された楽曲も存在する。
- ビコーズ
- 「アクロス・ザ・ユニバース」(『ノー・ワンス・ゴナ・チェンジ・アワ・ワールド』収録テイク)の鳥のさえずりが登場する[14]。なお、元の音源では7秒程しかなかったため、BBCのライブラリーからモリバトの鳴き声が加えられている[15]。曲の最後には「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」のオーケストラを逆回転した音が入っており、次の曲に繋がるアレンジになっている。
- ゲット・バック
- 「ア・ハード・デイズ・ナイト」の冒頭のギターフレーズから始まる。この他、「ジ・エンド」のドラムとギターソロ、「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド (リプライズ)」のパーカッション、「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」のオーケストラが加えられている[16]。歓声は1965年のシェイ・スタジアムでのコンサートのもの[15]。
- グラス・オニオン
- ショートバージョンでの収録。「今日の誓い」のギター[5]のほか、「ハロー・グッドバイ」、「マジカル・ミステリー・ツアー」、「ペニー・レイン」、「オンリー・ア・ノーザン・ソング」、「エリナー・リグビー」の要素が加えられている[17]。
- エリナー・リグビー / ジュリア
- 『ザ・ビートルズ・アンソロジー2』に収録の伴奏のみの音源を頭に置いている。ビートルズのアーカイブを管理しているアラン・ラウズの技術により、没になった音源とコラージュされている[5]。
- 「エリナー・リグビー」終了後、「ジュリア」のギターのアルペジオに乗って「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」や「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」、「レボリューション9」の音が流れて次曲に移る[15]。
- ドライヴ・マイ・カー / 愛のことば / ホワット・ユー・アー・ドゥーイング
- メドレー形式。表題の3曲の他に、「タックスマン」のギターソロ、「サボイ・トラッフル」のホーンセクション[18][1]、「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」のコーラス、「ヘルター・スケルター」の効果音が登場する[19] 。
- ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト / アイ・ウォント・ユー / ヘルター・スケルター - Being For The Benefit Of Mr Kite ! / I Want You (She's So Heavy) / Helter Skelter
- 『LOVE』の監督が「ヴィクトリア朝時代のおどろおどろしいサーカス」を思い描いていたことから、マーティン親子は「ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト」を全く異なる観点からアプローチすることを考案[5]。
- 「ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト」をベースに、「アイ・ウォント・ユー」のリフレイン[18]、「ヘルター・スケルター」のボーカル、さらに「グッド・モーニング・グッド・モーニング」の馬の鳴き声[5]や「クライ・ベイビー・クライ」のハーモニウム、「ピッギーズ」の笑い声などをコラージュしている[15][22]。
- ストロベリー・フィールズ・フォーエバー
- オノ・ヨーコ所有・提供のデモ・テープから始まり、『アンソロジー2』に収録のテイク1とテイク7、さらにリリース版で使用されたテイク26がコラージュされている。曲の後半部分には「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」のオーケストラによる間奏、「イン・マイ・ライフ」のピアノソロ、「ペニー・レイン」のトランペットソロ、「ピッギーズ」のチェロとハープシコード、「ハロー・グッドバイ」のコーダが重ねられている[18]。
- 当初ジャイルズによって最初期のテイクと最終バージョンを組み合わせた音源が制作され、ジャイルズが休暇中にジョージ・マーティンが可変速テープマシーンを駆使してすべてのテイクのキーをBに変更させた。その後、6週間にわたって多数のトラックを組み合わせて、新たな音源が制作された[5]。
- ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー / トゥモロー・ネバー・ノウズ
- 「トゥモロー・ネバー・ノウズ」のドラムとベースの上に、「ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー」のボーカルを乗せた音源[16]。次曲との繋ぎの部分には「レイン」のボーカルを逆回転させたものや「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」の逆回転させたシンバルの音が使われている[15]。
- ミュージック・ビデオが制作され「マジカル・ミステリー・ツアー」や「ハロー・グッドバイ」等の映像を使用し、インド的な幾何学模様をコラージュしている。このPVは2015年に発売された『ザ・ビートルズ1+』に収録されている。
- ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ
- 「ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト」のドラムロール、「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」のブラス、「トゥモロー・ネバー・ノウズ」の効果音、「ベイビー・ユーアー・ア・リッチ・マン」のクラヴィオライン、「オールド・ブラウン・シュー」のオルガンが加えられている[15][16]。
- レディ・マドンナ
- 「ホワイ・ドント・ウィ・ドゥ・イット・イン・ザ・ロード」のドラムス、「オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ」のパーカッション、「ヘイ・ブルドッグ」のギターリフ、「アイ・ウォント・ユー」のビリー・プレストンによるオルガンソロ、「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」のエリック・クラプトンによるギターソロが含まれている[5][23]。
- カム・トゥゲザー / ディア・プルーデンス / クライ・ベイビー・クライ
- 「カム・トゥゲザー」のエンディングが「ディア・プルーデンス」のエンディング部分とクロス・フェイドする編集が加えられている。曲終了後に「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」のピアノとドラム、「エリナー・リグビー」のストリングスが加えられた「キャン・ユー・テイク・ミー・バック?」が流れて次曲に繋がる[5]。
- レボリューション
- CDではショートバージョンで収録されたが、DVD-AUDIOおよびiTunes Store配信ではフルバージョンで収録されている。
- バック・イン・ザ・USSR - Back In The U.S.S.R.
- 前曲同様、CDではショートバージョンだが、DVD-AUDIOおよびiTunes Store配信ではフルバージョンで収録。
- アナログではここまでがC面。
- ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス
- 『ザ・ビートルズ・アンソロジー3』収録のデモバージョンをベースに、ジョージ・マーティンによりオーケストラのバックが付けられている[25][26]。
- 『LOVE』の監督とハリスンの未亡人であるオリヴィアがこの楽曲のデモテイクをショーに使うことを提案し、ボーカルが繊細すぎると判断したジャイルズがジョージ・マーティンにストリングスのアレンジを依頼[5]。なお、この楽曲がジョージ・マーティンがビートルズのためにスコアを書いた最後の楽曲となった[5]。
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チャート成績
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認定・セールス
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リリース履歴
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脚注
参考文献
外部リンク
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