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国鉄UC5形コンテナ
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国鉄UC5形コンテナ(こくてつUC5がたコンテナ)は、日本国有鉄道(国鉄)およびそれを継承した日本貨物鉄道(JR貨物)に籍を有する20ft有蓋コンテナ (ドライコンテナ) である。
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誕生から現在までのあらまし
要約
視点
この形式での登録は、現在の私有コンテナ形式付与基準とは大幅に異なる旧式扱いのために、新規登録は既に終了している。これにより最終登録完了後35年以上も経過した現状では、時折、数少ない現役UC5形コンテナ (西濃運輸所有) が数個積載された、今では非常に珍しいコンテナ列車の動画がネットにアップされているものの、この様に未だ現役で運用されている個数はほぼ全滅に近い微数程度ゆえに、この形式が消滅するのは時間の問題となっている。
実際の所有者及び使用者は、国鉄 ・ JR貨物以外の民間会社(ほぼ運輸会社)や、系列の団体等である。コンテナ製造会社は、製造初年度である昭和45年から登録終了となった昭和60年までの16年間で、当時鉄道車両の製作を行っていた富士重工業(※当時の社名)を始め、現在も鉄道車両製作を行っている東急車輛製造 ・ 近畿車輛 ・ 日本車輌製造他、鉄道車両ではないが、現在もトラック荷台及び特殊自動車車体の製作を行っている日本トレールモービル(※当時の社名) ・ 日本フルハーフ ・ 加藤車体工業(※当時の社名) ・ 金産自動車工業(※当時の社名)などである。
コンテナ本体の主たる材質として例えば、昭和45年9月に製造され本形式のトップナンバーとなった、日本通運所有の UC5-1 番 (東急車輌にて製造) はスチール製であるが、同じ日本通運所有で同年月に製造された連番続きの UC5-31 番 (日本フルハーフにて製造) は、四隅支柱を始め全体の骨格等を除く、胴体四面と天井面部位がアルミニウムを主体とした合板で造られたいわゆるアルミ製コンテナである。この様に各コンテナや製造したロットにより使用された材質及び、内外の構造等が多少異なる場合も多々在る。また、自重を含む総重量は、12.3t以下と定められているが、自重は2t前後が主流を占めるも各コンテナにより異なる。
なお、自重が最軽量の場合は、アルミ製コンテナでの約1.8tであり、逆に最大の重量コンテナは、部品点数の多いスチール製【片妻 ・ 片側L二方面全開タイプ】のコンテナに、更に室内の床面全体を通常は木製としているが、重量物輸送に特化する為に鉄板で補強した為に、日本トレールモービル製UC5 - 3518 - 3522(三黄通運所有、5個)の3.2tと言う、超ヘビー級の自重コンテナとなってしまった事例もある。またこのコンテナは、輸送するトラックの積載能力の関係でトラックへの積荷となるコンテナ総重量は、10tと軽量タイプとなり、この余波で実際に商品として積載出来る積荷は、6.8tと逆に最軽量となってしまった。しかし元々は特定の限られた製品輸送のために作られた[1]ある意味、特殊タイプのコンテナであった。
この様にこのUC5形コンテナ全盛期では、まだコンテナ用の荷役機器やトラックの積載能力等も現代の様には発達していなかった為に、全国展開しているコンテナでは最大値の12.3tに対応できるコンテナも多々あるが、その一方で主に限られた輸送区間での使用や、所有者又は荷主によっては総重量が10t程度に低く抑えられていた事例も多数ある。
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コンテナの特徴
要約
視点
このコンテナは、鉄道輸送の上でもっとも基本となる横長四角形の箱型のために、いわゆるコンテナへの貨物の出し入れの要となるドアの位置や構造が多様にある。
- ※コンテナ本体の扉(ドア)配置を略語にて表す。尚、略語の意味は下記の通りである。
【片妻一方面観音全開タイプ】

黒字で大きく『 西 鉄 』と表記されている部分の色あせたオレンジ色の観音開きドアが、なぜか半開き状態となっている。
【2004年9月 福岡/北九州市内】
- 更には構造が一番簡素な為に、特に圧倒的シェアを占めるスチール製は、短期間で大量生産が出るために製作コストも比較的安く、また片妻側の開閉口だけの単純なタイプのために、次項より順次触れるが、他の各種タイプみたいに本体の強度を低下させる様な要因も、一部のコンテナで見受けられるアルミ素材を外壁に使用している場合を除けば、一切ない頑丈な造りである。合せて定期的にコンテナ全体のさび落としや、全体塗装等の適切な運用管理をすれば、耐用年数も大幅に伸びるなど、資産価値としてのメリットが非常に大きいく、製作個数も首位を争う様に多くの使用者に好んで採用された。
【片妻 ・ 片側L二方面全開タイプ】

【1977年3月 大阪/旧、梅田貨物駅・南地区取扱所】

所有している会社数も、配備数も少数という非常に珍しいタイプ。
【1976年5月 岡山/東水島】
- コンテナ本体での片方(片端)の妻壁全面と、コンテナ本体での片方(片側)の全面を占めている折りたたみ形ドア(一般道の路線バスの前側にある、乗降口ドアの大型版)が、片側一方向面の中央部より左右に夫々、二枚一組の二つ折れ式として分かれて全面が観音開きに開閉する。つまりドア一枚辺りの高さはコンテナ本体と余り変わらないが、横幅はコンテナ全長を約四等分したほどの省スペース形となり、L字二方向で全面開閉する。
- ※同じ構造をした20ft形海上コンテナでの、片側四枚観音開きドアの実演動画。
- しかし、最大横幅の出し入れ口が確保されるために、小物等を満載状態でドアを開けた時の荷崩れによる落下受傷や、前記のドア開閉実演動画の後半部にも映っていた突風で左妻側に折りたたんだドアが戻りかける光景や、強風に煽られたりして跳ね返ったりするドアに打ち付けられたり、身体をコンテナとドアの間に挟まれる等の、ドア開閉時の作業労災事故率がこのUC5形コンテナ中では最も高い。また片面側は例えドアを閉めていても、片面側上部の横梁約6㍍弱部分は、元々比較的口径の小さい角形鋼材1本で上部の屋根端側の重量を支えている為に、常に相当の負荷が掛かっており、更にはコンテナの致命的宿命とも言える、不特定多数の運用下で、あらゆる方向からのダメージを受ける為にこの様な片側面が全開するタイプは比較的、実働耐用年数が短くなる傾向がある。
- 最悪なケースでは、JR貨物直営又は、管理委託を受けている直系私鉄のコンテナヤードでは、取り扱いの管理ルールが徹底している為に先ずありえないが、これら以外の施設で取り扱う場合( 例えば、通運のトラックターミナルや、大量に出荷する荷主の仮置き場等 )この20ftタイプのコンテナの上に、他の10ft又は12ft級コンテナを雪だるまの様に段積みして仮置きしてしまうケースがあり、この最悪のケースに見舞われたコンテナは、何の補強もない一本柱状態の上梁部分への極端な集中加重により致命傷となる。
- その他、ドア開閉構造は両サイドの片端柱に、上・中・ 下の三箇所または四箇所に分散して蝶番で固定されており、長期間の開放状態で使用したり、放置すると二つ折り扉自体の自重により、ドアが若干垂れ下がり、経年現象ゆえに次第に開閉のスムーズさを欠いたり、最悪の場合はコンテナ本体とドアとの密着部分に若干の隙間ができて、これが原因となった漏水事故が発生して積荷が傷むと言った構造的な問題がある。特に三箇所タイプが構造的にも弱いので、前記の不具合が比較的発生しやすい。
- 細かい所では、側面全体に付属している六本のロック棒が、コンテナ同士の擦れや荷役機器の接触で頻繁に変形したり最悪は折れ曲がる他、各ドア四面外周を覆っているゴムパッキンもやはり劣化するので、片妻一方のみ開閉二枚ドアタイプの三倍となる、片妻面 ・ 片側面で合せて六枚ものドアの保守などと、確かに荷役の作業効率などは非常に高いものの、全体の管理面では、サイド側のドア歪みによる積荷への漏水事故の多発 ・ 側面上部の撓みや破損 ・ 側面ドア面での凹みや、側面のドアロック棒修理・経年劣化や破損等での大量のゴムパッキン類の修理交換・ 更には、前項の様に構造的な脆弱性ゆえのコンテナの耐用年数が比較的に短い等、デメリットな面も多いタイプである。その為に、製作個数での首位を争うように大量に製作されたものの、逆に現役を早々と引退する固体が続出し、UC5形式としての終焉末期の現在では、既にこのタイプは一部の倉庫等に転用されて市中に残存する固体以外は、全滅していると思われる。
- なおこのタイプは、強度面の関係により製作会社に関係なく、全てスチール製のみで製造されている。
【片側一方面観音全開タイプ】

通常、床面は厚めの床板張りであるが、積荷によっては画像のように、圧延スチールコイル等の重量物輸送用に対応した、鉄板張り仕様もある。
(2008年10月)
- コンテナ本体での片方(片側)の全面を占めている折りたたみ形ドアが、前項の【片妻 ・ 片側L二方面全開タイプ】と同様に片側一方向面の中央部より左右に夫々、二枚一組の二つ折れ式として分かれて全面が観音開きに開閉する。また四枚からなる折戸ゆえのドアロック棒が六ヶ所も在るにもかかわらず、【片妻一方面観音全開タイプ】と同様にドアロックのかぎ掛け封印箇所が一箇所のために、製作個数は余りないものの、建ち込めた工場や通路の狭い倉庫からの袋詰された樹脂原料等の輸送に、好んで採用された。
- しかしその反面、荷崩れによるドア開閉時の作業事故の危険性は、【片妻 ・ 片側L二方面全開タイプ】と同様に、十分な安全対策が必要となる。またやはり片側面のほぼ全体の空間のために、同じ様に償却年数が比較的短く、維持管理費等のランニングコストが掛かる。
- なおこのタイプも、やはり強度面の関係により製作会社に関係なく、全てスチール製のみで製造されている。
【片妻観音開 ・ 片側中央部引き戸タイプ】

丸運が所有し、系列の大阪合同通運と共同で使用していた。
【1975年4月 東京/旧、汐留貨物駅】
- このタイプの最大のメリットは、例えば【片妻 ・ 片側L二方面全開タイプ】構造の様なコンテナを積載したトラックが、入出荷する倉庫の出入り口の前にピタッと止めた時に、側面の観音開きドアを広げるスペースが厳しい場合でもスライド式ドアを開戸して荷役することが出来る。しかし、コンテナの全長に対しての最大開口寸法は約半分弱程度の貨物出し入れ口だけしか確保出来ないのである意味使い勝手も悪く、特に長尺貨物輸送には不適格であった。
- 尚、このタイプを応用して中央の引き戸部分を観音開きに改良したタイプが、12年後の1983年に後述する【片妻全開 ・ 片側中央部観音ドアタイプ】として登場している。
【片妻全開 ・ 片側一部分面一枚ドアタイプ】

側面のSEINO文字の「SE」部分が扉になっている。
写真は西濃運輸が最初に採用した、第一次の企業カラー仕様。
【1992年4月 大阪貨物ターミナル駅】
【片妻全開 ・ 片側中央部観音ドアタイプ】

博多運輸所有。
【1985年10月 大阪貨物ターミナル駅】
【両妻面全開 ・ 貫通トンネルタイプ】

【1987年6月 東京/隅田川貨物駅】
- コンテナ本体の両方(両端)の妻壁側ドアが、相対的に二方向で所謂、貫通したトンネル状に観音開きで全面開閉する。
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特記事項
このコンテナ形式が出来た当時は、現在のように細分化されていないためにドライコンテナながらも現状としては通風コンテナ構造に近かったり、簡易ながら保冷機能を備えた特殊構造も少数ながら存在する。
個体番号別詳細
要約
視点
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この形式コンテナ登録数はUC5-1番から、最終登録の5526番迄の連番で登録 となっているために、一部の大量未登録欠番(1511 - 3000迄の1490個)や極一部での数個程度の未登録欠番等を除き、通算で約4000個位ある。
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脚注
参考文献
関連項目
外部リンク
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