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絶体絶命都市3 -壊れゆく街と彼女の歌-
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『絶体絶命都市3 -壊れゆく街と彼女の歌-』(ぜったいぜつめいとし3 こわれゆくまちとかのじょのうた)は、アイレムより2009年4月23日に発売されたPlayStation Portable用ゲームソフト。災害をテーマとしたサバイバルアクションアドベンチャー「絶体絶命都市シリーズ」の三作目。シリーズでは唯一日本のみの発売となっている。
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概要
前作『絶体絶命都市2 -凍てついた記憶たち-』から3か月後の2011年3月[注 1][注 2]の設定。また前作登場人物も2人登場しており[注 3]、作中で入手できる雑誌や新聞記事で僅かながら繋がりがある。
前作は水害から本作は大地震によって被災した海に浮かぶ大都市からの脱出がテーマとなる本作のサブタイトルには「彼女の歌」とある通り、ストーリーの随所でヒロインが歌で人々を勇気付ける歌唱シーンをムービーで描くなど、主人公と同行者とのボーイ・ミーツ・ガール的な内容が象徴的な要素となっている。今作から女性主人公も選択可能になったがストーリーそのものはほぼ変わらない。
ハードをPSPに移したことによりスケールは縮小されたが、火災旋風などの今までに無い災害やアドホックモードを使ったマルチプレイモードが追加された。作中の随所で入手閲覧できる防災マニュアルは防災・危機ジャーナリストの渡辺実が監修を務めており、ストーリーも防災マニュアルの記述に沿ってシミュレートする展開が多い。
2011年3月、『絶体絶命都市4 -Summer Memories-』の発売中止に前後し、『絶体絶命都市』の全シリーズが販売終了・廃盤。DL版の販売も中止されたことで入手はパッケージ版の在庫限りとなった。
2014年12月、アイレム社ゲーム部門の中核を担う名倉剛、九条一馬が独立したゲーム会社グランゼーラは、アイレムより『絶体絶命都市』シリーズタイトル(新規タイトルを含む)に関する全世界でのIPおよび販売権を取得[1]。ゲームアーカイブス配信が順次開始され、2015年7月29日には本作のダウンロード販売が再開された。
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ゲームシステム
要約
視点
複数の主人公が異なる立場で同じ災害に遭遇するオムニバスストーリーだった前作とは異なり、1作目同様に一人の主人公を操作して絶体絶命な状況をパートナーと生き抜くストーリーに戻った。
同行するパートナーには選択肢や行動で上下する好感度が設定されており、会話、エンディングなどに影響が出る(咲のみベンチで休憩した際の反応も変わる)。ただし、同行するパートナーはストーリーの展開で固定されており、前々作のようなルート分岐は無い。また、今作のパートナーは女性のみ。
前々作の「渇き」と前作の「体調」に代わり、今作では「体力」と、体力の上限値を圧迫し、イベントでも変動する「ストレス」に気を配らねばならない。また、体力が減ると視野が悪くなって走ることができなくなり、最後にはゲームオーバーとなる。ストレスは様々な出来事で増加し、激しい倒壊から逃げる際や、煙の中を進むシーンなど災害時の危機的状況はいずれもストレスになり得る。
回復にはアイテムやベンチでの休憩が必要で、パートナーの歌を聴く事でストレスを解消する事もできるが、力任せな雑なプレイではすぐに体力及びストレスが悪化するため、頭を使った丁寧、かつ迅速な操作が必要とされる。
体力は余震での転倒、飛んできた火の粉や瓦礫に接触、一定以上の高所から飛び降りるなどで減少するが、それとは無関係に倒壊に巻き込まれる、炎を浴びる、転落する、敵に捕まるなど、従来同様に即死するポイントは随所にある。本作では溺死や焼死など死因に応じたゲームオーバーモーションが用意されている。
ふんばり、ぶら下がり、またぎなど、基本操作は旧作を踏襲しているが、ボタン連打で体当たりするといった新操作もある。一方、前二作にあった乗り物を操作するシーンは一切存在しなくなった。
主人公は男女のどちらから選択するが、ステータスの影響と一部のキャラの対応などを除けばストーリーは全く同じである。また名前の変更は可能だが、変更すると名前が音声で読み上げられなくなる。
またゲーム内の行動と選択肢により変化していく性格と内容は以下の通り。
- 情熱型
- 感情を前面に出して行動や選択肢を多く選ぶとなる性格。ややストレスを受けやすい反面、咲の歌によるストレス回復効果が高い。アイテムによるストレス回復効果は普通。
- 冷静型
- ハプニングに動じず、冷静に物事を考える選択肢を多く選ぶとなる性格。ストレスを受けにくい反面、アイテムや咲の歌による回復効果も低い。
- 臆病型
- さまざまな事態に備え、何事にも慎重な姿勢で構える行動や選択肢を多く選ぶとなる性格。非常にストレスを受けやすい反面、アイテムによる回復効果も高い。咲の歌によるストレス回復効果は普通。
ゲーム中には自由に着替える可能な多数のコスチュームが配置されている。主人公の性別で異なる制服、私服、コスプレなどの他に、帽子、靴、手袋といった部位毎にもバリエーションが富んでいるものの、服は上下セットなので前作のような組み合わせは不可。また主人公の初期衣装や同行者の服は若干破れており、顔に汚れが付く演出はあるが、1作目の服が破損したり包帯が巻かれていく演出、2作目の濡れの演出といった状況に応じた外見上の変化は無くなり、同行者の着替えも不可能となった。入手したコスチュームは次周に引き継ぎ可能。
また、マルチプレイモードでのみ入手可能の装備やコンパスも存在する為、通信プレイが出来ないプレイヤーには手に入れる手段が無い。
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ストーリー
要約
視点
前作から3か月後の2011年3月。翌4月からセントラルアイランドの大学へ通うことになった主人公・香坂直希、または牧村里奈は、セントラルアイランドへ向かう高速バスに乗っていた。バスがセントラルアイランドの島へと続く海底トンネル「春崎ラグーンライン」内を走行中に大きな揺れが生じバスは横転、その衝撃で主人公は気を失った。
1日目
気がつくと車内の他の乗客は息絶えており、奇跡的に助かった主人公は急いで外に出る。崩れるトンネルを間一髪抜けると、車に挟まって身動きが取れない若い女性・本条咲と出会う。彼女を助けた主人公は共に地上を目指し、ようやくトンネルを脱出するが、眼前に広がるのは地震によって見る影もなく崩壊したセントラルアイランドだった。安全な場所を目指す二人は災難に見舞われるも、咲は歌い出し、空気を変えた。彼女は歌手志望であった。その後、銃を持つ謎の人物と遭遇し、死体も発見して二人の混乱は深まる。火災旋風を乗り越えてなんとか安全なビルに避難した二人はそこで一夜を過ごした。
2日目
避難所を目指す二人はホテル・ハイアーバンにて逃げ遅れた高校生の羽月彩水を救出する。彼女の怪我を治療するべく地下街の薬局に向かうが、ガス爆発に巻き込まれそうになって間一髪脱出する。そこで前日に会った謎の人物こと、刑事の氷川慶介と再び遭遇。彼は彩水の兄であるという。氷川を追う彩水と別れ、主人公と咲は再び避難所を目指した。
避難所では心身共に傷ついた被災者が集まっており、咲も元看護師として怪我人の手当てにあたる。やがて彼女は自作の歌を披露し、避難所の張り詰めた空気が和らいだ。しかし居合わせた地質学者の石沢要一がセントラルアイランドが水没する危険性を訴え、それを示すように余震も強くなる。人々は避難を始め、二人もその場を離れる。
雨足が強まり、崩壊が加速する中、二人は石沢に銃を向ける氷川と遭遇。しかし氷川は濁流に流されて行った。二人が石沢を助けると彩水も丁度合流する。氷川の意図は分からないまま4人は公園で一夜を明かす。その夜、崩れゆく街を眺めながら咲は再び歌った。
3日目
朝、石沢が姿を消しており、3人は心配しながらも避難を始める。咲の職場であった病院を抜け、市役所の避難所に着くも咲と彩水が暴徒に人質に取られてしまう。主人公は彼らの要求する食糧を探しにいき、なんとか咲と彩水を解放させる。しかし直後、彩水の父にしてセントラルアイランドの建設工事を行なった「羽月建設」の社長・羽月大悟がテレビで崩壊の責任転嫁をし、怒った暴徒はその娘の彩水に襲い掛かる。3人は暴徒から必死に逃げ、長い逃走の末に件の羽月建設ビルに逃げ込むが暴徒の追跡は止まらない。生きていた氷川に助けられつつも、咲と彩水とはぐれた主人公は崩れるビルを駆け上がる。
屋上では石沢が彩水を捕まえていた。彼は娘を羽月と繋がりの深い森田グループ会長の森田信輝、および羽月に殺され、その復讐の為に森田を殺した。しかし羽月には逃げられたため、その娘である彩水を殺して自分と同じ悲しみを与えようとしていた。咲の歌で石沢の気を引き、その隙に主人公と氷川によって彩水は救出されるが、実は石沢の娘の死はそもそも彩水と氷川が仕組んだものであった。彩水は母を蹂躙した森田と羽月を破滅させるため今回の事件を計画し、結果的に母の死に関わってしまった石沢親子を復讐の道具として利用していたのだった。その時、余震が発生する。結末はエンディングを参照。
登場人物
要約
視点
主人公
春からの新大学生。新生活のためにセントラルアイランドを目指していたが、島へと続く海底トンネルの中で地震に遭遇する。
- 香坂 直希(こうさか なおき)声 - 鳥海浩輔
- 男性主人公。19歳。里奈より体力面や段差を登る速度は勝るが、ストレス面では影響を受けやすい。2周目以降の選択肢次第では咲と恋愛に発展する展開が伺われる。性格は選択肢で変化するが、プレイヤー選択時には「情熱型」を思わせる反応をする。服装は変えられるが、初期の衣装は白いカーディガンとカラージーンズ[注 4]に青いスニーカー。
- 牧村 里奈(まきむら りな)声 - 広橋涼
- 女性主人公。18歳。直希より体力面や段差を登る速度は劣るが、ストレス面では影響が受けにくい。またアイテムが難しい場所に配置される傾向にある。性格は選択肢で変化するが、プレイヤー選択時には「臆病型」を思わせる反応をする。服装は変えられるが、初期の衣装は桜色のポロシャツと七分丈のジーンズ[注 4]に赤いローヒールパンプス。直希よりもコスチューム数が多く、作中の女性キャラの衣装も含まれる。
- 咲との恋愛関係への発展を伺わせる直希に対し、彼女の恋愛対象となるような男性キャラは存在しないが、その一方で彩水と親しくなると彼女から「お姉様」と呼び慕われる展開は用意されている。
同行者
- 本条 咲(ほんじょう さき)
- 声 - 生天目仁美
- ヒロイン[2]兼パートナー。セントアイランド市民病院で看護師をしていた女性。22歳。
- ミュージシャンになる夢を諦めきれずに島から出ようとしたところで地震に遭遇し、車と瓦礫の間に挟まって動けずにいた。偶然、通り掛かった主人公に助けられ、以降は一蓮托生となる。歌を歌わなくなった今でも歌声は聴く者の心を励まして勇気付けると共に、ゲーム中では歌を聴くことでストレスゲージを下げる事もできる。
- 気丈でどんな状況でも落ち着いているが、終始行動を共にする主人公の冗談まじりな返答にも柔軟に対応するノリの良い一面もある。一方で主人公に無視された時にはややショックを受けるなど傷付きやすくムキになりやすい一面もあり、羽月彩水との別れ際には手持ちの食糧を全部譲ろうとするなど年下にはお姉さんぶるところもある[注 5]。
- 空色のカーディガンとショートパンツにスパッツという服装であり、青いローヒールパンプスを履いている。マルチプレイでのみこれら衣装を入手可能。
- 過去にバンドメンバーだった彼氏と喧嘩別れしたが、後に彼の友人から父親の工場を継ぐためだと知る。公式サイトでは本作開始前に彼女が書いたという設定のブログが掲載されていた。
- 彩水が生存し、咲の好感度が高かった場合、2周目以降のエピローグで主人公にメールを送ってくる。新曲が仕上がったことや夢が叶ったことを明かした上で主人公をライブに誘う。終盤で告白する選択肢が存在する直希を主人公に選んでいた場合はエピローグにて彼に対して恋愛感情を見せるような一文が追加される。里奈の場合でも告白の選択肢は選べるが、恋愛的な意味ではなくあくまで友達として好きだとメールに書き、自身は別れた彼氏と再び向き合おうとする旨を伝える。
- 彩水が死亡した場合は1年後に手紙を送ってくる。誰も救えず、彩水まで死なせたという自責の念からミュージシャンの道を断念し、印刷工場で働き始め、そこで出会った男性と結婚することになったと伝える。主人公と彩水が二人とも死亡した場合はブログを更新しており、1年後もまだデビューには至らずアルバイトをしながら地道に路上ライブを続けているが、ライブ中に一瞬、主人公のような人物を見かけたと綴っている。
- 『巨影都市』や『絶体絶命都市4Plus』にも本作から唯一人出演している。
- 羽月 彩水(はづき あやみ)
- 声 - こやまきみこ
- 高校生。セントラルアイランドの建設工事を受注した「羽月建設」の社長・羽月大悟の娘。
- 大人しい性格で一見か弱い同行者だが、咲と違って一緒にベンチに座る事はなく、彼女と2人だけで行動する機会も殆ど無い(選択次第では一度も無い)。
- 実の兄のように尊敬し頼りにする氷川[注 6]を追って主人公達と別れるも、再会以降は行動を共にする。
- また、里奈を主人公に選んだ場合は選択肢次第では里奈のことを「お姉様」と呼び慕い、同時に心酔したような一面に加え、咲には嫉妬心を露わにするなどコミカルな面も見せる。
- 着ているのは通っている学校指定の制服で、紺色のブレザーとチェックのスカート、緑のハイソックスにローファーの組み合わせ。マルチプレイでのみこれら衣装を入手可能である。
- 実は震災の裏で起きていた石沢による森田信輝殺害計画[注 7]の首謀者であり、氷川と共謀して、森田と羽月が景子を殺すように仕向けた張本人。大人しい性格の裏に激しい憎悪と狡猾さ、親しい知人をも平然と利用する冷酷さも併せ持つ。
- 羽月建設がセントラルアイランドの工事受注と莫大な資金とを取るために、羽月が「森田グループ」森田に妻を差し出したことで生まれるが、2人の父親を「母を犠牲にし、蹂躙した」と憎悪して育つ。また、自身が不在の間に母が石沢の元妻に怨嗟の言葉をぶつけられ[注 8]、彼等が逃げるように病室を去った後で母が急死したことから石沢一家全員を母の死因と見做し、復讐に利用して破滅させようと目論んだ。
- しかし森田の始末には成功したものの、羽月には島を脱出され、自身も被災。思惑通り動かしたはずの石沢が暴走し、自身が命を狙われるという予想外の事態に口を滑らせ[注 9]、景子の死に関与していた事に気付かれて全てを告白。「復讐を果たして気が晴れたのか」「今からでも羽月を殺したいのか」と石沢に尋ねられるが果たしてそうなのかも、自分が何を望んでいたのかすらも何一つ判らなくなっていた。最後は屋上から落ちそうになった石沢を庇って海に転落し、プレイヤー次第で末路が変わる。
- 救出しようとした場合は主人公と共に救助されて生還し、2周目以降のエピローグでは主人公に手紙を送る。自身と氷川の証言で父の会社に捜査が入ったことと、自身が高校を辞めて氷川と離れて一人で暮らすようになったと伝え、主人公と咲を騙したことを謝罪し、機会があれば自身が働いている食堂に食べに来るように誘う。しかし復讐の為に石沢を殺人に駆り立てた自身と氷川の罪が咎められる事は最後まで無かった。救出しようとしなかった場合や、救出しようとはしたが咲と彩水の双方の好感度が低かった場合、海に転落して死亡する。
主要人物
- 氷川 慶介(ひかわ けいすけ)
- 声 - 成田剣
- 崩壊したセントラルアイランドに出没する謎の刑事。「羽月建設」の社長である羽月大悟の息子で、彩水の異母兄。同時に石沢の娘である景子の元婚約者でもある。森田の殺害現場で主人公と咲と出会い、以後も所々で遭遇する。
- 実は彩水の本当の父親は森田である為、実際は異父兄にあたる。彩水から母の復讐として石沢が森田と羽月大悟を殺すように仕向けるという計画を持ちかけられ、結局は断り切れずに協力をする。その後、計画の一端として景子に近付き、婚約。彼女が森田グループの不正を探るように仕向けていたが、それでも計画に反対の意を示していたために彩水を説得したり石沢を止めるような行動も行っている。
- 二日目の夕方に石沢を止めるべく、川に落ちた彼に銃を向けていたが、地震により逆に自分が転落して行方不明になってしまう。しかし生存しており、羽月建設ビルに先回りして暴徒から主人公達を救う。屋上では彩水を人質に取った石沢と対峙していたが、主人公と咲が石沢の気を逸らした隙に銃撃し、彩水を救出した。その後、彩水の告白と共に自身も景子を利用する為に近付いた事を白状し、真相を知った石沢に「景子を愛していなかったのか?」と問いかけられるも、はっきりとした返答をする事が出来なかった。彩水の転落を嘆くシーンが最後の出番となるが、彩水が生存し好感度が高かった場合のエピローグによると彩水とは離れて暮らすようになったことが伝えられる。
- 石沢 要一(いしざわ よういち)
- 声 - 菅原淳一
- 地質学者。かつてセントラルアイランドの開発に備わっており、島の地質調査を行ったことがある。また、娘である景子と共に羽月彩水を実の娘のように可愛がっており、それ故に彼女の行動を度々心配していた。セントラルアイランドの地盤が孕む危険性を訴え続けたが、後に危険性の事実を隠蔽した森田信輝と羽月大悟の策略によって学会を追放された。混乱の最中にあるセントラルアイランドで、その崩壊の危険性を説いていた所、主人公達と遭遇する。その後、氷川に襲われて川に流されかけたところを主人公達に助けられるが、その翌朝、突如として姿を消す。
- 実は森田殺害の犯人。娘の景子が森田と羽月に殺されたことを知り、復讐のために森田を殺害。やがてもう一人の仇である羽月大悟がすでに島を脱出していたことを知ると、今度は娘を失った自分と同じ思いを羽月に味わわせるために彩水を殺害しようと画策する。実際は自身の復讐は彩水と氷川に仕組まれた事であったのだが、真実を知らないまま彩水の命を狙うようになり、事態は首謀者である彩水の思惑とは全く別の方向に進み始める。
- かつて妻子と共に彩水の母の病室を訪れた際、当時の妻が羽月によって石沢が学会を追放された事への怨嗟の言葉を彩水の母にぶつけた為に、その死の遠因を作ってしまう(彩水はお茶汲みで不在だった)。その後元凶となった妻とは別れたものの、「家族ぐるみで母を死なせた」と見做した彩水に逆恨みされ、残った娘共々復讐の道具にされてしまった。復讐心に憑りつかれているが本来は善良な人物であり、殺人に手を染めながらも避難所では島の水没を訴え、被災者達の避難を促している。また、彩水の母の件でも石沢自身は妻を止めようとしており、景子の羽月建設就職にも彼女の身を案じて反対していた。
- 最後は羽月建設ビルにて彩水を捕まえて殺そうとしたものの、氷川の隙を突いた銃撃や咲及び主人公の行動によって阻止され、直後に一連の自分の行動が彩水と氷川の計画だったことや景子の死もその計画の一端であったことを知らされ、その場で項垂れながら絶叫する。氷川と彩水に問いかけるが、直後に余震で転落しそうになったところを自分を利用した張本人である彩水に助けられた。その後の去就については語られない。
その他の人物
- 森田 信輝(もりた のぶてる)
- 声 - 佐藤正治
- 様々な業種の企業を有する「森田グループ」の会長。財界や政界に顔が利き、セントラルアイランドの開発に携わっている。また、自分が持っていた島に首都機能を移転させることで島の価値を高め、政治に介入するための資金力の増大を狙っていたことが石沢の口から明かされている。地震発生時にトンネルの中で事故を起こし、バスから逃げ出した主人公の前で電話を掛けていたが繋がらず、死亡した運転手を罵倒して去って行く。その後、梅野通りのビルの中で死体と化していた。
- 嘗て、羽月大悟から首都機能移転候補地であるセントラルアイランドの工事受注に便宜を図るよう頼まれ、羽月建設に大規模な工事の仕事を取らせる代わりに莫大な資金と羽月の妻を差し出す事を要求した。その結果、羽月は要求通り妻を差し出したため、羽月の妻との間に彩水をもうけた。つまり彩水の実の父である。その後はセントラルアイランドに欠陥があって大都市計画は不向きであることを知るとそれでも開発を続けさせる為に羽月と共に事実を隠蔽する事を画策し、危険性を訴え続けていた地質学者の石沢要一を策略によって学会から追放させた。更に秘書の石沢景子に真実を知られると羽月と共謀し、口封じのために彼女を自殺に見せかけて殺害する。震災に巻き込まれた際には脱出の手段を探し続けていたが、最後は娘を殺害したという事実を知った石沢に殺害される。
- 本多 涼子(ほんだ りょうこ)
- 声 - 坂戸こまつな
- 前作(『絶体絶命都市2』)に引き続き登場した週刊報都の編集者。島の開発を独占して行ってきた森田グループと羽月建設の取材のためセントラルアイランドにやって来ており、単独で調査をしているが、避難所で出会った主人公と情報交換をした後は市役所でも再び遭遇する。服装は白いジャケットと黄色いパンツ、赤いパンプスに変わっており、里奈編でのみ入手可能。
- 比嘉 夏海(ひが なつみ)
- 声 - 立野香菜子
- 前作(『絶体絶命都市2』)や前々作(『絶体絶命都市』)に引き続き登場したセントラルアイランドのとある高等学校に新任した教師。災難続きの運命を嘆きつつも前向きに生きており、教師として責任感のある行動を見せては暴徒に拉致された生徒達を救おうと懸命に頑張っている。今作の服装は黒いジャケットとオレンジのスカート、ベージュのパンプスで、本多の服と同様に里奈編でのみ入手可能。
- 今回も3度目として災害に巻き込まれるが、主人公の選択次第で運命が決まり、助けた場合は生徒達とその場を離れるために主人公にお礼を告げて別れる。見捨てた場合は炎上する倉庫に置き去りにされて消息不明になる。次回作『絶体絶命都市4Plus』には登場する為、助ける展開が正史となる。
- 羽月 大悟(はづき だいご)
- 声 - 緒方賢一
- セントラルアイランドの建設工事を受注した「羽月建設」の社長で、羽月彩水と氷川慶介の父親。セントラルアイランドの崩壊の際には島から逸早く脱出をしている。後に島の欠陥説からなる大地震の責任問題をマスコミに問われるが、事実を否認した上で島の住民たちに責任転嫁する形で「文句を言うぐらいなら、島に住まなければよかったんですよ!」と言い放ち、結果として羽月の娘という事になっている彩水に怒りの矛先を向けた避難民が暴徒と化す事になる。
- 本来羽月建設の規模では取れないような大きな仕事を獲得すると共に独占し、島の建設を足がかりに事業の拡大を狙って莫大な利益を得ることで私腹を肥やそうとしていたことが石沢の口から明かされている。羽月建設の規模では無理だったセントラルアイランドの建設工事の受注を取るために政府にパイプのある森田信輝に莫大な資金と妻を差し出した。彩水はその際に生まれた子であり、血の繋がりは無い。その後はセントラルアイランドに欠陥があって大都市計画には不向きであることを知るとそれでも開発を続けさせる為に森田と共に事実を隠蔽する事を画策し、危険性を訴え続けていた地質学者の石沢要一を策略によって学会から追放させた。また、森田の秘書である石沢景子が真相を突き止めた事を知ると森田と共謀し、口封じのために彼女を自殺に見せかけて殺害する。彩水の好感度を上げ、生存させた場合のエピローグでは、会社に捜査が入った旨が伝えられるが、実際に羽月がその後どうなったのかまでは語られない。
- 石沢 景子(いしざわ けいこ)
- 森田グループの女性秘書であったが、横領が発覚して自殺したと報道される人物。石沢要一の娘で、氷川慶介の婚約者。生前は、氷川の異母妹である羽月彩水のことを実の妹のように可愛がっていた。
- 父を社会的地位から落とした森田グループと羽月建設の真実を暴くために母方の名字を使って森田グループに秘書として入社しており、後に真相を突き止めて父に証拠のデータディスクを送ったものの、最後はそれに気付いた森田と羽月によって口封じのために殺された。しかし表向きには前述のように発表され、やがて真相を知った石沢が復讐の為に犯行に及ぶ事になる。
- 森田グループの調査に出たのも父の無念を晴らす目的以上に、氷川の後押しがあったためだがそれは彩水と氷川の計画であり、彼女の死自体が仕組まれたものであった。
- 由紀子、多恵(ゆきこ、たえ)
- 声 -
- あおい住宅街で金網の中に取り残されていた母親と幼い娘。父親は「熱い自警団」と表記される。名前は台詞の中で出てくるが、テキスト上の表示名は「母親」と「娘」なのでどちらが由紀子で多恵なのかは不明。娘は空腹で泣いており、主人公が取ってきたカロリーメイトを手渡される。その後、父親に助けられて二人とも救助されていった。
- 院長
- 声 - 緒方賢一
- 咲が勤務していたセントラルアイランド市民病院の院長。妻が植物状態で運び出せず、脱出を諦めて最期の時を二人で過ごそうとしている。咲に説得されても考えを変えず、脱出を促した。その後、病院は崩壊して望み通り妻と共に死亡。咲には「奥さんとずっと一緒」と表された。
- 暴徒
- ストレスで暴徒と化した避難民。咲と彩水を拘束し、主人公に食糧を持ってくるように強要する。その前にも比嘉の生徒を人質に取って同じような要求を彼女にしていた。比嘉を助けた場合は持ってきたカロリーメイトの少なさから「何か芸をしろ」と要求を上乗せするが、咲の歌で心変わりして人質を解放する。比嘉を助けなかった場合は多くのカロリーメイトが手に入り、それに満足して大人しく人質を解放する。どちらの場合でも直後のニュースで羽月への怒りから彩水を狙うようになり、主人公達を執拗に追い掛ける。主人公に追いつくと即座に地面にねじ伏せてしまう。
- 柘植 明(つげ あきら)
- 前作(『絶体絶命都市2』)の主人公の一人であるタクシー運転手。今作ではマルチプレイのあるステージに登場している。
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ステージ
- 1日目
- 海底トンネル - 春崎ラグーンライン
- セントラルアイランドと本土を結ぶトンネル。バスに乗る主人公以外の乗客はトンネル崩落で全滅。地上を目指す道中で本条咲と出会う。
- 松谷交差点付近
- トンネルを抜けて地上に出た先。大地震によって見る影もなく崩壊しており、主人公と咲は激しいショックを受ける。
- 松谷南付近
- 大規模な倒壊で瓦礫や自動車が降り注ぐ中を走り抜ける。咲が初めて歌を口ずさむ。
- 梅野通り
- 陥没により、高低差の激しい地形は更に爆発によって低地は火の海と化す。
- 桃垣通り
- 自動車すら空を舞う火災旋風によって飛来する炎や障害物を避けながら突破する。
- 本郷ビル 事務所
- 火災旋風を生き延びた二人はたどり着いたビルで一夜を明かす。咲の好感度によって就寝時の演出が変化する。
- 2日目
- 桜町通り
- ホテル ハイアーバン
- 羽月彩水と出会うホテル。外観は保っているが、内部は各階の床が抜け落ちている。
- ラグーンモール
- 彩水の治療道具を探しに入り込む地下街。最後はガス漏れによって爆発を起こす。
- 藤代通り、あおい住宅街
- マンションや住宅街が倒壊し、取り残された親子が金網の中に閉じ込められている。
- スーパーマゴヤ
- 藤代通りにあるスーパーマーケット。中は荒れており、商品も殆ど残っていない。
- 西第三中学校
- 咲が歌を披露する避難所の中学校。石沢が水没を訴えた事で被災者は一斉に避難する。
- 中央記念公園 舞津運河西岸・東岸
- 河川の氾濫による濁流と雨で地盤が緩んだ事で倒れた時計塔を橋代わりに対岸まで渡る。
- 百合大橋付近
- 水没する街を眺めながら咲が2曲目を歌う。
- 3日目
- セントラルアイランド市民病院
- 咲が勤務する倒壊しかけた病院。中では脱出を諦めた院長が植物状態の妻と最期の時を過ごしている。
- セントラルアイランド市役所付近
- 一部の避難民がストレスで暴徒と化した避難所。倉庫では大規模火災が発生している。
- やなぎ住宅街
- 崩壊した街を障害となる暴徒の手から逃れる為に逃げ隠れしながら進む。これ以降は暴徒から逃げる展開が続く。
- グロリア稲荷
- 柿山通り
- 羽月建設ビル
- 暴徒から逃げながら主人公は崩落するビルを駆け上がる。ビルに入るまでは周囲の街はまだ残っているが、エンディングムービーではいつの間にか島は水没していた。
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エンディング
エンディング1〜4は直希、エンディング5〜8は里奈かの違いであって内容そのものに相違は無い。エンディング9以外は2周目以降のみエピローグが入る。
- エンディング1、5
- 転落しそうになった石沢を庇ったのは彩水だった。彼女は自身の罪を受け入れるように海へと転落していく。彩水の消えた海を見下ろしながら主人公は呆然とするしかなく、咲の叫びが響き渡る。
- ラストシーンで転落する彩水に手を伸ばさなかった場合は無条件でこの結末となる。2周目以降のエピローグでは咲が手紙を送ってくる。
- エンディング2、6
- 転落する彩水に手を伸ばした主人公だが、一緒に転落してしまう。気がついた二人は木片に捕まって海に浮かんでおり、咲を乗せた救助ヘリが助けにくる。
- 彩水を助けようとし、咲の好感度が高かった場合の結末。2周目以降のエピローグでは咲がメールを送ってくる。
- エンディング3、7
- 海に転落した彩水と主人公。二人が気付くと前に船が通りかかっていた。二人は額を寄せ、生還を喜ぶ。
- 彩水を助けようとし、彩水の好感度が高かった場合の結末。2周目以降のエピローグでは彩水が手紙を送ってくる。
- エンディング4、8
- 海に転落した彩水と主人公を助けるべく咲は救助ヘリに同乗して捜索するも、時既に遅く二人は衰弱死していた。波間を漂う二人の亡骸を発見した咲は、ただ泣くしかなかった。
- 彩水を助けようとし、咲、彩水の好感度が低かった場合の結末。2周目以降のエピローグでは咲のブログが流れる。
- エンディング9
- 救助ヘリに乗れることになった主人公と咲だが、ヘリにはあと一人しか乗れなかった。主人公は咲を残して一人ヘリに乗り、島を脱出する。
- このエンディングのみどちらの主人公でも共通。ゲームクリアとは看做されずセーブポイントから再開となる。また、後述する通りバグによりエンディングリストにもカウントされない。
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主題歌
- エンディングテーマ「キミの隣りで…」
- 作詞/作曲/唄:飯田舞、編曲:東大黒/海老原博
- エンディングテーマ「Foever」(「キミの隣りで…」の英語版)
- 作曲:飯田舞、編曲:東大黒/海老原博、作詞/唄:ナディア・ギフォード
- 挿入歌「忘れない」
- 作詞/作曲/唄:飯田舞、編曲:東大黒/海老原博
- 挿入歌「Remember」(「忘れない」の英語版)
- 作曲:飯田舞、編曲:東大黒/海老原博、作詞/唄:ナディア・ギフォード
評価
ファミ通のクロスレビューではレビュアー全員が7点の28点(満40点)だった[3]。
Hardcore Gaming 101は「前二作のファンならシリーズを締めくくるに相応しい必携の作品」としつつも「シリーズ中最も弱い作品」と評し、ストレスメーターやアイテムの意味の薄さを指摘した。また、乗り物が無くなった点や本作が日本国外向けにローカライズされなかったことを残念がった[4]。
不具合
本作にはいくつかの不具合が確認されており、ゲーム進行に影響を及ぼす致命的なものまで存在する。これらは公式に認められている不具合であり、この他にもバグが存在する。配信再開後のダウンロード版では進行不能になるバグが修正されている[5]。
- ホテル ハイアーバンバグ
- ゲーム中のエリアの一つのホテル ハイアーバンで、ハシゴを上階から落として階下のハシゴまで向かう場面で黄色い矢印が出ているポイントまで行っても何も起こらないバグがある。同一エリアにあるベンチでセーブしてしまうと回避が不可能になってしまうので以前のセーブデータを別に保存していない限り最初からやり直さないといけない。
- スーパーマゴヤバグ
- ゲーム中のエリアの一つのスーパーマゴヤにて、二階から一階に降りる際にPSPがフリーズ、電源が落ちてしまう事がある。
- グロリア稲荷ロープバグ
- ゲーム中のエリアの一つのグロリア稲荷で、ロープを手に入れる場面で、ロープを調べても入手できないバグが確認されている。同一エリアにセーブポイントであるベンチでセーブしてしまったら、以前のセーブデータを別に保存していない限り最初からやり直ししなくてはいけない。
- 絶体絶命グリップのコンパス
- パッケージ内に、絶体絶命グリップのコンパスがゲーム中で入手出来る旨を伝える冊子が入っているが、実際にはそのようなコンパスは存在しない。これは製作の都合で収録を断念したが、これら冊子の修正が間に合わなかった為である。後に公式サイトにお詫びの文が掲載された。
- 9種類目のエンディング
- 本作には全9種類のエンディングが存在するが、9種類目のエンディング(途中、一人で脱出するもの)はエンディングリストにカウントされない。
脚注
関連項目
外部リンク
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