且

漢字

且

• 部首: 一一 + 4 画
• 総画: 5画5

• 異体字 : 𠀃（古字）, 𠀇（古字）, 𣅂
• 筆順 :

  

字源

• 象形。もと「俎」の略体で、小さな台（まないた）を象る。「まないた」を意味する漢語｛俎 /*tsraʔ/｝を表す字。のち仮借して「かつ」「さらに」を意味する接続詞｛且 /*tshaʔ/｝に用いる。^{[字源 1]}

甲骨文字	金文	小篆	流伝の古文字
殷	西周	《説文》 （漢）	《六書通》 （明）

<参考文献>

1. 季旭昇撰 『説文新証』 芸文印書館、2014年、932頁。
   陳剣 「甲骨金文旧釈“䵼”之字及相関諸字新釈」 『出土文献与古文字研究』第2輯 復旦大学出土文献与古文字研究中心編、上海古籍出版社、2008年、13-47頁。

関連字

「且」を音符とする形声文字 （諧声域＝*TSA）

		精母	清母	從母
一等	平声 模韻	租蒩	𤿚	徂䢐殂 （歌韻：䣜蔖䠡虘）
	上声 姥韻	祖珇組蒩䔃靻 （蕩韻：駔）	蔖	粗麆駔伹
	去声 暮韻		（過韻：𢯽）	𧃘𧇿
	入声 鐸韻
		莊母	初母	崇母
二等	平声 麻韻	樝柤𦳏㪥䶥皻抯渣𤹡𥡧		楂査查䶥㢒苴 （佳韻：査查）
	上声 馬韻	謯	-
	去声 禡韻		-
	入声 陌韻
		精母	清母	從母
三等A	平声 魚韻	且蛆苴沮	疽岨砠䢸趄苴沮狙䏣蛆雎蒩𣻐伹坥𡳆	-
	平声 麻韻	罝謯袓㜘怚	-	㚗
	上声 語韻	苴咀䃊	𤿚	咀沮怚袓跙
	上声 馬韻	姐抯飷	且	（邪母：抯）
	去声 御韻	怚沮	覰䁦刞坥䏣	-
	去声 禡韻		笡（寘韻：㡹）
	入声 藥韻
		莊母	初母	崇母
三等B	平声 魚韻	菹𧗘䶥沮		鉏鋤耡豠𧱑𪆷
	上声 語韻	阻俎	𪓐	齟鉏
	去声 御韻	詛阻		助耡麆
	入声 藥韻		-	-

字義

1. （名詞）供物を並べるための台。
2. （接続詞）かつ、～もまた。

本来の意義は1.であったが、後に2.の意義に転義した。1.の意義としては俎が使われるようになった。

日本語

常用漢字

音	呉音: シャ、ソ 漢音: シャ、ショ
訓	訓読み: か-つ 表内、しばら-く、まさ-に 名乗り: あき、かつ

副詞

1. （かつ）ある事物が並行して起こったり存在していることを表す。ならびに。同時に。

接続詞

1. （かつ）ある状態に、別の状態が加わる状況を表す。かさねて。くわえて。

中国語

且 *

• ローマ字表記
  • 普通話
    • ピンイン: qiě (qie3), jū (ju1)
    • ウェード式: ch'ieh³, chü¹
    • 注音符号: ㄑㄧㄝˇ, ㄐㄩ
  • 広東語
    • イェール式: che2, jeung1

副詞

1. しばらく、ひとまず。

接続詞

1. ～さえ。
2. かつ。
3. （「且～、且～」の形で）～しながら、～する。

朝鮮語

且 *

• ハングル: 차, 저, 조
• 音訓読み: 또 차
  • 文化観光部2000年式: cha, jeo, jo
  • マッキューン＝ライシャワー式: ch'a, chŏ, cho
  • イェール式: cha, ce, co

文字情報

且 U+4E14, 且 CJK 統合漢字-4E14 ← 专 [U+4E13] CJK Unified Ideographs 丕 → [U+4E15]

文字コード (文字集合規格)

-	Unicode: U+4E14
日	JIS X 0213/0208: 1面19区78点 [第1水準] (Shift_JIS=0x8A8E, EUC-JP=0xB3EE, ISO-2022-JP=0x336E) MJ文字図形: MJ006321, MJ056831
中	GB18030: 0xC7D2
台	Big5: 0xA542 CNS 11643: 1面 0x4562
韓	KS X 1001: 0x7326

• 四角号碼: 7710₀
• 倉頡輸入法: 月一 (BM)

漢点字	六点漢字
⠡⢼	⠰⠸⠄

字典掲載

康熙字典	77ページ, 7文字目
諸橋大漢和辞典 (修訂第2版)	29
新潮日本語漢字辞典 (2008)	33
角川大字源 (1992)	20
講談社新大字典 (1993)	30/47
大漢語林 (1992)	25
三星漢韓大辞典 (1988)	154ページ, 19文字目
漢語大字典 (1986-1989)	1巻, 15ページ, 5文字目