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小説家 (1928-2019) ウィキペディアから
田辺 聖子(たなべ せいこ、本名:田邉 聖子[1]、1928年3月27日 - 2019年6月6日[2])は、日本の小説家、随筆家。文化功労者、文化勲章受章者。位階は従三位。
たなべ せいこ 田辺 聖子 | |
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新潮社『旅』第40巻第7号(1966)より | |
誕生 |
田邉 聖子 1928年3月27日 大阪府大阪市 |
死没 |
2019年6月6日(91歳没) 兵庫県神戸市 |
職業 |
小説家 随筆家 |
言語 | 日本語 |
国籍 | 日本 |
教育 | 得業士 |
最終学歴 | 旧制樟蔭女子専門学校 |
活動期間 | 1956年 - 2018年 |
ジャンル |
恋愛小説 歴史小説 随筆 評伝 |
代表作 |
『感傷旅行』(1964年) 『新源氏物語』(1978年 - 1979年) 『姥ざかり』(1981年) 『ジョゼと虎と魚たち』(1984年) 『ひねくれ一茶』(1993年) 『道頓堀の雨に別れて以来なり――川柳作家・岸本水府とその時代』(評伝、1998年) |
主な受賞歴 |
大阪市民文芸賞(1956年) 芥川龍之介賞(1964年) 女流文学賞(1987年) 吉川英治文学賞(1993年) 菊池寛賞(1994年) 紫綬褒章(1995年) 泉鏡花文学賞(1998年) 読売文学賞(1999年) 蓮如賞(2003年) 朝日賞(2007年) 文化勲章(2008年) 叙従三位(2019年、没時叙位) |
デビュー作 | 『花狩』(1958年) |
配偶者 | 川野純夫(1966年 - 2002年、死別) |
大阪府大阪市生まれ。淀之水高等女学校を経て樟蔭女子専門学校(現大阪樟蔭女子大学)国文科卒。恋愛小説などを中心に活動し、第50回芥川龍之介賞などの受賞歴がある。
1928年3月27日、大阪府大阪市此花区(現・福島区)に田辺貫一と勝世(岡山出身)の間に三人の子供の長女として生まれる[3]。父方は広島県福山市の出身で祖父の代から写真館を経営していた[4]。大阪市内に生まれ、大阪の風俗文化に深く親しみながら育ったことが、のちの作風に影響を与えている。因みに北摂の新興都市については風俗文化が乏しいと評している。
幼少時は古典文学に親しみ、多くの少女小説を愛読した。戦時中は愛国心にあふれた軍国少女としての時代を過ごし、戦争で死ぬことを本望としていた。1943年『少女の友』の作文欄で川端康成の選により掲載された「さら」が最初の活字作品。敗戦後はその反動と喪失感から複雑な思いを抱く中で古典文学の世界に癒しを見出した。 樟蔭女子専門学校国文科を卒業後[5]、 大阪の金物問屋に勤めながら文芸同人の『文芸首都』『大阪文学』に参加し、『花狩』はラジオドラマに採用され放送作家となった時期もある。1955年から1957年にかけて、半年間ずつ2度、大阪文学学校の夜間部に在籍。
1956年に上梓した『虹』で大阪市民文芸賞を受賞してからは本格的な作家活動に入り、恋愛をテーマにした小説や大阪弁を用いた一種の方言文学の制作に取り組んだ。1964年に「感傷旅行」で第50回芥川賞に選出され、若手女流作家の寵児となる。以降は人気作家として多くの執筆依頼を受けていくが、純文学の賞である芥川賞の受賞者としての立場を枷に感じ、後年に「直木賞の方が欲しかった」と冗談含みで語っている。1987年の第97回直木賞から2004年第132回まで直木賞の選考委員を務めた。
次第に大衆小説へと軸足を移し、より身近な設定で恋愛小説や社会風刺的なエッセイなどを精力的に執筆する。また古典文学の流れから歴史小説にも活躍の場を広げ、同じ大阪出身の歴史小説家である司馬遼太郎とも親睦を結んでいるほか、自身も江戸時代の俳諧師・小林一茶の生涯を描いた『ひねくれ一茶』で吉川英治文学賞を受賞している。小松左京や筒井康隆ら関西SF作家たちとの交際も長く、『おせいさんの落語』は彼らも顔負けの奔放なイマジネーションを駆使した奇想小説集であり、連作短編集『お聖どん・アドベンチャー』の題は筒井のアイディアである。1995年に紫綬褒章を受章する(67歳)。2000年に文化功労者。
2006年にはエッセイなどをもとにした朝の連続テレビ小説『芋たこなんきん』(NHK大阪放送局制作)が作られた。2007年に母校の大阪樟蔭女子大学小阪キャンパス図書館内に田辺聖子文学館が開館。長年の執筆活動を称えて、2008年に文化勲章を授与された。2009年には著作をもとにした朗読劇「田辺聖子の世界」が公開され、3月30日と31日には銀座博品館劇場で、同年5月9日には兵庫県立芸術文化センターで、いずれも萬田久子主演で上演された。
2019年6月6日、総胆管結石による胆管炎で神戸市内の病院において死去。91歳だった。死没日をもって従三位に叙される[1][6]。
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