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メジャーリーグベースボールの第18回アメリカンリーグ優勝決定シリーズ ウィキペディアから
1986年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)のポストシーズンは10月7日に開幕した。アメリカンリーグの第18回リーグチャンピオンシップシリーズ(18th American League Championship Series、以下「リーグ優勝決定戦」と表記)は、同日から15日にかけて計7試合が開催された。その結果、ボストン・レッドソックス(東地区)がカリフォルニア・エンゼルス(西地区)を4勝3敗で下し、11年ぶり10回目のリーグ優勝および9回目のワールドシリーズ進出を果たした。
1986年のアメリカンリーグ チャンピオンシップシリーズ | |||||||
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シリーズ情報 | |||||||
試合日程 | 10月7日–15日 | ||||||
観客動員 | 7試合合計:32万4430人 1試合平均: 4万6347人 | ||||||
MVP | マーティー・バレット(BOS) | ||||||
殿堂表彰者 | ウェイド・ボッグス(BOS内野手) ジム・ライス(BOS外野手) レジー・ジャクソン(CAL外野手) ドン・サットン(CAL投手) | ||||||
チーム情報 | |||||||
ボストン・レッドソックス(BOS) | |||||||
シリーズ出場 | 11年ぶり2回目 | ||||||
GM | ルー・ゴーマン | ||||||
監督 | ジョン・マクナマラ | ||||||
シーズン成績 | 95勝66敗・勝率.590 東地区優勝 | ||||||
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カリフォルニア・エンゼルス(CAL) | |||||||
シリーズ出場 | 4年ぶり3回目 | ||||||
GM | マイク・ポート | ||||||
監督 | ジーン・モーク | ||||||
シーズン成績 | 92勝70敗・勝率.568 西地区優勝 | ||||||
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ワールドシリーズ |
両球団がリーグ優勝決定戦で対戦するのはこれが初めて。この年のレギュラーシーズンでは両球団は12試合対戦し、エンゼルスが7勝5敗と勝ち越していた[1]。エンゼルス抑え投手のドニー・ムーアはその12試合中3試合4.0イニングに登板、2セーブ・防御率0.00を記録した[2]。しかし今シリーズでは、エンゼルスが3勝1敗とリーグ優勝に王手をかけて迎えた第5戦、1点リードの9回表二死一塁で登板してデーブ・ヘンダーソンに逆転2点本塁打を浴びると、味方打線が同点に追いついたあとの延長11回表にもヘンダーソンに勝ち越しの犠牲フライを許し、敗戦投手となった。エンゼルスが続く2試合にも連敗して逆転で優勝を逃したため、ムーアは戦犯として非難され心身に不調をきたし、1989年7月に妻を銃撃して重傷を負わせたあと自らの頭を撃ち抜いて自殺する[3]。シリーズMVPには、第6戦で勝ち越し・決勝の適時二塁打を放つなど、7試合で打率.367・5打点・OPS.840という成績を残したレッドソックスのマーティー・バレットが選出された。しかしレッドソックスは、ワールドシリーズではナショナルリーグ王者ニューヨーク・メッツに3勝4敗で敗れ、68年ぶり6度目の優勝を逃した。
当時、リーグ優勝決定戦の第1・2・6・7戦を本拠地で開催できる "ホームフィールド・アドバンテージ" は所属地区の持ち回りで決まっており、この年は本来であればアメリカンリーグ西地区とナショナルリーグ東地区の優勝球団に与えられるはずだった。しかし実際には、アメリカンリーグ東地区とナショナルリーグ西地区の優勝球団がアドバンテージを得た。これは、ナショナルリーグ西地区優勝球団ヒューストン・アストロズの本拠地球場アストロドームが野球専用球場ではなく、アメリカンフットボールでも使用されるからである。ナショナルリーグ優勝決定戦・第4戦開催予定日の10月12日、アストロドームではNFLのヒューストン・オイラーズが試合を行うことになっていたため、同シリーズは第3~5戦の開催地を東地区優勝球団ニューヨーク・メッツの本拠地球場シェイ・スタジアムへ移さざるを得ず、アドバンテージ付与地区を入れ替えた[4]。
1986年のアメリカンリーグ優勝決定戦は10月7日に開幕し、途中に移動日を挟んで9日間で7試合が行われた。日程・結果は以下の通り。
日付 | 試合 | ビジター球団(先攻) | スコア | ホーム球団(後攻) | 開催球場 | |
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10月 | 7日(火)第1戦 | カリフォルニア・エンゼルス | 8-1 | ボストン・レッドソックス | フェンウェイ・パーク | |
10月 | 8日(水)第2戦 | カリフォルニア・エンゼルス | 2-9 | ボストン・レッドソックス | ||
10月 | 9日(木)||||||
10月10日(金) | 第3戦 | ボストン・レッドソックス | 3-5 | カリフォルニア・エンゼルス | アナハイム・スタジアム | |
10月11日(土) | 第4戦 | ボストン・レッドソックス | 3-4x | カリフォルニア・エンゼルス | ||
10月12日(日) | 第5戦 | ボストン・レッドソックス | 7-6 | カリフォルニア・エンゼルス | ||
10月13日(月) | ||||||
10月14日(火) | 第6戦 | カリフォルニア・エンゼルス | 4-10 | ボストン・レッドソックス | フェンウェイ・パーク | |
10月15日(水) | 第7戦 | カリフォルニア・エンゼルス | 1-8 | ボストン・レッドソックス | ||
優勝:ボストン・レッドソックス(4勝3敗 / 11年ぶり10度目) |
映像外部リンク | |
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MLB.comによる動画 | |
サミー・デイヴィスJr.による試合前のアメリカ合衆国国歌『星条旗』独唱(2分30秒) |
映像外部リンク | |
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MLB.comによる動画 | |
延長11回裏一死一・二塁、ボビー・グリッチの左前打でエンゼルスがサヨナラ勝利、リーグ優勝に王手をかける(1分5秒) |
『ハードボール・タイムズ』のクリス・ジャフは2011年10月、歴代のポストシーズン各シリーズについて、面白さの数値化を試みた。「1点差試合は3ポイント、1-0の試合ならさらに1ポイント」「サヨナラゲームは10ポイント、サヨナラが本塁打によるものならさらに5ポイント」「7試合制のシリーズが最終戦までもつれれば15ポイント」などというように、試合経過やシリーズの展開が一定の条件を満たすのに応じてポイントを付与することで、主観的ではなく定量的な評価を行った。その結果、その年の両リーグ優勝決定戦まで全262シリーズの平均が45ポイントのところ、今シリーズは103ポイントを獲得した。これは全シリーズ中15位、リーグ優勝決定戦に限れば9位の高得点だった[5]。
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