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こちらあみ子

今村夏子の短編小説 ウィキペディアから

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『こちらあみ子』(こちらあみこ)は、今村夏子短編小説、およびそれを表題作とする短編集。2022年に映画化された。

概要

2010年、第26回太宰治賞を受賞した短編「あたらしい娘」[1]が、2011年1月に筑摩書房から出版されるのに際し「こちらあみ子」と改題された。 単行本『こちらあみ子』は新作中編「ピクニック」を併録している。同書は2011年、第24回三島由紀夫賞を受賞[2]2014年6月、ちくま文庫にて文庫化された際、さらに新作「チズさん」が併録されている[3]

あらすじ

広島の公立小学校に通う5年生の「あみ子」は、純粋無垢だが他人の気持ちが分からず、授業中に騒ぐ等、トラブルの多い少女だった。同級生の「のり君」が好きだが、迷惑この上ない「のり君」。家族が誕生日パーティーを開いてくれても、プレゼントのトランシーバーに夢中で、せっかくのご馳走を残す「あみ子」。流行のトランシーバーは欲しかったが友達はおらず、「こちら『あみ子』」と呼びかけても、応答は返って来なかった。

妊娠中だった母・さゆりが死産した。良かれと思って庭に「弟の墓」を作る「あみ子」。それまで気持ちを押さえていた母は、墓を見て泣き叫び、以来、何も出来ず寝て過ごす状態になってしまった。妹思いの優しい兄・考太も暴走族になった。

中学生になる「あみ子」。不良の兄が校内で恐れられている為にイジメには合わないが、相変わらず友達はいない。会社員の父・哲郎は、制服のまま寝て何日も風呂に入らない「あみ子」に、スーパーの惣菜を与えることしか出来なかった。自分の部屋で聞こえる謎の音を、「成仏できない弟の霊」だと騒ぐ「あみ子」。父は苦しげに「女の子だった」と告げたが、父の気持ちが分からない「あみ子」は、空想のお化けたちと無心に遊ぶばかりだった。

公立高校に進んでも、テスト中に「♪お化けなんかないさ〜」と童謡を歌う「あみ子」。「あみ子」にしつこく絡まれた「のり君」は、耐えきれずに「あみ子」の鼻の骨が折れるほど殴りつけた。諦めたように「引っ越そう」と話す父に、「離婚だ、離婚だ!」と興奮する「あみ子」。

部屋の物音は、ベランダに巣を作った鳥の仕業だった。高校を中退し、父と二人で田舎の祖母の家に移る「あみ子」。だが父は広島の家に帰ると言う。「あみ子」一人が祖母の家に預けられたのだ。朝の海岸でお化けたちの乗った小舟を見送った「あみ子」は、水が冷たいという人声に、元気に「大丈夫!」と応えるのだった。


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映画

概要 こちらあみ子, 監督 ...

本作が初監督作となる森井勇佑[4]により映画化され、2022年7月8日に公開された[5]

主人公・あみ子を演じる大沢一菜は、応募総数330名の中から選ばれた新人[6]

キャスト

  • あみ子:大沢一菜
  • お父さん・哲郎:井浦新
  • お母さん・さゆり:尾野真千子
  • 考太:奥村天晴
  • のり君:大関悠士
  • 坊主頭:橘高亨牧
  • 保健室の先生:播田美保
  • おばあちゃん:黒木詔子
  • 幼い日のあみ子:桐谷紗奈
  • 幼き日の考太:兼利惇哉
  • 学校の先生:一木良彦
  • 校長先生:柿辰丸

スタッフ

  • 監督・脚本:森井勇佑
  • 企画・プロデュース:近藤貴彦
  • プロデューサー:南部充俊、飯塚香織
  • 音楽:青葉市子
  • 撮影・照明:岩永洋
  • 録音:小牧将人
  • 美術:大原清孝
  • 編集:早野亮
  • 衣装:纐纈春樹
  • ヘアメイク:寺沢ルミ
  • 整音:島津未来介
  • 音響効果:勝亦さくら
  • スチール:三木匡宏
  • 助監督:羽生敏博
  • タイトルデザイン:赤松陽構造
  • 主題歌:青葉市子「もしもし」
  • 配給:アークエンタテイメント
  • 製作幹事/製作プロダクション:ハーベストフィルム、エイゾーラボ

受賞歴

脚注

外部リンク

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