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こちらあみ子
今村夏子の短編小説 ウィキペディアから
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概要
2010年、第26回太宰治賞を受賞した短編「あたらしい娘」[1]が、2011年1月に筑摩書房から出版されるのに際し「こちらあみ子」と改題された。 単行本『こちらあみ子』は新作中編「ピクニック」を併録している。同書は2011年、第24回三島由紀夫賞を受賞[2]。2014年6月、ちくま文庫にて文庫化された際、さらに新作「チズさん」が併録されている[3]。
あらすじ
広島の公立小学校に通う5年生の「あみ子」は、純粋無垢だが他人の気持ちが分からず、授業中に騒ぐ等、トラブルの多い少女だった。同級生の「のり君」が好きだが、迷惑この上ない「のり君」。家族が誕生日パーティーを開いてくれても、プレゼントのトランシーバーに夢中で、せっかくのご馳走を残す「あみ子」。流行のトランシーバーは欲しかったが友達はおらず、「こちら『あみ子』」と呼びかけても、応答は返って来なかった。
妊娠中だった母・さゆりが死産した。良かれと思って庭に「弟の墓」を作る「あみ子」。それまで気持ちを押さえていた母は、墓を見て泣き叫び、以来、何も出来ず寝て過ごす状態になってしまった。妹思いの優しい兄・考太も暴走族になった。
中学生になる「あみ子」。不良の兄が校内で恐れられている為にイジメには合わないが、相変わらず友達はいない。会社員の父・哲郎は、制服のまま寝て何日も風呂に入らない「あみ子」に、スーパーの惣菜を与えることしか出来なかった。自分の部屋で聞こえる謎の音を、「成仏できない弟の霊」だと騒ぐ「あみ子」。父は苦しげに「女の子だった」と告げたが、父の気持ちが分からない「あみ子」は、空想のお化けたちと無心に遊ぶばかりだった。
公立高校に進んでも、テスト中に「♪お化けなんかないさ〜」と童謡を歌う「あみ子」。「あみ子」にしつこく絡まれた「のり君」は、耐えきれずに「あみ子」の鼻の骨が折れるほど殴りつけた。諦めたように「引っ越そう」と話す父に、「離婚だ、離婚だ!」と興奮する「あみ子」。
部屋の物音は、ベランダに巣を作った鳥の仕業だった。高校を中退し、父と二人で田舎の祖母の家に移る「あみ子」。だが父は広島の家に帰ると言う。「あみ子」一人が祖母の家に預けられたのだ。朝の海岸でお化けたちの乗った小舟を見送った「あみ子」は、水が冷たいという人声に、元気に「大丈夫!」と応えるのだった。
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映画
本作が初監督作となる森井勇佑[4]により映画化され、2022年7月8日に公開された[5]。
主人公・あみ子を演じる大沢一菜は、応募総数330名の中から選ばれた新人[6]。
キャスト
スタッフ
受賞歴
- 第27回新藤兼人賞
- 金賞(森井勇佑監督)[7]
- 第14回TAMA映画賞
- 最優秀新進監督賞(森井勇佑)[8]
- 第77回毎日映画コンクール
- 第36回高崎映画祭
- 第96回キネマ旬報ベスト・テン 日本映画ベスト・テン 第4位[12]
- 第52回ロッテルダム国際映画祭Bright Future部門出品[13]
- 第32回日本映画プロフェッショナル大賞
脚注
外部リンク
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