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わたらせ渓谷鐵道わ89-100形気動車

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わたらせ渓谷鐵道わ89-100形気動車
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わ89-100形気動車(わ89-100がたきどうしゃ)は、JR足尾線第三セクターに転換して開業したわたらせ渓谷鐵道が開業にあたって導入した気動車である[4]1989年平成元年)に2両が製造され[1]2013年平成25年)まで使用された[10]

概要 わたらせ渓谷鐵道わ89-100形気動車わたらせ渓谷鐵道わ89-200形気動車 (共通事項), 基本情報 ...
概要 基本情報, 製造数 ...
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本項ではわ89-100形と同様の車体と走行装置を持ち、座席配置が異なり[9]、1989年(平成元年)に3両が製造[11]され、2010年(平成22年)まで使用された[12]わ89-200形気動車についても併せて記載する。

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概要

1989年(平成元年)3月29日にJR足尾線を第三セクターに転換して開業したわたらせ渓谷鐵道が開業に際して投入した気動車である[3]。両運転台、トイレなし、ロングシートのわ89-100形2両と、両運転台、トイレなし、セミクロスシートのわ89-200形3両が富士重工業で製造された[13][4][7]。富士重工業製のレールバスLE-Car IIをベースとし[14]、それぞれの車両に沿線市町村の代表的な山の名前の愛称がつけられ、登場時は各車が異なる色に塗装されていた[3][15]。同時に、観光団体輸送を考慮し、車体を大型化の上、車内を全席転換クロスシートとしたわ89-300形2両も製造されている[11]。わ89-102は開業間もない1989年(平成元年)5月14日に落石に乗り上げて大破し、同年7月1日に廃車された[16]。この経緯から、わ89-102の実働期間はわずか47日と超短命車両の記録を持つ。1990年(平成2年)7月には201、202にトイレが設置された[17]が、LE-Carシリーズでトイレを設置したのはこの2両のみである[14]。後年わ89-300形と同様の紅銅(べにあかがね)色一色に変更[16]され、2008年(平成20年)から2013年(平成25年)にかけて廃車された[18][19][12][10]

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車体

富士重工業製のレールバスLE-Car IIをベースとする[14]。LE-Carではバスの構体を流用したため車体幅が2,440 mmとなっていたが、1985年(昭和60年)に製造された樽見鉄道ハイモ230-300形気動車から幅広の屋根部品を用意して車体幅が2,700 mmとなった[20]。正面貫通式、車体長は15,000 mm、運転席は左隅に設けられ、乗務員扉も片側1箇所に設置された[3]。客用扉は幅990 mmの折り戸が運転室直後に1箇所と反対側の車端に1箇所の2か所に設けられた[3][15]。扉間には幅1,600 mmの窓6組が設けられ、うち3組は下半分が引き違い式、上半分が固定式となった[3]。乗務員扉がない側の客用扉直後に幅820 mmの固定式窓が設けられた[3]。外部塗装は下半分アイボリー、上半分が車両ごとに異なる色となり、窓下には13種類の動物(たぬきしかきじいのししとんびりすむささびさるきつねいたちうさぎかめくま)のシルエット調のイラストが描かれた[3]

わ89-100形は全席ロングシート、わ89-200形は車内中央部に4人掛けボックスシート6組を備えたセミクロスシートである[3]。整理券発行機、運賃箱などのワンマン運転対応の機器も設置された[15]

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走行装置

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FU34系台車
写真は信楽高原鐵道SKR310形のもの

エンジンは、日産ディーゼルPE6HT03ディーゼルエンジン(連側定格出力184 kW / 1,900 rpm)を1基搭載、動力はSCAR0.91A液体変速機を介して台車に伝達される[5][7]。前位側台車は2軸駆動の動台車FU34GD、後位側はFU34GTで、いずれも空気ばね式である[3][5]制動装置はSME三管式直通ブレーキが採用され[5]機関ブレーキ排気ブレーキリターダブレーキを併用する[9]

空調装置

暖房装置はエンジン排熱を利用した温風式だが、冬季早朝に暖房の効きが悪かったため、1991年(平成3年)11月に床下にウォーターヒータが設置された[21]。冷房装置は能力25.6 kW(22,000 kcal/h)のIBCU-23が1基搭載された[5][9]

車歴

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運用

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相老駅に停車するわ89-101とわ89-310形の編成

1989年(平成元年)3月29日にJR足尾線が第三セクターに転換し、わたらせ渓谷鐵道が開業するのに合わせ、わ89-100形2両、わ89-200形3両、わ89-300形2両が投入され、わたらせ渓谷線桐生駅 - 間藤駅間で運用された[4][2]。開業にあたっては、JRからの車両譲渡や、JR車両に近似した車両の新造も検討されたが、路線の性格を考慮、運転コストの削減、会社のイメージアップをねらってレールバス型の新造車両を投入することとなった[4]。開業間もない1989年(平成元年)5月14日に落石に乗り上げてわ89-102が大破し、同年7月1日に廃車、代替としてわ89-310形が1991年(平成3年)3月に製造されている[11]。1990年(平成2年)7月には201、202にトイレが設置された[17]が、富士重工製LE-Carシリーズでトイレを設置したのはこの2両のみである[14]。後年、外部塗装がわ89-300形と同様の紅銅色一色に変更されている[16]

2008年(平成20年)から2010年(平成22年)にかけてわ89-200形が廃車され形式消滅した[18][19][12]のち、2013年(平成25年)にはわ89-101が登場時の塗装に復元された上で廃車となり、わ89-100形も形式消滅となった。廃車後、わ89-203がみなかみ町の個人に買い取られわ01-855とともに静態保存されているほか、わ89-101はわ89-302とともに大間々駅で静態保存されている[10]

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出典

参考文献

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